TheGammaSqueeze氏が開発する「Rockchip SD Tool」のバージョン1.3系が公開されました。日本時間2026年10月3日23時50分に公開されたバージョン1.3.0では、本体内のユーザーデータを保持したままファームウェアを更新するための「Update card, keep user data」モードが追加されています。続く10月4日5時14分公開のバージョン1.3.1では、各書き込みモードの用途や保持されるデータについて、画面上でより分かりやすく確認できるようになりました。
Rockchip SD Toolは、RockchipのRKFW形式のファームウェアイメージをSDカードへ書き込むためのコミュニティ開発ツールです。Windows、macOS、Linuxに対応しており、SDカードから直接起動するカードの作成だけではなく、本体内蔵ストレージへファームウェアを書き込むための更新カードも作成できます。
●Rockchip SD Tool リリースページ
https://github.com/TheGammaSqueeze/rockchip_sd_tool/releases
●Rockchip SD Tool
https://github.com/TheGammaSqueeze/rockchip_sd_tool
本体のデータを残す「Update card, keep user data」
今回の中心となる変更は、バージョン1.3.0で追加された「Update card, keep user data」です。
Rockchip SD Toolには、以前から「Upgrade, keep user data」という似た名前のモードがありますが、このふたつは更新対象が異なります。
「Upgrade, keep user data」は、すでにファームウェアから起動して使用しているSDカード自体を書き換えるためのモードです。既存のパーティションテーブルを維持しながらファームウェア部分を更新することで、そのSDカード内にあるセーブデータや設定などを保持します。
一方、新たに追加された「Update card, keep user data」は、本体内蔵ストレージへファームウェアをインストールするための更新用SDカードを作成するモードです。作成したカードから本体を一度起動するとリカバリーが立ち上がり、SDカードに収録されたファームウェアが本体側へ書き込まれます。更新後はSDカードではなく、本体内蔵ストレージから起動します。
通常の更新カードでは本体のユーザーデータを消去
通常の「Firmware update card」では、ファームウェア側に含まれているデータ消去要求もそのまま本体へ書き込まれます。そのため、ファームウェアのインストール後に本体のユーザーデータが消去され、いわゆるクリーンインストールの状態になります。
これに対して「Update card, keep user data」では、更新カードにコピーするファームウェアから、このデータ消去要求を取り除きます。システムやブートローダーを含め、ファームウェアに収録されている各パーティション自体は通常通りインストールされますが、更新後の起動時にユーザーデータを消去する指示だけが変更されます。
そのため、対応する環境ではファームウェアを更新しながら、既存のデータを残すことが可能になります。
データ保持は無条件ではない点に注意
ただし、このモードを選べば必ずデータを保持できるというわけではありません。
開発者は、新しいファームウェアが本体に残っている既存データを読み取れる場合にのみ使用するよう案内しています。大きなプラットフォーム変更が行われる場合や、ファームウェア側のリリースノートでクリーンインストールが指定されている場合は、通常の「Firmware update card」を使用してデータを消去する必要があります。
そのため、利用時は対象機器やファームウェアイメージだけではなく、旧バージョンからそのまま更新できるかどうかも確認しておく必要があります。
実際にGammaOS NanoのAnbernic RG DS向けバージョン1.4.4では、旧バージョンから更新する方法としてRockchip SD Tool 1.3.0以降の「Update card, keep user data」が案内されています。ここでも、既存のGammaOS環境を更新する場合に同モードを選択するよう説明されています。
1.3.1では各モードの違いが分かりやすく
続いて公開されたバージョン1.3.1では、書き込み機能そのものを大きく追加するのではなく、各モードの違いを分かりやすくする改善が行われています。
現在は「Boot card」「Upgrade, keep user data」「Firmware update card」「Update card, keep user data」の4種類について、何を行うモードなのか、どのデータが保持されるのか、どのような場合に選択するのかがウィンドウ内に表示されます。これまでは名称だけでは判断しにくかった起動用カードと本体更新用カードの違いも確認しやすくなっています。
また、バージョン1.3.1ではWindows 10/11向け64ビット版のほか、AppleシリコンおよびIntel Mac向けのmacOS 11以降対応版、x86_64およびAArch64向けLinux版が配布されています。
Rockchip SD Toolは、あらゆる携帯ゲーム機やファームウェアに利用できる汎用アップデートツールではありません。対応するRockchip RKFW形式のファームウェアと対象機器を確認したうえで利用する必要があります。また、今回当サイトでは実際のSDカード作成や実機でのアップデートまでは検証していません。














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