スーパーファミコンのカセットからROMを吸い出すための機器はこれまでにもいくつか登場していますが、今回ちょっと変わった製品を提供していただきました。それが、KURE544氏が開発・販売している『SFC DUMPER』です。
驚くのは、この製品を開発したKURE544氏が現役の高校生だということです。しかも、単に吸い出し用の基板を作っただけではなく、ROMの吸い出しから管理、エミュレーターの起動などを行える専用アプリ「KUREating544 Retro Game Station」まで用意されています。
そして、もうひとつ気になるのがその価格です。本体は4000円前後という比較的手を出しやすい価格で販売されており、一般的なLoROM/HiROM方式のSFCカセットに対応しています。
●BOOTH販売ページ
https://booth.pm/ja/items/8721338
もっとも、本製品は販売が始まったばかりです。作者自身も所有しているソフトが限られていることから、現時点では十分な数のタイトルで検証できていないとのことでした。そこで今回は、検証用として実機を提供していただき、手持ちのSFCカセットを使って、実際にどこまで正しくROMを吸い出せるのかをチェックしてみることにしました。
なお、本機はExHiROM方式や特殊チップを搭載したカセットには対応していません。そのあたりも含めて、使い勝手や吸い出し精度、専用アプリの出来などをじっくり見ていきます。現時点で非対応となっているタイトルについては、参考として記事末尾に一覧を掲載しています。

使い方はシンプル! カセットを挿す方向に注意
スーパーファミコンに特化したダンパーということもあり、使い方も含めて非常にシンプルな作りになっています。なお、本機にUSBケーブルは付属しておらず、USB-A→USB Type-Cのデータ通信対応ケーブルが推奨されています。USB Type-C同士の接続は動作保証外となっているほか、カセットを交換する際は必ずUSBケーブルを抜き、電源を切った状態で行う必要があります。



『SFC DUMPER』を利用するときは、まず専用アプリを入手して起動し、本機をPCとUSBケーブルで接続します。ちなみに、このアプリ自体は単体でも無料で利用でき、ダンパーを持っていない場合でもROMライブラリ管理などに利用することができます。
現在の公式サイトで配布されているのはWindows版とAndroid版です。ただし、Android版は実機からのROM吸い出しがまだ検証中となっているほか、筆者の手元に検証に適したAndroid端末がないため、今回はWindows版を使用しています。
●専用アプリの入手先
https://kure544.com/

今回のテストを行っているときに、なぜか何度やってもまったくROMの吸い出しが行えませんでした。変だなと思っていたのですが、そもそもカセットを挿す方向が間違っていたことに気が付きました。正しくは、こちらの写真に写っている向きに挿す必要があるので、気を付けましょう。

吸い出しをチェック
このWindows版のアプリもかなりしっかりと作られており、単純にゲームのROMを吸い出すことにとどまらず、ROMのライブラリ管理やエミュレーターとの連携、IPS/BPSパッチの適用なども行える総合的なツールに仕上がっています。
これに加えて、ニセモノチェックなどの機能が盛り込まれたら、それこそ『SN Operator』などに匹敵するものになるのではないでしょうか?

実際にダンパーをPCに接続してROMを吸い出すときは、上部のメニューから「カセットを吸い出す」を選びます。最初に吸い出すROMを保存する場所が表示されるので、どこか忘れてしまわないようにチェックしておくといいでしょう。

カセットが認識されるとその情報が表示されます。ここでの表示がおかしいときや、うまく認識されない場合は、カセットの端子の汚れなども考えられるので、まずは端子をクリーニングしてから再度トライしてみましょう。

無事認識されたら、画面の下の方にスクロールして、「吸い出しを開始」ボタンを押すと吸い出しがスタートします。ROMのサイズによって時間は変わりますが、いずれの場合も思ったほど時間はかからない印象です。

これはオプションの設定ですが、あらかじめPCにインストールしてあるエミュレーターを登録しておけば、吸い出したROMをそのまま起動して動作確認することもできます。

LoROMタイトルをチェック
まずはLoROM方式のタイトルからチェックしていきました。ここでお断りしておきたいのは、今回の結果がすべてのカセットに当てはまるとは限らないということです。
というのも、今回使用したカセットはいずれも中古品で、端子の状態などに個体差があるためです。うまく吸い出せなかったタイトルについては実機で正常に動作することを確認していますが、それだけでカセット側にまったく問題がないと断定できるわけではありません。
『スーパーマリオワールド』(512KB)、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』(1MB)、『ファイナルファンタジーIV』(1MB)については、いずれも問題なく認識され、ROMの吸い出しまで正常に完了しました。『スーパーマリオワールド』と『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』はLoROM、『ファイナルファンタジーIV』も日本版を含めLoROM方式のタイトルです。

