カプコンが1987年にアーケード向けにリリースしたアクションゲーム『ブラックドラゴン(Black Tiger)』を、メガドライブ/Genesis向けにネイティブ移植する非公式プロジェクト『Black Tiger MD』。その最新版となるv1.4が2026年9月27日に公開されました。
●Black Tiger MD
https://rester159.itch.io/black-tiger-md
今回のアップデートでは、新たにSRAMを利用したハイスコアの保存に対応。さらに敵キャラクター「Ground Blob」が倒したあとも画面上に残る問題や、Home ModeのOptionsメニューへ移動する際の操作に関する不具合も修正されています。itch.ioでは最新版として、4MBのROMイメージ「blacktiger_MD_v1.4.bin」が配布されています。
アーケードエミュレーションではなく、メガドライブ用ゲームとして再構築
『Black Tiger MD』は、単純にアーケード版のROMをエミュレーションして動かしているわけではありません。メガドライブ/Genesis向けの開発環境「SGDK」を利用し、メガドライブ上で直接動作するネイティブコードとしてゲーム自体を再構築した移植作品です。
敵の動きや戦闘、ショップ、スクロール、ゲーム進行などがメガドライブ向けに実装されており、オリジナル版に登場した全8ステージを収録。アーケード版のグラフィックやゲームデータなどをベースにしながら、メガドライブのハードウェアに合わせた調整が施されています。
オリジナルの『ブラックドラゴン』は1987年にカプコンから登場した横視点のファンタジーアクションゲームです。主人公ブラックタイガーを操作して敵を倒し、宝箱やツボなどから入手したコインを使ってショップで武器や防具を強化していくシステムを採用。当時のカプコン作品としては、ショップで買い物ができる仕組みを取り入れたことでも知られています。


Home Modeではボスラッシュも追加
『Black Tiger MD』には、大きく分けて「Arcade Mode」と「Home Mode」の2種類が用意されています。
Arcade Modeではコインとクレジットを使うアーケード版に近い仕組みを採用しており、ゲーム開始前のイントロやDIPスイッチ形式の設定画面も実装。一方のHome Modeでは通常のゲームを直接開始できるほか、家庭用向けのOptionsメニューやBoss Rushなど、オリジナル版にはなかった要素が追加されています。
Boss Rushでは8体のボスと専用の横スクロール式アリーナで連続して戦うことが可能。またHome Modeには隠しDebugメニューも存在し、8ステージへの直接アクセスや無敵、残機無限、タイム無限、フレームレート表示といった機能も用意されています。


メガドライブの制約に合わせてグラフィックやサウンドも再構成
グラフィックについても、アーケード版の素材をそのまま表示しているわけではありません。メガドライブのパレットやスプライト、ビデオメモリなどの制限に合わせてタイルやスプライトへ変換されており、ゲーム画面は256×224ドットで描画されています。
そのため色数やシェーディング、背景とキャラクターの色分けなどはアーケード版と完全に同じではありません。一方で、ステージ5の山岳背景やステージ7のステンドグラスなどには、アーケード版にはなかったパララックススクロールも追加されており、単なる縮小移植ではなくメガドライブ向けの演出も取り入れられています。
サウンドもメガドライブの音源に合わせて再構築されており、BGMにはネイティブのFMサウンドエンジンを使用。ステージやボス、ショップ、ラウンドクリア、ゲームオーバー、エンディングなどに対応した楽曲が実装されています。


実機+EverDriveやMiSTer FPGAでもプレイ可能
配布されているROMイメージは、メガドライブ/Genesis実機とEverDriveなどのフラッシュカートを組み合わせた環境のほか、Genesis/Mega Drive対応エミュレーター、MiSTer FPGAなどで利用可能とされています。
ただし、現時点ではアーケード版を完全に再現した作品ではありません。作者によれば60fps固定ではなく、敵が多数登場する場面や背景更新の負荷が高い場所などではフレームレートが低下する場合があります。itch.io上のステータスも現在は「In development」となっており、今後も改良が続けられるものと思われます。
なお、itch.ioでは本プロジェクトについて**「AI Assisted / Code」**との開示も行われています。一方でソースコードはGitHub上で公開されており、作者はコメント欄で、AIだけで自動的に作られたものではなく、人間による作業や細かな調整も多数行っていると説明しています。
9月21日の初公開から短期間で複数回のアップデートが行われている『Black Tiger MD』。今回のv1.4ではハイスコアを電源を切ったあとも残せるSRAM保存が加わったことで、より「メガドライブの家庭用ソフト」として遊びやすい仕様へと進化しています。















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