ゲームボーイアドバンスでファミコンが遊べる!? 20年前に作られた珍アイテム『アドファミ』レビュー

ゲームボーイアドバンスでファミコンが遊べる!? 20年前に作られた珍アイテム『アドファミ』レビュー

ゲームテックより2004年6月2日に発売された周辺機器『アドファミ』というアイテムを入手しました。本機は、ゲームボーイアドバンスとゲームボーイアドバンスSPで、ファミコンのオリジナルカセットをそのままさして遊ぶことができるようにするというもの。

つまり今から20年も前の代物ですが、こんなものあったの? と驚きのあまり、ついポチってしまいました。はたしてその性能は……ということで、こちらではそのレビューをお届けします!

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▲こちらが『アドファミ』のパッケージの表面。
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▲パッケージの裏側はこんな感じ。

単3電池4本で駆動!

本機のパッケージの中身には、本体とマニュアル類、ハガキがいくつか含まれているだけで、ハードウェア以外の構成はごく一般的な内容になっています。実際に動かす場合は、この『アドファミ』本体に単3電池4本をセットしておく必要があります。

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ちなみに最初に手元にあったエネループを入れてみたのですが、電池自体がやや膨らんでいたのか、キッツキツで危うく二度と取り出せなくなりそうでした。そこで急いで通常の電池を購入して入れてみたのですが、そちらは全く問題ありませんでした。

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▲スライド式のふたをずらすことで、電池カバーを開けることができます。

実際に動かすには別途ゲームボーイアドバンスのソフトも必須?

実は最初に動かしたとき、ろくにマニュアルを読んでいなかったということもあり、ひとつだけやらかしていたことがありました。本機をちゃんと動かすためには、なんでもいいからゲームボーイアドバンスのソフトを『アドファミ』にさしておかなければいけなかったのです。

てっきり接触不良かと思って、何度も端子の掃除をしたものの最初のロゴマークで文字化けしてストップ。こりゃ不良品か? と思ったのですが、まさかゲームボーイアドバンスのソフトをさしておく必要があったとは。おそらく起動時のプロテクトか何かを回避するためのものだとは思いますが、こんな仕様になっていたんですね!?

ちなみに、このときに使用するゲームボーイアドバンスはソフトの指定があるわけではなく、なんでもいいようです。

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▲たしかにいわれてみれば、ゲームボーイアドバンスのスロットがありました。

一方、ファミコンのほうはスロットの形に合わせてそのままさすことができます。こちらはほとんど問題を感じることはありませんでした。持ちにくさを除いては。

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▲ファミコンのカセットはスロットの形に合わせてさしこみます。

対応しているのはゲームボーイアドバンスとゲームボーイアドバンスSPのみ

さて、この『アドファミ』に対応している機種ですが、そのスロットの形状からさし込みができるのはゲームボーイアドバンスとゲームボーイアドバンスSPに限られているようです。ためしに手元にあったニンテンドーDSとAnalogue Pocetに取り付けてみようとしましたが、、どちらもスロットの形状が合わずさしこむことができませんでした。

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▲ニンテンドーDSやAnalogue Pocketなどは、スロットの形状からうまくさしこむことができません。
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▲ドノーマルのため画面が見えづらく今回は使用していませんが、ゲームボーイアドバンスSPもこのようにばっちり合体できます。
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▲ゲームボーイアドバンスを取り付けたところ。
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▲ぶっちゃけかなりの厚さと重さになるので、実用性はありません。

映像はコンポジットよりも汚い?

ファミコンのソフトが動くことは確認できたので、肝心なその中身にも触れていきたいと思います。まずゲームボーイアドバンス側に出力される映像ですが、これはコンポジット出力の映像よりも汚い印象です。RF出力しているような!?

ま、映像が汚いのは目が肥えすぎてるからというのもありますが、こんなものかもしれませんね。出力されるサウンドも安定感がなく、なんとな~く音痴に聞こえる場面もいくつかありました。

ちょっとすごいと思ったのは、マルチカートリッジの『EverDrive N8 PRO Fami』が動いたことです。しかし、カセットのサイズが大きすぎて、全く実用性はありません!

一般のソフトでは『スーパーマリオブラザーズ』や『エキサイトバイク』なども試しましたが、画面が見えにくくてわかりにくいものの、とりあえず動いているような? そこで、拡張音源を搭載したソフトをいくつか試してみることに。まずは『燃えろ!!プロ野球』。「プレイボール」などの音声が流れるはずですが、こちらは選手を選んだあと、ゲームが始まる前にフリーズしてしまいました。

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▲『燃えろ!!プロ野球』は、この直後フリーズ。

『ギミック』はゲームは遊べるものの、音が爆音かつ絵がちょっと見えづらく感じました。また、『悪魔城伝説』もゲームは遊べますが、拡張音源のサウンドは聞こえてきません。『えりかさとるの夢冒険』と『ラグランジュポイント』は、全く音が聞こえてきませんでした。

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▲『ギミック』。
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▲『悪魔評伝説』。
▲『えりかさとるの夢冒険』。
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▲『ラグランジュポイント』。

というわけで、基本的にファミコン拡張音源を搭載したタイトルはかなり厳しい動作結果となりました。これでひとまずチェックは完了したかな? と思った後で気が付いたのですが、LボタンやRボタンを押しながらセレクトボタンを押すと、画質の調整ができることを発見!

慌ててマニュアルを見てみると、さらにセレクトボタンを押しながらAボタンを押すことで色の濃さ→色合い→明るさといった感じで、画面の見え方が変更できることがわかりました。また、こちらは試していませんが、LRボタン自体は連写の調整にも使えるようです。

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▲画面の調整もショートカットキーで行うことができます。
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いろいろと触ってきましたが、まぁテクノロジー的にも20年前のしろものといった感じで、1000円ぐらいで売られているファミコン互換機のような出来映えの映像を楽しむためのデバイスといった印象です。トータルでは実用的というよりも、コレクターズアイテムといったほうがいいかもしれませんね!

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。