連携させたエミュレーターでも、吸い出したROMが正常に起動できることを確認しました。また、ROM Checkerでもチェックサムがすべて一致しています。


一方、同じLoROM方式の『スーパーメトロイド』(3MB)では問題が発生しました。吸い出し自体は最後まで行われ、ROMファイルも出力されましたが、終了後に「このファイルは正しくない可能性があります」というメッセージが表示されました。
さらに、出力されたROMをROM Checkerで確認したところ、チェックサムが一致しないという結果になりました。


念のためカセットを実機で確認したところ、『スーパーメトロイド』自体は問題なく起動・プレイできています。そのため、今回の環境ではカセットそのものではなく、読み取り処理のどこかで正常なデータを取得できなかった可能性があります。
| タイトル | 容量 | 結果 | 備考 |
|---|---|---|---|
| スーパーマリオワールド | 512KB | 問題なし | 正常に吸い出し完了 |
| ゼルダの伝説 神々のトライフォース | 1MB | 問題なし | 正常に吸い出し完了 |
| ファイナルファンタジーIV | 1MB | 問題なし | 正常に吸い出し完了 |
| スーパーメトロイド | 3MB | 問題あり | 吸い出し後に「このファイルは正しくない可能性があります」と表示。ROM Checkerでもチェックサム不一致 |
HiROMタイトルをチェック
続いてHiROM方式のタイトルを試してみました。『おでかけレスター れれれのれ(^^;』、『MOTHER2』(3MB)、『クロノ・トリガー』(4MB)は、いずれも問題なく認識され、ROMの吸い出しまで正常に完了しました。『MOTHER2』は3MB、『クロノ・トリガー』は4MBのHiROMタイトルで、『おでかけレスター』もHiROMを採用しています。
しかし、同じHiROM方式の『聖剣伝説2』(2MB)では、ROMを保存する段階で「内部エラーが発生しました。」と表示され、そのままROMファイルが出力されませんでした。『聖剣伝説2』は2MBのHiROMタイトルです。こちらについても実機で動作を確認しましたが、ゲームそのものは問題なく起動・プレイできています。

| タイトル | 容量 | 結果 | 備考 |
|---|---|---|---|
| おでかけレスター れれれのれ(^^; | ― | 問題なし | 正常に吸い出し完了 |
| MOTHER2 | 3MB | 問題なし | 正常に吸い出し完了 |
| クロノ・トリガー | 4MB | 問題なし | 正常に吸い出し完了 |
| 聖剣伝説2 | 2MB | 問題あり | 保存時に「内部エラーが発生しました。」と表示され、ROMファイルは出力されず |
特殊チップ搭載タイトルは仕様通り認識せず
最後に、本機が非対応としている特殊チップ搭載タイトルも試してみました。今回用意したのは、『ロックマンX2』『マーヴェラス ~もうひとつの宝島~』『大貝獣物語II』の3本です。
これらについては、いずれもカセットとして認識されませんでした。『ロックマンX2』はCX4、『マーヴェラス』はSA-1を搭載しており、『大貝獣物語II』についてはS-RTC搭載かつExHiROMとなっています。
いずれもSFC DUMPERではもともと非対応とされているタイプなので、この3本については不具合ではなく仕様通りの結果と考えてよさそうです。
| タイトル | 種類 | 結果 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ロックマンX2 | CX4 | 認識せず | SFC DUMPERでは非対応 |
| マーヴェラス ~もうひとつの宝島~ | SA-1 | 認識せず | SFC DUMPERでは非対応 |
| 大貝獣物語II | ExHiROM / S-RTC | 認識せず | SFC DUMPERでは非対応 |
プロダクトとしての完成度は高め。今後の対応範囲拡大にも期待
ざっくりと『SFC DUMPER』を触ってみた感想ですが、ダンパー本体はもちろん、公式サイトや専用アプリまで含めて、個人開発の製品としては全体的にかなり完成度の高い仕上がりになっていると感じました。
今後期待したいのは、対応できるカセットの種類がさらに増えることです。特殊チップを搭載したタイトルなど、現時点では対応していないカセットもあるため、このあたりの対応範囲が広がれば、さらに活用の幅も広がりそうです。
また、せっかく専用アプリが用意されているので、将来的には専用アプリからファームウェアを手軽にアップデートできるようになるなど、より使いやすくなるとうれしいところです。個人的な希望をいえば、カセットが正規品かどうかを確認できるような機能もあると面白そうですね(笑)。
今回の検証では、一部の通常タイトルでも正常に吸い出せないケースがありました。そのため、現時点では対応状況を把握したうえで利用する必要がありますが、約4000円という価格を考えれば、SFCのROM吸い出しを手軽に試してみたい人にとって興味深い選択肢といえそうです。
販売が始まったばかりの製品ということもあり、今後のアップデートや対応タイトルの拡大にも期待したいところです。そうした期待も含めて今回は評価:3.5/5としておきたいと思います。

