Wii U版ScummVMが『Riven』『Blade Runner』などに対応。v0.6.0でゲームエンジンを拡充

Wii U版ScummVMが『Riven』『Blade Runner』などに対応。v0.6.0でゲームエンジンを拡充

Rrhapsod氏は日本時間2026年10月4日、非公式のWii U向けScummVM移植「ScummVM Wii U v0.6.0」を公開しました。今回のアップデートでは対応するゲームエンジンが拡充され、『Riven』や『Blade Runner』『The 11th Hour』など、これまでのバージョンでは対象外だった作品も新たに扱えるようになっています。

本ソフトはScummVM本家による公式リリースではなく、Rrhapsod氏がメンテナンスしているWii U向けのコミュニティ移植です。また、「0.6.0」はWii U移植版独自のバージョン番号で、ScummVM本体のバージョンを表しているものではありません。

●ScummVM Wii U v0.6.0(GitHub)
https://github.com/Rrhapsod/scummvm-wiiu/releases/tag/v0.6.0

『Riven』『Blade Runner』などに対応

v0.6.0で大きく変わったのが、対応するゲームエンジンの拡充です。

従来のSCUMM系に加えて、Mohawk、Blade Runner、Groovie/Groovie2などが新たに組み込まれました。これによりMohawkでは『Myst』『Myst Masterpiece Edition』『Riven』、Groovie系では『The 7th Guest』『The 11th Hour』などが対象に加わっています。

9月28日に公開されたv0.5.0 Betaでは、Wii U上でScummVMを利用するための基本機能やGamePad操作などが用意されていましたが、今回のv0.6.0では対応作品の範囲が大きく広がった形です。

作者はWii U実機で『Riven』『Blade Runner』『The 11th Hour』をテストし、問題なく動作したと報告しています。ただし、これはゲームを最後までプレイしたことや、すべてのエディションで完全な互換性を確認したことを意味するものではありません。

また、『Myst』『Myst Masterpiece Edition』『The 7th Guest』については対応エンジン自体は含まれているものの、リリース公開時点では作者によるWii U実機テストは行われていません。

GamePadのタッチ操作やアナログスティックにも対応

Wii Uならではの操作方法も引き続き利用できます。

GamePadのタッチスクリーンではポインターの移動や左クリックが行えるほか、左アナログスティックでもポインターを操作できます。A/Bボタンは左右クリックとして利用でき、Rボタンを押している間はポインターの移動速度を落として細かな操作をしやすくすることもできます。

さらにWii U標準のソフトウェアキーボードにも対応しており、テキスト入力やセーブデータの名前入力などに利用できます。

映像はテレビとGamePadの両方に表示できるため、Wii UのGamePadを活用しながら古典的なPCアドベンチャーゲームを遊べるのも、この移植版ならではの特徴です。

MP3再生とMT-32エミュレーションにも対応

音声関連では、新たにMP3のデコードとMT-32エミュレーションが追加されています。いずれも作者がWii U実機でテストしたとしています。

MP3は対応するゲームの音声形式であれば自動的にデコードされる仕組みで、単純にファイルの拡張子を「.mp3」に変更するだけでは利用できません。

MT-32エミュレーションを利用する場合は、ユーザー自身で「MT32_CONTROL.ROM」と「MT32_PCM.ROM」を用意する必要があります。これらのRoland ROMは配布パッケージには含まれていません。

ゲーム切り替え時に発生していたメモリリークも修正

v0.6.0では機能追加だけではなく、不具合の修正も行われています。

これまでゲームとScummVMランチャーを繰り返し切り替えた際に、グラフィックス用メモリが正しく解放されず、最終的にフリーズにつながることがあった問題が修正されました。

作者は修正後の診断ビルドを使用し、『Indiana Jones and the Fate of Atlantis』や『Sam & Max Hit the Road』で起動とランチャー復帰を繰り返すテストを行い、従来発生していたフリーズが解消されたことを確認しています。

Aroma版を推奨。RetroArchは不要

配布されているのは、Aroma環境向けの「ScummVM-wiiu-0.6.0-aroma.zip」と、非Aroma環境でのコミュニティテスト用となる実験的なRPX版などです。

Aroma版はSDカードのルートに展開し、Wii UメニューからScummVMを起動できます。RetroArchを別途導入する必要はありません。

一方のRPX版については、既存のRPX対応Homebrew Launcher/loaderなどから起動するための実験用パッケージです。Aroma以外の環境での互換性はまだ確認されておらず、WUP形式のチャンネルインストーラーでもありません。

なお、ScummVMを導入しただけではゲームを遊ぶことはできません。各作品のゲームデータはユーザー側で別途用意する必要があります。

すべてのScummVM対応作品が動くわけではない

今回のv0.6.0で対応範囲は広がっていますが、最新版ScummVMがサポートしているすべてのエンジンがWii U版でも利用できるわけではありません。

リリースノートによると、SCUMM v7/v8/HEをはじめ、今回リストに含まれていないゲームエンジンには対応していません。また、Vorbis、FLAC、MPEG-2も今回のビルドには含まれていません。

実機テストの範囲についても注意が必要です。作者による各種検証は修正済みの診断ビルドやそれ以前のビルドを使って行われており、公開された最終0.6.0バイナリについては、リリースノートの時点で改めて実機でのスモークテストが必要と記されています。

そのため、今回のアップデートはWii U上で利用できるScummVMの対応範囲が大きく広がったものの、すべての作品や環境で動作が保証されたものではありません。導入する場合は、既存の実行ファイルや設定、セーブデータをバックアップしてから試したほうがよさそうです。

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