PSP同士でGBAのリンクケーブル通信が可能に!「GBAdhoc 3.5.0」で『マリオカートアドバンス』『Advance Wars 2』など2人プレイ

PSP同士でGBAのリンクケーブル通信が可能に!「GBAdhoc 3.5.0」で『マリオカートアドバンス』『Advance Wars 2』など2人プレイ

PSP向けゲームボーイ系エミュレーター「GBAdhoc 3.5.0」が公開されました。今回のアップデートでは、新たにゲームボーイアドバンス(GBA)のリンクケーブル通信に対応。2台のPSPを、あたかも「2台のGBA+リンクケーブル」のように使って2人プレイが楽しめるようになっています。

開発者によると、実機のPSP-3000とPSP-1000を使用して『Advance Wars 2』や『Mario Kart: Super Circuit(マリオカートアドバンス)』の動作が確認されています。

●GBAdhoc
https://github.com/ShoshinFauteux/GBAdhoc

●GBAdhoc 3.5.0リリース告知(Reddit)
https://www.reddit.com/r/PSP/comments/1wxj5t2/gbadhoc_350_released_gba_link_cable_over_wifi/

PSPのアドホックWi-FiでGBAのリンクケーブル通信を再現

GBAdhocは、PSP上でGBAのほか、ゲームボーイ(GB)やゲームボーイカラー(GBC)のゲームを動かすことができる非公式エミュレーターです。

今回公開されたバージョン3.5.0では、GBAで利用されていたリンクケーブル通信を、2台のPSPによるアドホックWi-Fi通信で再現する機能が追加されました。

利用時は、一方のPSPでゲーム内メニューから「Wireless → Host」を選択し、もう一方で「Join: scan for rooms」を選択します。PSP同士が直接通信するため、リンクケーブルはもちろん、無線LANルーターやインターネット接続も必要ありません。

開発者はPSP-3000をHost、PSP-1000をJoinとして実機テストを行っており、『Advance Wars 2』は59.2fps、『Mario Kart: Super Circuit』の2人対戦では58.9fpsで動作したと報告しています。

さらにエミュレーション環境では、『Sonic Advance』『Mario Tennis: Power Tour』『ポケットモンスター エメラルド』のCable Clubについてもテストされています。

なお、GBAのリンクケーブル通信を利用する場合は、両方のPSPに同一のROMを用意する必要があります。

通信そのものではなく「ボタン入力」をPSP間で同期

今回の機能で興味深いのが、GBAのリンクケーブル通信をそのままWi-Fiに置き換えているわけではない点です。

本来のGBAリンクケーブルはマイクロ秒単位で通信しますが、Wi-Fiでは応答にミリ秒単位の時間が掛かるため、そのまま置き換える方法では正常な通信が難しくなります。

そこでGBAdhoc 3.5.0では、それぞれのPSP上で自分のゲームだけではなく、相手側のゲームも見えない状態で同時に実行する仕組みが採用されています。

つまり、各PSPの内部では2本のゲームがリンクケーブルで接続された状態になっており、PSP間で実際に送受信されるのは「どのボタンを押したか」という入力情報です。

両方のPSPで同じ入力を同じ順番で処理することで、それぞれの内部にあるゲームの状態を同期させ、リンクケーブル通信を成立させています。

この方法では1台のPSPで同時に2つのGBA環境を動かす必要がありますが、GBAdhocでは各種最適化を行うことで実現しています。

以前のポケモン無線通信とは別の機能

当サイトでは2026年9月29日に「GBAdhoc 3.0.0」を紹介しています。

こちらでは新たにGB/GBCへの対応やRTC、セーブステート機能の拡張などが行われていました。またGBAについては、それ以前のバージョンから『ポケットモンスター エメラルド』『ファイアレッド』『リーフグリーン』などで使用されていた「ゲームボーイアドバンス専用ワイヤレスアダプタ(AGB-015)」のエミュレーションにも対応しています。

今回追加されたのは、このワイヤレスアダプタ機能とは異なる、GBA本来の「リンクケーブル通信」の再現です。

そのため、これまでGBAdhocの無線通信機能に対応していなかったリンクケーブル対応タイトルにも、利用できるゲームの幅が広がったことになります。

すべてのリンクケーブル対応ゲームが動くわけではない

一方で、現時点ではいくつか注意点もあります。

GBAのリンクケーブル通信は2人用に限定されており、開発者によれば今後もこの制限が残る可能性が高いとのことです。

また、リンクケーブル対応タイトルすべての動作が保証されているわけではありません。たとえば『Mario Golf: Advance Tour』については、現時点では正常に動作しないことが報告されています。

『ポケットモンスター ルビー』と『ポケットモンスター サファイア』のように、異なるROM同士を使った通信にも現在は対応していません。

今回の方式では、それぞれのPSPで両プレイヤー分のゲームを動かす必要がありますが、GBAdhocでは2つのGBAコアがひとつのROMデータを共有しています。異なるROMを同時に保持するには追加のメモリーが必要となり、とくにメインメモリーが32MBのPSP-1000では厳しいことが理由として挙げられています。

そのため、「GBA版ポケモンならどの作品でも交換できる」というわけではない点には注意が必要です。

PSP-1000からPSP Goまで対応

GBAdhoc 3.5.0は、PSP-1000、PSP-2000、PSP-3000、PSP Goに対応しています。導入にはカスタムファームウェアが必要で、開発にはARK-4が使用されています。

通信するときは両方のPSPでWLANを有効にしたうえで、アドホック通信のチャンネルを同じ固定チャンネルに設定する必要があります。

GBAdhocはGPL-2.0で公開されている無料のオープンソースソフトウェアで、ゲームROMやBIOSなどは付属していません。

わずか1週間ほど前に公開された3.0.0ではGB/GBC対応が大きなトピックとなっていましたが、今度はPSP2台だけでGBAのリンクケーブル通信を再現するところまで進化しました。

対応タイトルにはまだ制限があるものの、現在でもPSPを活用しているユーザーにとっては、かなりユニークな遊び方が増えたアップデートといえそうです。

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