M5Devsは、日本時間2026年10月4日にROM関連の統合ツール「OpenROM 3.7.5」を公開しました。今回のアップデートでは、作成したパッチに元ROMを識別するための情報を付加し、パッチ適用時に想定されたROMと一致しているか確認できる機能が追加されています。
また、その直前となる10月3日に公開された3.7.0では、元ROMと変更後のROMから差分パッチを作成する「Patch Builder」が追加されました。これまでのパッチを「適用する」用途に加えて、「作成する」用途にも機能が広がったことになります。
●OpenROM v3.7.5
https://github.com/M5Devs/OpenROM/releases/tag/v3.7.5
ふたつのROMから差分パッチを作成できる「Patch Builder」
OpenROMは、ROMやディスクイメージの変換、圧縮、パッチ適用などをひとつにまとめた無料・オープンソースのデスクトップツールです。
10月3日16時27分に公開された3.7.0では、新たに「Patch Builder」が追加されました。これは元となるROMと変更後のROMという、ふたつのファイルを比較して差分パッチを作成するための機能です。
従来のOpenROMにもIPSやBPS、xdelta3、DCPなどのパッチを適用する機能は用意されていましたが、今回追加されたPatch Builderはそれとは別の「パッチを作る」ための機能となっています。
ゲームの翻訳や改造などで変更したROMそのものを配布するのではなく、変更部分だけを差分パッチとして扱いたい場合などに利用できる機能です。
3.7.5ではパッチの「適用元ROM」を確認可能に
さらに、10月4日8時13分に公開された3.7.5では、Patch Builderで生成するファイル型パッチにJSON形式の付随ファイルを作成する仕組みが追加されました。
このJSONには、パッチ作成時に使用した元ファイルと変更後ファイルについて、ファイル名、サイズ、CRC32、SHA-256といった情報が記録されます。
パッチを適用するときに対応するJSONが存在する場合は、使用しようとしている元ROMが、パッチ作成時に想定されていたものと一致しているか検証されます。異なるROMが指定された場合は、想定されるSHA-256と実際のSHA-256を示したエラーが表示される仕組みです。
たとえば、同じゲームでもリージョンやリビジョンが異なるROMが存在する場合、別バージョン向けのパッチを誤って適用しようとしていることに気付きやすくなります。
パッチ本体は従来形式のまま
今回の仕組みでは、IPSやxdelta、APS、PPF、EBPなど既存のパッチファイル自体に独自情報を書き込むのではなく、識別用のメタデータを別のJSONファイルとして保存します。
そのため、パッチ本体は従来のバイナリ形式を維持しており、既存のパッチツールとの互換性を保つ方式になっています。
一方で、すべての既存パッチについて自動的に元ROMを判定できるようになるわけではありません。この検証が行われるのは対応するJSONが用意されている場合で、チェックを無視する設定も用意されています。
また、この識別情報の初回実装では、ディレクトリ型のDCPパッチは対象外となっています。
Windows、Linux、macOS向けに配布中
OpenROM 3.7.5は、Windows向けにポータブル版とインストーラー版が用意されているほか、Linuxはx86_64とARM64、macOSはApple SiliconとIntel向けの各バージョンが公開されています。
ROMやディスクイメージの変換・圧縮だけでなく、差分パッチの作成から適用までをまとめて扱いたい場合には、今回の一連のアップデートで利用できる範囲がさらに広がった形です。















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