1Chipスーパーファミコンが突然何も映らなくなった? “Black Screen of Death”が発生したときのチェック項目メモ

1Chipスーパーファミコンが突然何も映らなくなった? “Black Screen of Death”が発生したときのチェック項目メモ

1Chipスーパーファミコンのバージョン違い検証用に、「SNS-CPU-1CHIP-01」を購入。すでに自宅にあった「SNS-CPU-1CHIP-02」と比較してみようとしたところ・・・・・・なんと、こちらが画面が映らなくなってしまいました。新たに買い足したスーパーファミコンを含めて全部で3台あったのですが、映らなかったのは「1CHIP-02」のみ。

ということで、この記事は修理が出来たのでそれを紹介するという内容ではなく、あくまでもこうした自体が発生したときのメモとしてチェック項目などをご紹介していきたいと思います。

まずはオーソドックスにクリーニング

電源やコネクター類の接続など当たり前の環境をチェックした後は、まず最初にやるべきはやはりカセットを差し込む部分のクリーニングです。無水エタノールなどでカセットのコネクター部分やスーパーファミコンのコネクター部分をクリーニング。自宅にKURE5-56などがある場合は、そちらを潤滑剤として利用してみるのもいいでしょう。

多くの場合は、上記の方法で画面が映るようになるかもしれません。

内部をチェック

クリーニングでも上手くいない場合は、内部の調査に移ります。下記の動画で詳しい分解方法が紹介されていたので、そちらを参考に内部にアクセスし、ホコリなどが溜まっている場合は除去していくようにするといいでしょう。

ちなみに、スーパーファミコンの内部はプラスドライバーを使いますが、最初に下側に取り付けられているねじだけ、特殊な工具が必となります。そのため、以前ご紹介した『ニンテンドーゲーム機 ツールキット』などを用意しておくといいかもしれません。

クリーニングしながら、基板を目視で確認してクラックなどが入っていないかチェックしていきましょう。

・・・・・・ということで、こちらが今回画面が何も移らなくなってしまった1Chipスーパーファミコンの基板。背面も含めて、見たところおかしなところは見つけることが出来ませんでした。

1Chipスーパーファミコンが突然何も映らなくなった? “Black Screen of Death”が発生したときのチェック項目メモ

日本ではこうした情報はほとんど見かけることができませんでしたが、海外サイトでは『A Complete Guide to Super Nintendo SNES Repair(スーパーファミコン修理の完全ガイド)』というようなサイトがいくつか存在しています。

興味深いのが、この記事のテーマでもある“Black Screen of Death”が発生したときのチェック項目を紹介したサイト『Smile,Citrus』の記事です。

A Complete Guide to Super Nintendo SNES Repair
https://castleroid.com/blog/a-complete-guide-to-super-nintendo-snes-repair

●My SNES troubleshooting workflow for “black screen of death” systems | Smile,Citrus
http://smilecitrus.info/?p=3076

こちらのサイトで紹介されているのが、「SHVCモデル」で“Black Screen of Death”が発生する原因のひとつに、サウンドモジュール(APU)が関係していると書かれています。スーパーファミコンの場合は、このサウンドモジュールが不良か切断されている状態のときにフリーズしてしまうのです。

1Chipスーパーファミコンが突然何も映らなくなった? “Black Screen of Death”が発生したときのチェック項目メモ
▲こちらがスーパーファミコンに搭載されているサウンドモジュール(APU)。

その状態をチェックするのにいいツールが、『Everdrive』です。筆者はスーパーファミコン版の『Everdrive』は所有していなかったため、ここから先はチェックしていないのですが、『Everdrive』はサウンドモジュール(APU)がたとえ不良や切断されている状態であっても、SDカードからのデータをロードして表示することができます。サウンドモジュール(APU)に何かしら不具合がある場合、そこでゲームのROMを実行使用とすると、フリーズしてしまうといった挙動になります。

少なくとも、これでサウンドモジュール(APU)が問題の原因になっている可能性が高いことがわかります。

1Chipスーパーファミコンが突然何も映らなくなった? “Black Screen of Death”が発生したときのチェック項目メモ
▲こちらがスーパーファミコン用の 『Everdrive』 。中華のパクり版なら、アマゾンで6000円台から購入できます。

実際にサウンドモジュール(APU)を交換する場合は、下記の動画が参考になりそうです。このチップ自体は、パーツ取りとして別の1Chipではないスーパーファミコンから取ってきたもののようですね。

ぶっちゃけ直すより買い足した方が今なら安く済む

と、手順を書いたものの、いろいろと高いハードルがある感じです。ぶっちゃけていうと、現状はまだまだ1Chipスーパーファミコンの値段はさほど上がっておらず、 「1CHIP-01」や「 1CHIP-02」ならば オークションやフリマサイトなどで3000円~6000円台ほどで比較的簡単に見つけることができます。そのため、新たに買い足して壊れてしまった機体はとりあえず将来に向けて保存しておくというのもひとつの考え方ではないでしょうか。

まぁ「1CHIP-03」なら、死ぬ気で修理したほうがいいかもしれません(笑)。

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。