アーケードゲームやレトロゲーム、レトロなPCゲームが遊べる、FPGAベースのマルチプラットフォーム『MiSTer FPGA』。今から4年ほど前に初めて同システムを組みましたが、そのタイミングでは存在しなかったものの、後に出てきたのがオリジナルのコントローラーを使えるようにする「SNACアダプター」でした。
このSNCAとは「Serial Native Accessory Converter」の略語で、オリジナルのコントローラーや周辺機器をそれぞれのゲームのコアでネイティブに使えるようにするためのアダプターです。ゲーム機のコントローラーにはサードパーティ製のものも含めて、特殊なものもありますが、そうしたコントローラーもある程度使えるようになるというのが最大のメリットと言えるでしょう。
たとえばPOLYMEGAの場合、交換用のモジュールにはコントローラーポートが付いていますが、実はベースユニット側で対応しているPlayStationやNEOGEO、セガサターンなどは、オリジナルのことローラーを接続することができません。たとえば『ビートマニア』など、専用コントローラーが使えないゲームでは非常に遊びづらく感じることがあります。
MiSTer FPGAでは、そうした課題を解決するための手段が用意されているということですね!
メモリーカードも使えるクールなPS1用SNACアダプター
この「SNACアダプター」自体は知っていたものの、すっかり手に入れるタイミングを逃していたのですが……少し前に日本のアマゾンで手に入れたのがPlayStation用の「SNACアダプター」でした。こちらは配送まで2週間掛かったため、海外から直接購入しても変わらなかったのですが……実際に届いたものを触ったところ、思っていた以上に使えることがわかりました。
その後、Xのフォロワーにもっといいものがあることを教えてもらい、手に入れたのが『PSX SNAC for MiSTer FPGA (Interface for Playstation Peripherals)』です。こちらもPlayStation用のSNACアダプターであることには変わりありませんが、先ほどのものとの大きな違いとしてはメモリーカード用のスロットが付いているほか、7.5ボルトの電源を供給するためのアダプターが付いているところです。
●PSX SNAC for MiSTer FPGA (Interface for Playstation Peripherals)の販売ページ
この『PSX SNAC for MiSTer FPGA (Interface for Playstation Peripherals)』の価格は$74.99ですが、日本の千葉県までの送料は$11.07ドルほど価格、合計で$86.06(1万4506円)で入手することができました。
SNACではメニューの操作は行えない
入手するまで全く知らなかったことですが、このSNACアダプターを付ければ通常のコントローラーのようにすべての操作が行えるものだと思い込んでいました。しかし実際は、そのコアごとにSNACの設定をする必要があり、SNACを接続したコントローラーもコア内のみで利用可能となっています。
そのため、通常の操作を行うコントローラーやキーボードといったデバイスは必要になるので注意しましょう。
アダプターから電源を供給することで振動機能を強化!
この『PSX SNAC for MiSTer FPGA (Interface for Playstation Peripherals)』を入手して最初に疑問に思ったのは、背面側に付いているスイッチの役割でした。本機ではアダプターから電源を供給することができますが、こちらは振動機能を利用するコントローラーの電源不足を補うためのものです。
このスイッチは右側に設定されているときは、7.5ボルトのアダプターから振動用の電源が供給されます。逆に左側にあるときは、MiSTer FPGAの内部電源から振動用の電源が供給されるという仕組みです。
具体的にアナログスティック(振動機能に対応したソフト)で『コリンマクレー ザ・ラリー』を遊んでみましたが、たしかに7.5ボルトのアダプターから電源を供給したほうが振動も強く感じることができました。
これは余談ですが、今回は振動のテストで純正の『DUALSHOCK2』を利用しています。これ自体はPlayStation 2用のコントローラーですが、問題なく利用することができます。また、『DUALSHOCK2』ではアナログボタンをONにすることで、アナログスティックを使用した操作が行えるようになります。『コリンマクレー ザ・ラリー』では、こちらでもなかなかユニークな操作が行えるようになっていました。
アナログボタンをONにした状態だと、アクセルの踏み具合を右側のスティックで調整することができます。上に押すほどアクセルが全開になり、下側に押すとバッグするといった感じです。ハンドル操作自体は左側のスティックで行います。
ここ最近のレースゲームなどで使用されているボタン配置とは大きく異なっていますが、意外なことにこれが結構遊びやすくてハマってしまいました。
ネジコンやビートマニア専用コントローラーも使用可能
ヘンタイ的なコントローラーが多い印象のPlayStationですが、その中でも飛び抜けてヘンタイ度が高いのがネジコンです。コントローラーの真ん中が捻ることができるような構造になっており、それを活かした直感的な操作が行えるようになるというのがネジコンの特徴となっています。
このネジコンは白いものと黒いものがありますが、黒い方はサイズがひとまわり小さくなっており、より人間工学に基づいた作りになっています。ということで、さっそくネジコンに対応している『ワールドスタジアムEX』でタメしてみることに。
実際にプレイした印象では、たしかにバッティングでは引っ張りや流し打ちがしやすくなっており、通常よりも没入感のあるプレイが楽しめると感じました。ネジコン対応タイトルとしては他にも下記のようなものがあるので、興味がある方はタメしてみることをオススメします。
・リッジレーサー
・リッジレーサー レボリューション
・レイジレーサー
・R4 -RIDGE RACER TYPE 4-
・エースコンバット
・エースコンバット2
・ナムコミュージアムVOL.1(ポールポジション)
・ナムコミュージアムVOL.3(ポールポジション2)
・ワールドスタジアムEX
・ワールドスタジアム2
・サイバースレッド
・ギャラクシアン3
実は、最初にSNACを導入する必要があると感じたきっかけは、『ビートマニア』を通常のコントローラーで操作するのは難しすぎると思ったからです。かといって、POLYMEGAはPS1のコントローラーを接続することはできません。
そこで白羽の矢を立てたのがMiSTer FPGAのPS1コアでSNACを使うということだったのです。そこで最初にご紹介したように、アマゾンでSNACを購入して使ってみたところ、思っていた以上にバッチリ使えることがわかりました。
新たに入手した『PSX SNAC』でもタメしましたが、やはりなんの問題もなく快適にゲームをプレイすることができました。
メモリーカードの操作も可能
SNACアダプターでは、リアルなメモリーカードの操作も行うことができます。ただしデフォルトでは仮想のメモリーカードに設定されているため、リアルなメモリーカードを使用するときはコアのメニューから「SNAC MemCard」の項目で「Real」を選んでおきましょう。
どこでもいっしょはPocketStationにデータは書き込めるものの読み込めず?
SNACを利用することでメモリーカードの操作も行えるようになります。そこでタメしたかったのが、PocketStationは使えるのか? ということでした。こちらもメモリーカードと同じように本体とデータのやりとりを行えます。
そこで、PocketStationに対応したゲームの『どこでもいっしょ』でキャラクターを選び、データをダウンロードすることで、単体でも遊べるようになることは確認できました。……が、そのPocketStationのデータをゲーム側で読みこもうとすると、スルーされてしまいます。
実際にメモリーカードとしての使用量を見てみるといっぱいいっぱいにデータが詰め込まれており、おそらくコア側でそれだけ大きな容量のセーブデータを読み込むことは想定されていなかったのかもしれません(あるいは容量などの関係で難しい)。
結論:こいつかな~り使える!
というわけで最終的な結論としては、想像以上にかなり使えるという印象です。まだコア自体が完璧とはいえない部分もありますが、SNACと専用のコントローラーを使用することでかなり実機に近い使用ができるようになるのではないでしょうか?