PS3版『バイオハザード コード:ベロニカ 完全版』がWindowsに移植! 60fpsや任意セーブに対応する非公式プロジェクトが公開

PS3版『バイオハザード コード:ベロニカ 完全版』がWindowsに移植! 60fpsや任意セーブに対応する非公式プロジェクトが公開

PlayStation 3向けに配信された『バイオハザード コード:ベロニカ 完全版』を、Windows上で動作させる非公式プロジェクト『RE Code Veronica Recomp』が登場しました。

開発を手掛けているのはKastiel氏で、2026年10月24日に初版となるv1.0を公開。翌25日には複数回のアップデートが行われ、最新版となるv1.1.2まで公開されています。

今回のプロジェクトが興味深いのは、PS3のゲームをエミュレーターで動かすのではなく、Windows向けのネイティブアプリケーションとして動作させている点です。さらに、60fps表示や高解像度化に加えて、任意の場所でのセーブやRTA(リアルタイムアタック)の練習に役立つ独自機能なども搭載されています。

●GitHub:RE Code Veronica Recomp(プロジェクトページ)
https://github.com/kastieloficial/RE-Code-Veronica-Recomp

●GitHub:RE Code Veronica Recomp(ダウンロード・更新履歴)
https://github.com/kastieloficial/RE-Code-Veronica-Recomp/releases

PS3版『バイオハザード コード:ベロニカ』をWindowsにネイティブ移植

『バイオハザード コード:ベロニカ』といえば、2000年にドリームキャスト向けに発売されたサバイバルホラーゲームです。その後、追加要素を盛り込んだ『完全版』が登場し、PS3向けにはHD版が配信されました。

今回公開された『RE Code Veronica Recomp』は、このPS3のPlayStation Network(PSN)版を対象にした非公式移植プロジェクトです。

移植には『ps3recomp』と呼ばれるツールを利用した「静的再コンパイル」という方式が採用されています。これは、PS3向けに作られたプログラムをあらかじめPC用のコードに変換し、Windowsで実行できるようにする技術です。

一般的なエミュレーターのようにPS3の動作をそのまま再現するのではなく、ゲームのプログラムをPC向けに変換しているのが大きな違いです。グラフィック処理にはDirect3D 12が採用されており、PS3のシステムライブラリーに相当する機能も独自に実装されています。

そのため、ゲームの実行時にPS3のファームウェアやエミュレーター『RPCS3』を用意する必要はありません。ただし、元となるゲームデータは別途必要です。

60fps表示や4K解像度にも対応! プレイ環境を改善

『RE Code Veronica Recomp』では、元のPS3版にはなかった描画設定も用意されています。

フレームレートはオリジナルと同じ30fpsに加えて、60fps表示にも対応。ゲーム内部の処理は従来の30Hzを維持しながら、キャラクターやオブジェクトの動きを補間することで、より滑らかな映像を表示する仕組みです。

そのため、単純にゲームの動作速度を2倍にするものではなく、オリジナルのゲーム進行やタイミングを維持することが考慮されています。ただし、60fpsを維持できない環境ではゲームの動作が遅くなる場合もあるため、PCの性能には注意が必要です。

解像度についても、720pだけでなく1080pや1440p、4Kまで選択可能。アンチエイリアスや異方性フィルタリングなどの設定も用意されており、より高い解像度でゲームを楽しめるようになっています。

さらに、対応環境では『AMD FSR 3.1』によるフレーム生成も利用可能です。このほか、XboxやPlayStation、Nintendo Switchのコントローラーに対応するほか、ボタン配置を変更する機能なども搭載されています。

任意の場所でセーブ可能! RTA練習向けの独自機能も充実

今回の移植版で、もうひとつ大きな特徴となっているのが、RTAの練習を想定した独自機能です。

たとえば、通常のゲームでは決められた場所でセーブする必要がありますが、『RE Code Veronica Recomp』には、任意の場所で状態を保存したり、そこから再開したりする練習用のセーブ機能が用意されています。

また、部屋を直接選択して移動する機能も搭載。特定の場面を繰り返し練習できるため、難しい敵との戦闘や移動ルートの確認などに役立ちます。

所持アイテムを自由に調整する機能も用意されており、武器や回復アイテムなどを変更した状態でゲームを進めることも可能です。これにより、特定の装備でボスに挑戦したり、アイテムの所持状況による違いを確認したりすることができます。