非対応のExHiROMと特殊チップのカセット
| 種類 | タイトル | 備考 |
|---|---|---|
| ExHiROM | テイルズ オブ ファンタジア | ExHiROM |
| ExHiROM / S-RTC | 大貝獣物語II | ExHiROMに加えてS-RTCを搭載 |
| DSP | 装甲騎兵ボトムズ ザ・バトリングロード | DSP-1 |
| DSP | バイク大好き!走り屋魂 | DSP-1 |
| DSP | ファイナル・ストレッチ | DSP-1 |
| DSP | マイケル・アンドレッティ インディーカーチャレンジ | DSP-1 |
| DSP | パイロットウイングス | DSP-1 / DSP-1B |
| DSP | 首都高バトル’94 土屋圭市 ドリフトキング | DSP-1B |
| DSP | 首都高バトル2 | DSP-1B |
| DSP | スズカエイトアワーズ | DSP-1 |
| DSP | スーパーエアダイバー | DSP-1 |
| DSP | スーパーエアダイバー2 | DSP-1 |
| DSP | スーパー3Dベースボール | DSP-1 |
| DSP | スーパーF1サーカス外伝 | DSP-1 |
| DSP | バトルレーサーズ | DSP-1 |
| DSP | スーパーマリオカート | DSP-1 / DSP-1B |
| DSP | エースをねらえ! | DSP-1A |
| DSP | ダンジョンマスター | DSP-2 |
| DSP | SDガンダムGX | DSP-3 |
| DSP | プラネットチャンプ TG3000 | DSP-4 |
| CX4 | ロックマンX2 | CX4 |
| CX4 | ロックマンX3 | CX4 |
| SA-1 | 朝日新聞連載 加藤一二三九段将棋 心技流 | SA-1 |
| SA-1 | 大戦略エキスパートWWII | SA-1 |
| SA-1 | ダービージョッキー2 | SA-1 |
| SA-1 | ドラゴンボールZ HYPER DIMENSION | SA-1 |
| SA-1 | 羽生名人のおもしろ将棋 | SA-1 |
| SA-1 | 林海峯九段の囲碁大道 | SA-1 |
| SA-1 | 糸井重里のバス釣りNo.1 | SA-1 |
| SA-1 | Jリーグ’96ドリームスタジアム | SA-1 |
| SA-1 | 実況おしゃべりパロディウス | SA-1 |
| SA-1 | ジャンピンダービー | SA-1 |
| SA-1 | 柿木将棋 | SA-1 |
| SA-1 | 星のカービィ スーパーデラックス | SA-1 |
| SA-1 | 星のカービィ3 | SA-1 |
| SA-1 | マーヴェラス ~もうひとつの宝島~ | SA-1 |
| SA-1 | MASTERS New 遙かなるオーガスタ3 | SA-1 |
| SA-1 | ミニ四駆シャイニングスコーピオン レッツ&ゴー!! | SA-1 |
| SA-1 | ペブルビーチの波濤New トーナメント・エディション | SA-1 |
| SA-1 | パチスロ物語 パル工業スペシャル | SA-1 |
| SA-1 | プロ棋士人生シミュレーション 将棋の花道 | SA-1 |
| SA-1 | 最高速思考 将棋・麻雀 | SA-1 |
| SA-1 | SD F-1グランプリ | SA-1 |
| SA-1 | SDガンダム G NEXT | SA-1 |
| SA-1 | 新・将棋倶楽部 | SA-1 |
| SA-1 | 将棋最強 | SA-1 |
| SA-1 | 将棋最強II 実戦対局編 | SA-1 |
| SA-1 | スーパーボンバーマン ぱにっくボンバーW | SA-1 |
| SA-1 | スーパーマリオRPG | SA-1 |
| SA-1 | スーパーロボット大戦外伝 魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL | SA-1 |
| SA-1 | スーパー将棋3 棋太平 | SA-1 |
| SA-1 | 対局囲碁 韋駄天 | SA-1 |
| SA-1 | 武宮正樹九段の囲碁大将 | SA-1 |
| S-DD1 | スターオーシャン | S-DD1 |
| S-DD1 | ストリートファイターZERO2 | S-DD1 |
| SPC7110 | 天外魔境ZERO | SPC7110 ※非売品版「天外魔境ZERO 少年ジャンプの章」も含む |
| SPC7110 | 桃太郎電鉄HAPPY | SPC7110 |
| SPC7110 | スーパーパワーリーグ4 | SPC7110 |
| ST010 | エキゾースト・ヒートII | ST010 |
| ST011 | 早指し二段 森田将棋 | ST011 |
| ST018 | 早指し二段 森田将棋2 | ST018 |
| Super FX | スターフォックス | Super FX |
| Super FX | ワイルドトラックス | Super FX |
| Super FX | ヴォルテックス | Super FX |
| Super FX | スーパーマリオ ヨッシーアイランド | Super FX |
| Super FX | DOOM | Super FX |















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