Anbernicより、最新の携帯ゲーム機『RG35XXSP』をご提供していただきました。本機は、任天堂より2003年に発売された携帯ゲーム機『ゲームボーイアドバンスSP』のスタイルを継承した、コンパクトなエミュレーターマシンとなっています。
CPUに、H700 quad-core ARM Cortex-A53 1.5GHz、GPUにdual- core Mali-G31 MP2を搭載。内蔵メモリーはLPDDR4 1GB。ストレージに64GBのmicroSDカードが採用されているほか、もうひとつのスロットにデータ用のmicroSDカードを別途購入してさすことも可能です。
スペック的には少し前にご紹介した『RG28XX』とほぼ同じということで、概ね対応しているエミュレーターもPlayStationやPSP、ドリームキャストやNINTENDO64あたりまでの30種類以上のゲーム機となっています。
しかし、今回はせっかく『ゲームボーイアドバンスSP』ライクな見た目をしているということで、そちらに注力してパフォーマンスをチェックしていこうと思います。
Anbernic RG35XXSPの基本スペック
パッケージの同梱物は、本体のほか、マニュアル、スクリーンプロテクター、充電用のUSB Type-Cケーブルといった感じで、いつものスタイルです。採用されているOSもLinuxなので、microSDカードにゲームのROMを特定のフォルダに入れるだけで、すぐに遊ぶことができます。
カラー | シルバー、グレー、クリアブラック、クリアブルー |
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画面 | 3.5インチIPS全視野角OCA全密着 |
CPU | H700 quad-core ARM Cortex-A53、1.5GHz |
GPU | dual- core Mali-G31 MP2 |
RAM | LPDDR4 1GB |
ストレージ | 64GB TF/MicroSD |
システム | Linux |
WIFI/Bluetooth | 2.4/5G WIFI 802.11a/b/g/n/ac, Bluetooth 4.2((Bluetoothコントローラ接続のみに対応) |
マルチメディア | ビデオプレイヤーはwmv、avi、rmvb、flv、mp4、3gp、asf、mov、mpg、mkvなどの形式に対応;音楽プレイヤーはflac、mp3、wav、ape、aif、aiff、ogg、wma、aac、m4a、m4rなどの形式に対応; ファイルマネージャー と電子ブックリーダー(txt フォーマットに対応)機能追加 |
ゲーム | 対応するゲーム:移植されたゲームと30+種類の様々なゲームフォーマット。ユーザーが関連フォーマットのゲームをダウンロードすることが可能です |
言葉 | 中国語、英語、日本語、韓国語、ロシア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語 |
電子ブックリーダー | txt フォーマットに対応 |
スピーカー | 高音質スピーカー |
TF カード | デュアル カード スロット搭載、最大 512 GBまでのTF カード拡張に対応 |
バッテリー | リチウムバッテリー3300mAh、役8時間の稼働が可能 |
充電 | 5V/1.5A、C2C充電器に対応 |
ホール磁気スイッチ | 上蓋と下蓋に強力なマグネットを内蔵し、磁気閉鎖機能;ホールスイッチチップを内蔵しており、開蓋起動と閉蓋スリープ機能 |
他の機能 | 2.4G無線および有線コントローラー、Bluetoothハンドル接続可能、HDMI出力TV可能、振動モーター、WiFi 経由のオンライン マルチプレイヤーとストリーミングに対応 |
部品 | USB充電ケーブル、ボックス、説明書、スクリーン プロテクター |
カートン仕様 | 長さ46.5cm 幅 27cm 身長 23.5cm 重量 13.2KG(40件) |
ボックス仕様 | 長さ12.8cm 幅 11cm 身長 3.7 cm 重量 0.320kg |
コンソール仕様 | 長さ 8.9cm 幅 8.5cm 身長 2.7cm 重量 0.192 kg |
GBA SPを継承しつつ現代風に進化
実際にオリジナルの『ゲームボーイアドバンスSP』と並べて比べてみると、いろいろと面白い発見があります。カートリッジスロットなどは『RG35XXSP』には存在しませんが、その代わりにシステムとストレージ用のmicroSDカードスロットが配置されています。
側面側の電源ボタン部分は、新たにリセットボタンも増設されています。背面側は電源とインターフェイスが設置されており、『RG35XXSP』ではUSB Type-Cで充電が可能。また、ミニHDMIポートも用意されているので、そちらにさすだけで簡単に外部ディスプレイに映像を出力することができます。
スライド式だったボリュームボタンは、それぞれ音量の大小を調整できるボタンに変更されています。
ディスプレイ部分の可動範囲は、ほぼオリジナルのゲームボーイアドバンスSPと同じと思っていいでしょう。ある程度のポイントでとめることもでき、比較的扱いやすい印象です。
ベゼルやディスプレイの雰囲気も再現?
