1Chipスーパーファミコンの型番による本体の見分け方【シリアル番号を徹底調査】

1Chipスーパーファミコンの型番による本体の見分け方【シリアル番号を徹底調査】

ということで、オークションやフリマ、アマゾン、海外サイトなどから、1Chipスーパーファミコンに関するシリアルナンバーを徹底的に調査。その結果、一部の例外はあるものの、概ね目安になりやすい型番を把握することができました。

これらの情報が書かれている場合、上位2~3桁の数字しか書かれていない場合がありますが、実際はもう少し細かく分かれている場合もあるため、最低でも数字の部分が4~5桁ほど書かれていないと参考にならないかもしれません。

1Chipスーパーファミコンの特徴

日本では1990年11月21日から発売が開始されたスーパーファミコンですが、この1Chipと呼ばれるものは、その最後期に発売されたものです。以前はふたつのビデオチップを搭載していましたが、それをひとつに統合したものがこちらのモデルになります。

特徴としては、従来モデルと比較してやや明度が高いため絵がハッキリと明るく見える傾向にあります。

1Chipスーパーファミコンの型番による本体の見分け方【シリアル番号を徹底調査】
▲左から中期型、1Chip-01、1Chip-02ですが、徐々に画像が明るくなっていっています。いずれもRGB出力したものをFRAMEMEISTER経由でキャプチャー。
1Chipスーパーファミコンの型番による本体の見分け方【シリアル番号を徹底調査】

さらに、この1Chipスーパーファミコンは、その短い間に少なくとも3回のモデルチェンジが行われています。「1CHIP-04」が存在するかはもはや都市伝説レベルですが、最後期の「1CHIP-03」はほかのふたつに比べて最も映像がシャープで綺麗だと噂されています。

ただし、この「1CHIP-03」は「1CHIP-01」と「1CHIP-02」にはあったCSync信号のチップがなぜか省略されてしまっています。こちらについては、改造することでCSyncに対応させることができます。

1Chipスーパーファミコンの型番による見分け方

まずは、下のリストをチェックしてみてください。下二桁は伏せ字にしてあります。それ以上の部分が伏せ字になっているものは、その部分しか明かされていなかったものになります。(?)と書かれているものについては、チップの型番の表記が明確になったかものです。

「1Chip-01」は、概ねS2471XXX~S2498XXXあたりと、SM1183XXXX~SM1200XXXXあたりが該当。
「1Chip-02」はSM1202XXXX以降と、S2499XXXX~ S2521XXXXあたりが該当。
「1Chip-03」は極端に数が少なく、S2522XXXX以降という感じです。

ただし、赤字で表示したシリアルのものもあり、理由はよくわかりませんがときおり異端のシリアルナンバーのものも散見できました。

ちなみにSMから始まるシリアルは、中国製のものを表しています。同じチップでも日本製との違いがあるかは不明です。

1Chipスーパーファミコンの型番による本体の見分け方【シリアル番号を徹底調査】
1Chipスーパーファミコンの型番による本体の見分け方【シリアル番号を徹底調査】
▲実際にはシリアル以外は完全に見分けることはできず、中身を開けてチェックする必要があります。

すでに「1CHIP-02」の本体は入手済だったため、秋葉原に出かけて下記のシリアルを参考にしながら「1CHIP-01」の本体を探しに出かけてみました。結論からいうと、スーパーポテト秋葉原店で1台だけ見つけることができたのですが、こちらのお店ではシリアルも含めて探しやすくなっています。

1Chipスーパーファミコンの見た目的な特徴のひとつと言えるかもしれませんが、発売が最後期だったということもあり、比較的色あせしていない本体が多い感じがします。

ちなみに、同じ秋葉原のレトロゲームショップではレトロげーむキャンプはシリアルの部分にチラシが入っているため確認できないので、行くだけ無駄。駿河屋は本体を見かけませんでした。

また、「Super Nintendo Console Database」というサイトで、一部ゲームでCPU/PPUのバージョンをチェックする方法が紹介されています。そこで紹介されていた『ライオンキング』と『デビルスコース』を入手し、実際に1Chipのスーパーファミコンとそれ以前の機種を含めて確かめてみました。

