RetroTINK-4K用として公開されている「Wobbling Pixels」プロファイルの最新版が、2026年8月19日に公開されました。
●Wobbling Pixels RetroTINK-4Kプロファイル(Google Drive)
https://drive.google.com/drive/folders/1vMn27wOXiCCT9tSqCKr89IhdP3nXP-V5
今回のアップデートではRetroTINK-4K ProとRetroTINK-4K CEの両方が対象となっており、NTSC/PAL向けのプロファイルを更新。なかでも注目したいのが、スーパーファミコン/SNESやメガドライブ/Genesisのゲームで使われている「ディザリング」をブレンドするための新しいプロファイルです。
高画質にすると逆に見えてしまう「ディザリング」
ディザリングとは、異なる色のピクセルを交互に配置することで、本来存在しない色や半透明のような表現を作り出す手法です。
レトロゲームでは、こうした模様をコンポジット映像やCRTテレビで表示した際に発生する自然なぼやけを利用し、隣り合ったピクセルを混ぜ合わせて見せるというテクニックが使われていました。
ところが現代では、RGBやコンポーネントなどの高品質な映像信号を高解像度ディスプレイへ表示することができます。映像自体は非常にシャープになりますが、その結果、本来は混ざって見えることを想定して配置された市松模様などのディザリングまで、くっきりと見えてしまう場合があります。
ディザリングをブレンドする新プロファイルを追加
Wobbling Pixels氏は今回のアップデートに先駆け、スーパーファミコン/SNESとメガドライブ/Genesis向けに、こうしたディザリングをブレンドするプロファイルを追加すると予告していました。目的は単純に映像全体をぼかすことではありません。
細かなディザリングパターンを適度にブレンドすることで、色を混ぜ合わせたり、半透明のように見せたりしていた当時の映像表現を現代のディスプレイ上でも再現しやすくするというものです。
とくにメガドライブでは、ディザリングを利用したグラフィック表現が数多く使われていることで知られています。
一方でWobbling Pixels氏は今回のプロファイルを作成するにあたり、スーパーファミコンのゲームも広範囲に調査。その結果、色数を増やして見せたり、透明感を表現したりする目的でディザリングを使用しているゲームが、予想以上に多かったと説明しています。
実際に同氏は、『ミッキーの東京ディズニーランド大冒険』や『サイコドリーム』などを例として紹介。『ジュラシック・パーク』についても、ディザリングによるポップアップ表示が目立つ場面では、ブレンドすることで文字などが見やすくなるケースがあるとしています。
すべてのディザリングを消すわけではない
もっとも、ディザリングが使われているからといって、すべてを完全にぼかしてしまえばいいというわけではありません。
Wobbling Pixels氏自身も、大きなパターンで構成された粗いディザリングについては無理に消そうとはしておらず、すべてのディザリングを見えなくすることが目的ではないと説明しています。
ゲームや場面によって、ディザリングを残した方がいいケースと、ブレンドした方が自然に見えるケースが存在するためです。そのため今回のプロファイルも、「正しい映像はこれ」というものではなく、オリジナルのCRT環境で意図されていた見え方を再現するための新しい選択肢と考えた方がよさそうです。
RetroTINK-4K Proではディザリング向けフィルターも強化
RetroTINK-4K Proでは、2026年7月に公開された実験版ファームウェアでHorizontal Blurフィルターエンジンが大幅に作り直されています。Gaussian、Butterworth、Ellipticといったローパスフィルターに加えて、特定の周波数帯を狙って除去するNotch系フィルターも追加。
公式の変更履歴では「Notch + Low」を3.35MHz付近に設定することで、Genesis/メガドライブで使用されるディザリングを打ち消す用途に適していると説明されています。
Wobbling Pixels氏も、この新しいHorizontal Blur機能について、コンポジット映像に頼ることなく細かなディザリングをブレンドでき、さらにスキャンラインと組み合わせることでCRTらしい見え方を作れると紹介していました。
つまり、RGBなどの比較的クリアな信号を維持しながら、必要な部分だけ当時のアナログ映像らしいブレンド表現へ近づけられるというわけです。
利用前に最新の実験版ファームウェアへ更新
今回公開されたWobbling Pixelsプロファイルは、RetroTINK-4K ProとRetroTINK-4K CEの両方に対応しています。Wobbling Pixels氏は導入時の注意点として、まずRetroTINK-4Kを最新の実験版ファームウェアへ更新してから、新しいプロファイルを導入するよう案内しています。
プロファイル自体はGoogle Driveで公開されており、これまでのWobbling Pixelsプロファイルと同様にRetroTINK-4KのSDカードへ導入して利用することができます。
レトロゲーム機の映像を「できるだけシャープに表示する」ことも現代のアップスケーラーの魅力ですが、当時の開発者がCRTやアナログ映像の特性まで利用して作った表現を、あえて現代の技術で再現するというのもまた面白いところです。
RetroTINK-4Kを使っている人は、いつものシャープな表示と見比べてみるのも面白そうですね。
via.RetroRGB















ダンジョンズ&ドラゴンズ ビジュアル大全 半世紀を超えるその歴史とアート









ゲームコンソール2.0