NINTENDO64用ソフト『Conker’s Bad Fur Day』をPC向けに静的再コンパイルする非公式プロジェクト「Conker’s Bad Fur Day: Recompiled」のV0.1.2が、2026年9月27日付で公開されました。
今回のリリースでは、Windows、Linux、macOS向けの「Ready-to-play」ビルドが配布されており、ソースコードから自分でビルドしなくても導入できる段階まで進んでいます。ただしゲームデータ自体は含まれておらず、プレイするには利用者自身が用意したUS版『Conker’s Bad Fur Day』のROMが必要です。
開発元によると、ゲーム自体は最後までプレイできることが確認されています。一方でLinuxやmacOSについては検証途中の部分も残されており、現時点ではすべての環境で完全に動作が確認されたという意味ではない点には注意が必要です。
●GitHub Release V0.1.2
https://github.com/sciaschi/CBFD-Recompiled/releases/tag/V0.1.2
エミュレーターとは異なる「静的再コンパイル」でPC向けにネイティブ化
「Conker’s Bad Fur Day: Recompiled」は、N64タイトルをエミュレーター上で動かすのではなく、ゲームのプログラムをPC上で動作できる形へ静的に再コンパイルするプロジェクトです。
開発には「N64Recomp」をはじめ、『Conker’s Bad Fur Day』のデコンパイルプロジェクト、「N64ModernRuntime」、レンダリングに「RT64」などが利用されています。ゲームデータを含んだPC移植版を配布しているわけではなく、利用者が所有するUS版ROMから必要なデータを読み込む仕組みです。
こうした方式を採用することで、オリジナルのNINTENDO64版をベースにしつつ、現代のPC環境に合わせた機能を追加できるのが大きな特徴となっています。
高解像度やワイドスクリーン、高フレームレート表示にも対応
「Conker’s Bad Fur Day: Recompiled」は、WindowsではDirect3D 12またはVulkan、LinuxではVulkan、macOSではMetalを利用して描画します。
オリジナル版にはなかった高解像度表示やワイドスクリーン、アンチエイリアス、高フレームレートでの表示にも対応。このほかゲームコントローラーとキーボードの両方が利用でき、操作の割り当て変更や振動機能もサポートされています。
セーブについてもEEPROMセーブに対応しており、ランチャー側からグラフィック、操作、サウンドなどの設定を変更可能です。
さらに「.nrm」形式によるModにも対応。標準でカットシーンをスキップできる「Skip Any Cutscene」や、無限体力などを利用できる「Cheats」といったサンプルModも用意されています。
Windows/Linux/macOS向けビルドを配布
V0.1.2ではWindows、Linux、macOS向けの実行可能ビルドがGitHubのReleasesページから配布されています。
Windows版では「ConkerRecomp.exe」を起動し、初回起動時に自身が所有するUS版ROMの「.z64」ファイルを指定。その後はランチャーからゲームを開始できます。
Linux版ではSDL2、GTK 3、FreeTypeのほかVulkanドライバーが必要です。また、配布されているmacOS版はApple Silicon搭載MacおよびmacOS 15以降が対象となっています。
macOS版についてはApple Developer IDによる署名が行われていないため、初回起動時にはmacOS側でブロックされます。利用する場合は「システム設定」の「プライバシーとセキュリティ」から実行を許可する必要があります。
なお、プロジェクトにはゲーム本体のデータは含まれていません。使用できるのは基本的にUS版ROMで、別リージョンのROMには対応していません。
ゲームは最後までプレイ確認済み。ただし既知の問題も
開発元によれば、現時点ですでにゲームを最後までプレイできることが確認されています。
その一方で、いくつかの既知の問題も残されています。ワイドスクリーン表示ではポーズ画面の背景が4:3映像を引き伸ばした状態になるため上下が切れるほか、反射表現が使用されている一部のサーフェスでは反射テクスチャーが表示されません。
また、30fpsを超えるフレームレートでは、キャラクターの描画状態が切り替わる際に一瞬表示が飛ぶ場合があり、カット切り替え時にカメラの補間が不自然になることもあるとされています。
環境別の検証状況にも違いがあります。Linux版はUbuntu 24.04をWSL上で動かし、ソフトウェアVulkanを利用したテストは行われていますが、実際のGPUドライバーを使った環境ではまだ十分なプレイテストが実施されていません。
macOS版についてもApple M3 Pro搭載MacでMetalによる起動と動作は確認されているものの、ゲームを最後まで通してプレイするテストについては未実施です。
そのためV0.1.2は「完全版」というよりも、実際にゲームを動かして遊べる段階まで到達し、今後さらに互換性や表示上の問題が改善されていくバージョンと見たほうがよさそうです。
NINTENDO64のタイトルを現代のPC上でネイティブに動作させる静的再コンパイル系プロジェクトは近年広がりを見せていますが、『Conker’s Bad Fur Day』についても、ついに一般ユーザーがWindowsやLinux、Macで手軽に試せるところまで進んできました。
高解像度やワイドスクリーン、高フレームレート表示など、実機や一般的なエミュレーションとはまた異なる形で『Conker’s Bad Fur Day』を楽しめるプロジェクトとして、今後のアップデートにも注目したいところです。













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