先ほども少し触れたように、今回はいろいろなエミュレーターをイジってパフォーマンスをチェックするというより、ターゲットをゲームボーイアドバンスに絞って触ってみることにしたのですが、最初に感銘を受けたのは『ゲームボーイアドバンスSP』のロゴマークをベゼルで再現していたところでした。
これはデフォルトで設定されているもので、RetroArch側で起動したものですが、これだけでも気分が上がってきますね!
ちなみに、HDMI出力すると、ベゼルの表示は変更されてしまうため、少しだけ残念な気分です。しかし、ディスプレイの表示自体はオリジナルをシミュレーションしたようなスタイルになっており、雰囲気はそのまま再現されています。
これらのフィルターのような映像は、RetroArch側の設定メニューから変えられそうですが、そもそもどの状態が正しいのかわかりにくく、あまり頻繁にはイジりたくない印象です。もう少しだけ簡易的にフィルターの種類が選べるようになると、なおベストといえそうです。
ランチャーはいつものスタイル
OSがLinuxということで、本体の電源を入れるとここのところすっかりと定番になったランチャーが起動します。このランチャーがいまいちよくわからないところは、エミュレーターを起動するためのメニューがふたつあるところ。
具体的には「ゲームルーム」と「RAゲーム」に分かれており、後者は『RetroArch』の略だと思われます。個人的には「RAゲーム」のほうしか使っていませんが、その理由は「ゲームルーム」のほうは過去に試したときに、パフォーマンスがいまいちだったからです。
今回は予備のスロットにmicroSDカードをさして、そちらにゲームのROMを入れてプレイしてみました。本機はデュアルスロットですが、このときにどちらのSDカードから起動するか選べるようになっているところも、なかなか便利だと感じました。
GBAタイトルの没入感はハンパない!
『ゲームボーイアドバンスSP』スタイルの筐体に加えて、ベゼルでロゴマークも表示。画面のスタイルもオリジナルのような雰囲気を再現しているなど、『ゲームボーイアドバンス』のタイトルを遊ぶとまるでオリジナルのゲーム機で遊んでいるかのような気分にさせてくれます。
それでいながら映像自体は最新のゲーム機らしくかなり見やすくなっているため、快適性はかなり向上しているといえるでしょう。その他のゲームを遊ぶのもいいですが、ゲームボーイ系に特化したマシンとして利用してもいいのでは? と思わせる出来映えであることは間違いありません。
今回は、本体に加えて専用のケースも提供していただきました。ものとしては、『ANBERNIC 保護カバーRG35XXSP用』という商品で、1599円で販売されています。ケースに本体の絵も描かれており、なかなか素晴らしい品質のケースとなっています。
こちらを利用することで、本体を傷つけることなく安心して持ち歩くことができます。これから購入を検討している人は、合わせてチェックしておくといいでしょう。
肝心のゲームのパフォーマンスですが、これについてはほとんど心配はいりません! ゲームボーイアドバンスに限っていうと、『RetroArch』のコアとして採用さいれているエミュレーターの『mGBA』には、最新のバージョンである1.10.3が搭載されていました。そうしたこともあり、ある程度不具合も解消されたものとなっています。
しばらくゲームを遊んでいて、少しだけ気になったのは底面側のバッテリーがほんのりあたたかくなるところ。熱いというわけではないものの、もしかしたら夏場などは少し影響があるかもしれません。これはオリジナルの『ゲームボーイアドバンスSP』同様に底面側にバッテリーが配置されているからですが、構造的に仕方が無い部分もありますね。
最後に換装をまとめると、かなりお気に入りの1台となったことは間違いありません。もちろんゲームボーイアドバンス以外のエミュレーターも動かすことができるため、自分の目的にあった使い方をすることができます。
価格も1万円ちょいで入手できるというお手頃な値段になっているため、折りたたみ式のゲーム機が1台欲しいと思っている人は、こちらも検討してみてはいかがでしょうか?