オープンソースで開発されている汎用レトロゲームツール「OpenROM」の最新版となる「OpenROM v3.6.1」が、2026年9月26日付で公開されました。PSPのISOファイルをCSOへ変換したり、初代PlayStationやドリームキャストなどのBIN/CUEをCHD化したりと、これまで用途ごとに異なるツールを使い分けていた作業を、ひとつのアプリにまとめられるのが大きな特徴です。WindowsだけではなくLinuxやmacOSにも対応しており、GUIに加えて自動処理などに利用できるCLIも用意されています。
●OpenROM公式GitHub
https://github.com/M5Devs/OpenROM
PSPのISO→CSOやPS1/DCのCHD化をひとつのツールで
OpenROMは、開発元のM5 Devが「Universal Retro Gaming Toolkit」として公開している無料・オープンソースのツールです。単純なディスクイメージ変換ソフトというよりも、複数のレトロゲーム機で利用されているファイル形式の変換や圧縮、パッチ適用、ROMコレクションの整理などをまとめて行うための統合環境という位置付けになっています。公式では20種類以上の変換パターンに対応するとしており、機種ごとに別々のツールを探す手間を減らせるところが特徴です。
v3.6.1のリリースページで案内されている代表的な変換は、次のようになっています。PSPではISOからCSO、初代PlayStation、ドリームキャスト、セガサターン、メガCDではBIN/CUEからCHDへの変換に対応しています。また、PS2、ゲームキューブ、Wii、XboxのISOについては、CHDやCSO、RVZ、XISOなどへの変換が用意されています。
- PS1/ドリームキャスト/セガサターン/メガCD:BIN/CUE → CHD
- PSP:ISO → CSO
- PS2/ゲームキューブ/Wii/Xbox:ISO → CHD、CSO、RVZ、XISO
- 汎用機能:ZIP/7Z圧縮、IPS/BPS/xdelta3/DCPなどのパッチ適用
たとえば、PSP用に吸い出したISOの容量を抑えるためにCSOへ変換したい場合や、初代PlayStationのBIN/CUE形式のディスクイメージをCHDにまとめたい場合に利用できます。ゲームキューブやWiiではRVZ形式への変換も扱えるため、複数のゲーム機をエミュレーターなどで管理しているユーザーほど恩恵を受けやすいツールといえそうです。なお、対応形式が多いだけに、変換先が実際に使用するエミュレーターや機器で利用できるかどうかについては、あらかじめ確認しておいたほうがいいでしょう。
ROMの判別や一括変換、パッチ適用にも対応
OpenROMには、ファイルを変換するだけではなく、ROMのプラットフォームを自動判別する機能も搭載されています。PS1、PS2、PSP、Xbox、ゲームキューブ、Wii、ドリームキャスト、セガサターン、メガCDなどでは、ファイルサイズだけに頼らずデータを調べてプラットフォームを判定する仕組みが用意されています。CHDについてもヘッダーを読み取り、CD系とDVD系を判別して適切な処理を選択する仕組みが採用されています。
さらに、フォルダー単位で複数のファイルを処理するバッチ変換にも対応しています。GUIから利用できるほか、「openrom-core」と呼ばれるヘッドレスCLIも同梱されており、フォルダー内のディスクイメージをまとめてCHD化するといった自動処理も可能です。大量のディスクイメージを整理したい場合は、1本ずつ手作業で変換するよりもCLIを利用したほうが効率よく処理できそうです。
圧縮だけではなくCUE編集やM3U生成なども搭載
現行版のOpenROMでは、変換以外の機能もかなり充実しています。ZIP/7Zによる圧縮・展開に加えて、IPS、BPS、xdelta3など複数形式のパッチ適用、複数ディスク作品向けのM3Uプレイリスト生成、BINファイルの結合、CUEシートの編集といった機能も用意されています。No-IntroやRedumpのDATファイルを利用し、CRC32でROMを照合してファイル名を整理するROM Renamerも搭載されています。
ドリームキャスト向けにはDCPパッチの適用やIP.BINの編集、GDIのトラック構造を確認する機能なども実装されています。そのため、「CHD変換ツール」というよりは、手元にあるレトロゲームのデータを変換・整理・管理するための各種ツールをひとつの画面にまとめたアプリと考えたほうが近そうです。すべての処理はローカル環境で行われ、公式ではネットワーク通信やテレメトリーを使用せず、オフラインで動作すると説明されています。
Windows、Linux、macOS向けに配布
OpenROM v3.6.1は、Windowsではインストーラー版とポータブル版が用意されています。Linuxではx86_64とARM64、macOSではApple Silicon版とIntel版がそれぞれ配布されており、複数のOSで同じツールを利用できます。GUIとCLIの両方が各リリースに含まれているため、普段はGUIで操作しつつ、大量のファイルを処理するときだけCLIを使うといった使い分けも可能です。
これまで「PSPのISOをCSOに変換するツール」「PS1のBIN/CUEをCHD化するツール」「ゲームキューブのISOをRVZに変換するツール」といった形で用途別のソフトを使い分けていた人にとって、OpenROMはなかなか興味深い選択肢になりそうです。とくに複数のレトロゲーム機のディスクイメージを管理している場合、変換だけではなくパッチ適用や整理までひとつの環境で行えるところは大きなメリットといえるでしょう。ただし、本ツールはROMデータそのものを提供するものではないため、利用する際は自身で正当に用意したゲームデータを使用するようにしましょう。















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