ライオンキング

「Option」画面でB、A、R、R、Yキーを押す。

1Chipスーパーファミコンの型番による本体の見分け方【シリアル番号を徹底調査】

デビルスコース

「モードせんたく」で「メンバーデータ」を選択(Bボタンで決定)。「とうろく」を選び10番目のスロットに「T&ESOFT」と入力。1度電源を切り、LとRボタンを同時に押しながら電源を入れるとテストモードがスタートします。

1Chipスーパーファミコンの型番による本体の見分け方【シリアル番号を徹底調査】

結果は・・・・・・いずれの機種でやった場合でも同じ表示に。あまりこのテストをやること自体意味はなさそうです。

SNS-CPU-1CHIP-01

S246574XX(?自称1Chip)

S24741XXX
S247539XX
S247805XX(?)
S247814XX

S248005XX
S24813243(スーパーポテトで買ってきたやつ)
S248201XX
S248213XX
S248433XX
S248581XX(?)
S248777XX

S249131XX
S249299XX
S249557XX
S249736XX
S249744XX
S249755XX
S2498XXXX

SM118381XX(?)
SM118726XX(?)
SM118874XX

SM119723XX
SM119771XX(?)
SM119777XX(?)
SM119794XX
SM119977XX(?)

SM120003XX
SM120022XX
SM120054XX

SNS-CPU-1CHIP-02

SM118120XX

SM12025235(←追加で入手したもの)
SM120288XX
SM120316XX
SM12039539(←以前入手したものの壊れた機種)
SM1248XXXX
SM120488XX(?)
SM120590XX

S249932XX
S249938XX(?)

S25XXXXX
S250XXXX
S250543XX(?)
S250944XX

S2511XXXX
S251183XX
S251496XX
S251500XX
S251665XX
S251834XX
S251897XX
S251908XX
S252XXXXX
S252139XX

SNS-CPU-1CHIP-03

S25089XXX
S251986XX

S252226XX(これ以降が03の目安)
S2523XXXX
S252448XX
S252560XX
S252351XX
S252560XX

SM120688XX(最近筆者が入手したバージョン)

スーパーファミコンジュニアをRGB改造することで1Chipスーパーファミコンと同等の性能に

スーパーファミコンの廉価版として1998年3月27日に発売された『スーパーファミコンジュニア』ですが、こちらも後期同様1Chipの基板が採用されています。残念ながらコンポジット出力しかできないのですが、改造することで1Chipスーパーファミコンと同等の画質が得られます。

つまり、高価なお金を出して「1CHIP-03」などを探すよりも、安価に入手したい場合はこちらを狙ってみるのも手でしょう。この記事を書いている時点では見かけることができませんでしたが、ヤフオクでは簡単に改造が行えるキットも販売されているようです。

いいことばかりじゃない? 1Chipスーパーファミコン特有のバグも

絵が綺麗になっていいことづくめという印象の1Chipスーパーファミコンですが、そうそう喜んでいいわけでもないようです。実はいくつかのソフトで不具合が発生することが報告されています。

1Chipスーパーファミコンだけではなく、スーパーファミコンジュニアでも同様の現象が発生します。具体的には、画面上のグラフィックがバグったり、極端にフレームレートが下がってしまったりといった感じのようです。

また、筆者はすでに所有していた 「1CHIP-02」の本体が壊れてしまいましたが、耐久性も以前のモデルと比較して低くなっているという噂もあります。 1Chipスーパーファミコンの場合、サウンドチップが不良で画面が起動しなく例が多いそうです。これらについては真偽は不明ですが、発売から20年以上の月日が経過しているため、ある程度はしかたがないことかもしれません。

■不具合があると言われているソフト
・ アラジン
・ スターオーシャン
・ スターフォックス
・ スーパーストリートファイターII
・ スーパータリカン
・ ソウルブレイダー
・ デザートファイター 砂の嵐作戦
・ デモンズブレイゾン 魔界村 紋章編
・ ファイナルファンタジーUSA ミスティッククエスト
・ マジカルポップン
・ ルドラの秘宝
・ 奇々怪界 謎の黒マント
・ 超魔界村
・ MOTHER2

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。