さらに、プレイヤーや敵の体力、弾薬数、所持アイテム、ゲーム内時間などを画面上に表示する機能も搭載されています。RTA用タイマーソフト『LiveSplit』との連携にも対応しており、ゲームの進行状況に合わせてタイマーを自動操作する機能も利用できます。

こうした機能は通常のプレイでも役立ちますが、特に同じ場面を何度も繰り返す必要があるRTAの練習では、便利なものとなりそうです。なお、これらの練習用機能を使用した記録がRTAのランキングで認められるかどうかは、各カテゴリーのルールによって異なります。

最新版v1.1.2では照明に関する不具合を修正

『RE Code Veronica Recomp』は、10月24日に初版が公開されたばかりですが、翌25日には複数回のアップデートが行われています。

v1.1では、ライターを使用した際に影が正常に表示されない問題や、壁や床の照明が不自然に暗くなる問題などが修正されました。続くv1.1.1では、一部のWindows環境でゲームの音声が再生されない不具合への対策が行われています。

さらに、最新版のv1.1.2では、Direct3D 12で使用するキューブテクスチャーの転送処理が修正されました。これは、照明が有効になった際に画面が暗転したり、グラフィック機能が停止したりする問題に対処するためのものです。

開発者によると、以前はライターの使用時に暗転などの問題が発生していたGeForce RTX 2080 Tiの環境で、修正版をテストしたところ、同じ不具合は再発しなかったとのことです。ただし、これは初期段階のテスト結果であり、すべてのGPUや場面で問題が解決したことを意味するものではありません。

現在も、一部のオブジェクトの輪郭や影の周辺に不自然な線が表示される問題、銃撃シーンで画面が白くなる問題などが調査されています。そのため、現段階では動作環境によって表示上の不具合が発生する可能性があり、完成度については今後のアップデートを見守る必要がありそうです。

利用にはPS3のPSN版ゲームデータが必要

『RE Code Veronica Recomp』を利用するうえで注意したいのが、対応するゲームのバージョンです。対象となっているのはPS3向けに配信されたPSN版のバージョン1.00で、以下の3種類に対応しています。

  • 欧州版:NPEB00553
  • 北米版:NPUB30467
  • 日本版:NPJB00135

日本版の『バイオハザード コード:ベロニカ 完全版』にも対応しており、開発者によると、ゲームプレイのテストも主に日本版を使用して行われています。ただし、すべての場面における日本語表示や動作が検証済みというわけではありません。

また、ドリームキャスト版やゲームキューブ版、PS2版などのデータをそのまま利用することはできません。PS3向けであっても、対応するPSN版以外のバージョンはサポート対象外です。

動作環境は64bit版Windows 10/11で、Direct3D 12に対応したGPUと『Microsoft Visual C++ Redistributable』が必要になります。

なお、GitHubで公開されているのは移植プログラムのみで、ゲーム本体のデータは含まれていません。利用者が正当に所有するPSN版から、対応するゲームデータを別途準備する必要があります。

ゲームデータの準備には、開発者が公開している『Veronica PKG Extractor』や『RPCS3』を利用する方法が案内されています。ただし、ゲームのパッケージファイルをそのまま読み込ませることはできず、必要なデータをあらかじめ展開しておく必要があります。

また、欧州版と北米版では対応するライセンスファイル(.rap)も必要です。一方、日本版については、このファイルは不要と説明されています。ゲームを所有しているだけで簡単に導入できるというわけではないため、実際に利用する場合はGitHubで公開されている説明を確認しておく必要があります。

今回の『RE Code Veronica Recomp』は、単にPS3のゲームをWindowsに移植するだけでなく、高解像度化や60fps表示、さらにはRTAの練習に役立つ機能まで盛り込んでいるところが興味深いプロジェクトです。

カプコンやソニーが提供する公式のPC版ではなく、動作上の問題も残されていますが、こうした技術によって過去のゲームを新しい環境で動かせるようになるのは、レトロゲームファンにとっても興味を引かれる取り組みではないでしょうか。

今後のアップデートで、どこまで互換性や完成度が高められていくのか注目したいところです。

ABOUT US
アバター画像
retrogamer