『燃えろ!!プロ野球』でなかなか勝てなかったのでID野球を導入してみた

『燃えろ!!プロ野球』でなかなか勝てなかったのでID野球を導入してみた

ジャレコから、1987年6月26日に発売されたファミコン向け野球ゲームの『燃えろ!!プロ野球』。野球中継をそのまんま再現したかのようなスタイルで話題となり、ファミコンの歴代売り上げの16位にランクインする158万もの大ヒットとなった作品です。

筆者も当時は予約をして購入して、かなり楽しんだ記憶があります。

・・・・・・時は流れてあれから32年以上の月日がたち、久々に本作をプレイしてみました。操作方法もすっかり忘れてしまったため、巨人を選んだにもかかわらずなぜか先発ピッチャーは左のリリーフ「スミ」を選択。守備はなんとな~くわかるものの、ピッチングとバッティングにやや癖があり、よくわからないまま得点を取られてしまうという展開になってしまいました。

これはヤベーということで導入を考えたのが「ID野球」です!

説明しよう!

「ID野球」とは、野村克也氏が1990年代のヤクルトスワローズの監督を務めていたときに提唱していたデータ重視野球だ! それまで選手の感などに頼ってたものに対して、データを重視した戦い方で注目を集めたシンキング・ベースボールの一種である。ちなみに「ID」はImportant dataの略語から取られている。

当時巨人ファンだった筆者も、一目を置いていたのがヤクルトの監督を務めていた野村克也氏でした。このゲームが発売された当時はまだ「ID野球」なんて言葉はありませんでしたが、野球界に大きなインパクトを与えたのはたしかです。

さてこの「ID野球」は、データを重視したもの・・・・・・ということで、まずは最低限のゲームの操作方法と選手のデータをまとめるところからスタートしています。

操作方法については、ざっくりいうとピッチャーは上中下キーで速度を、左中右キーでコースを選び、Aボタンを押して投げてから変化する方向を十字キーで操作するといったものでした。バッティングも十字キーで9つのゾーンを狙っていきます。

な~るほど~。『ファミスタ』みたいにタイミングだけじゃなくて、スピードや高低差を含んだ、本格的なピッチャーとバッターの駆け引きが楽しめるつーわけですね!

しか~し! 野球は見る側としてファンだったモノの、いわゆるピッチャーの配球に関してはほとんど知識がありません。そこで、「ID野球」です。野村克也氏と息子の克則氏が著書の『高校球児に伝えたい! 配球学・リード術』という書籍を入手。こちらから、配球のいろはのいを学んでみることにしました。

高校球児に伝えたい! 配球学・リード術
▲東邦出版/1500円(税別)。ゲームなのでフィジカルは関係ありませんが、配球の意味などを高校生でもわかりやすく書かれた名著です。

12のボールカウントを正しく理解する

本書の中で野村克也氏は、外角低めのストレートがピッチングの原点だと述べています。外角低めの球は、バッター側から見ると遠いため、芯で捉えることが難しいというのが理由のひとつです。まぁ、それはフィジカルなスポーツだからゲームだと関係ねーよという話もありますが、本作に限らず野球ゲームはある程度リアルな打球などを再現している部分もあるので、参考にはなりそうです。

また、野村克也氏は、ボールカウントの種類は12あり、それぞれでピッチャーとバッターの有利不利があると述べています。ざっくりまとめると、以下のようになります。

0ストライク 0ボールバッテリー不利
0ボール 1ストライクバッテリー有利
0ボール 2ストライクバッテリー有利
1ボール 0ストライクバッテリー不利
1ボール 1ストライクバッテリー有利
1ボール 2ストライクバッテリー有利
2ボール 0ストライクバッテリー不利
2ボール 1ストライク五分五分
2ボール 2ストライクバッテリー有利
3ボール 0ストライクバッテリー不利
3ボール 1ストライクバッテリー不利
3ボール 2ストライク五分五分

ここで面白いのは、いわゆる「初球」をバッテリー不利としているところでしょう。バッターには様々なタイプがいるため、何を狙っているかわからず、もっとも難しいカウントなのだとか。

配球には、ピッチャーの文字味を中心にする「ピッチャー中心」、バッターの弱点を突く「バッター中心」、ランナーが塁にいるときに犠打を打たせたくないなど状況に応じた配球をする「状況中心」の 3種類あると野村克也氏はいいます。

また、バッターを打ち取るには、内角と外角、低めと高め、速い球と緩い球、ストライクとボールというように、4つのペアを組み合わせていくことで、ピッチングの幅が大きく広がるそうです。う~ん、たしかに野球の基本ともいえるものですが、あらためて言われると感心してしまう部分も多いですね!

もうここまで「ID野球」でカバーすれば、後は実践するのみ。この先は、自分だけの新たな戦いが始まります!

燃えろ!!プロ野球で勝てなかったのでID野球を導入してみた