ゲームボーイアドバンス(GBA)向け『ポケットモンスター エメラルド』を、ゲームボーイカラー(GBC)で遊べるように再構築する非公式ファンプロジェクト『Emerald Color』のベータ版が、2026年10月23日に公開されました。開発を手掛けているのはDavid Walter氏で、ゲームボーイカラー向け『ポケットモンスター クリスタル』のゲームエンジンを利用し、GBAの作品をゲームボーイカラーの実機で動作するゲームとして作り直しています。
単に『ポケットモンスター エメラルド』のグラフィックをゲームボーイカラー風に変更したものではなく、実際にゲームボーイカラーでプレイやセーブができるところが本作の大きな特徴です。
●Emerald Color公式サイト
https://emeraldcolor.com/
『クリスタル』のエンジンでホウエン地方を再構築! 3つの地方で冒険が楽しめる
『Emerald Color』は、『ポケットモンスター クリスタル』のゲームエンジンや戦闘ルールをベースに、『ポケットモンスター エメラルド』のマップやキャラクター、ポケモンなどをゲームボーイカラー向けに変換した作品です。
冒険はホウエン地方からスタートし、原作に登場する町や道路、洞窟、島などが再現されています。8つのジムや四天王との戦いに加え、バトルフロンティア、ポケモンコンテスト、ひみつきち、きのみの栽培といった要素も盛り込まれています。
さらに、ホウエン地方での冒険を終えた後は、ジョウト地方とカントー地方へ進むことができます。こちらは基本的に『ポケットモンスター クリスタル』の内容を引き継いでおり、3つの地方を合わせて合計24個のジムバッジを集められる構成です。
登場するポケモンも386種類に及び、開発者によると、通信交換を利用せずに1本のゲームですべて捕まえることができるとのことです。
ちなみに、ベースとなっているのは『ポケットモンスター クリスタル』のため、バトルについても基本的には同作のルールが採用されています。GBA版のゲームシステムをそのまま移植しているわけではありませんが、ゲームボーイカラーでホウエン地方の冒険を楽しめるというのは、なかなかユニークな試みです。



プレイには『クリスタル』と『エメラルド』のROMファイルが必要
『Emerald Color』は無料で利用できますが、ゲーム本体のROMファイルが配布されているわけではありません。プレイするには、所有する『ポケットモンスター クリスタル』と『ポケットモンスター エメラルド』の2本のゲームから、ROMファイルを適切に用意する必要があります。
公式サイトにはブラウザー上で動作する変換ツールが用意されており、2本のROMファイルを指定することで、『Emerald Color』のGBC用ファイルを生成する仕組みです。処理は利用者のブラウザー内で行われ、元のROMファイルや生成されたゲームデータがサーバーにアップロードされることはないと説明されています。
ただし、現時点で対応しているのは、英語版『ポケットモンスター クリスタル』の指定されたリビジョンと、米国・欧州向けの英語版『ポケットモンスター エメラルド』です。日本語版にはまだ対応していませんが、開発者は今後、日本語版への対応も進めたいとしています。
完成したGBC用ファイルは、対応するエミュレーターやフラッシュカートで利用できるほか、公式サイトに用意されているプレーヤーを使い、ブラウザー上で遊ぶこともできます。
実機での動作については、オリジナルのゲームボーイカラーと『EZ-Flash Junior』の組み合わせや、ModRetroのゲームボーイカラー互換機『Chromatic』で確認されています。また、iPhone向けエミュレーター『Delta』でも、ゲームの起動からセーブ、電源を切った後に相当する状態からの再開までテストしたと報告されています。
10月22日の更新では、MBC5方式への対応やセーブ機能の改善も行われました。32KBのセーブメモリーでも14個のボックスを利用できるようになったほか、ホウエン地方のポケモンの戦闘用グラフィックやタイトル画面なども改良されています。



ベータ版ながらストーリー終盤までテスト済み! 未実装の要素も
現在公開されているのはベータ版ですが、開発側によると、ホウエン地方のマップ間の移動やイベント、チャンピオンとの戦い、殿堂入り、エンディング後の再開などについて動作確認が行われています。
また、バトルフロンティアの一部施設については実際にプレイして最後まで進めるテストが行われています。一方、ポケモンコンテストやきのみ関連の要素、サファリゾーン、ひみつきちなどについては、個別の機能テストは実施されているものの、今回のビルドで一通りプレイして確認したわけではないとのことです。
未実装の要素も残されており、たとえば天候の変化については、雨や砂嵐などを画面の色合いで表現する仕組みが採用されています。しかし、雨粒が降る様子や霧などの視覚効果については、まだ描画されません。
なお、本作にはリアルタイムクロック機能がないため、ゲーム内の時間はプレイしている間だけ進む仕組みです。実際に遊ぶ場合は、こうした原作との違いにも注意が必要でしょう。
開発者は今回の公開にあたり、ROM変換用コードの開発にAIを補助的に利用したことも明らかにしています。一方、グラフィックについては2本のオリジナル作品の素材を変換したものであり、AIによって生成したものではないと説明しています。
『Emerald Color』はあくまでもファンによる非公式プロジェクトであり、任天堂やゲームフリーク、株式会社ポケモンが関与した公式作品ではありません。
GBA向けに作られた『ポケットモンスター エメラルド』を、さらに古いゲームボーイカラーのハードウェアで動かすという今回のプロジェクト。単なる見た目の再現にとどまらず、実際のゲーム機で冒険を楽しめるようにしている点が面白いところです。今後の改良や日本語版への対応についても、引き続きチェックしていきたいところです。
via. Emerald Color公式サイト


















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