iPhone向けに公開されているマルチエミュレーター「Retro Pal」の最新版となるv1.3.1が公開されました。今回のアップデートではアプリ全体のユーザーインターフェースが大幅に再設計されたほか、これまで予告されていたiPadへの本格対応が実現しています。
開発者は2026年9月25日、Redditの「Emulation on iOS」コミュニティでv1.3.1について告知。Retro Palはゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDS、スーパーファミコン、ファミコン、PlayStationに対応するiOS向けエミュレーターで、今回のアップデートでは新しいゲーム機の追加よりも、UIと操作性の改善に重点が置かれています。
iPadの縦画面・横画面に本格対応
v1.3.1における最大の変更点といえるのが、iPadへの対応です。単純にiPhone版の画面を拡大して表示するのではなく、iPadの大きなディスプレイに合わせた専用レイアウトが用意され、縦向きと横向きの両方で利用できるようになりました。
開発者によると、Retro Palが対応しているすべてのゲーム機をiPad上で利用でき、画面上のコントローラーも大きなディスプレイに合わせて調整されています。また、iPad上でウインドウを小さくして別のアプリと並べた場合には、ライブラリ画面がiPhone向けのレイアウトへ切り替わる仕組みも導入されています。
公式サイトのサポートページでも、Retro Palはv1.3.1以降iPhoneとiPadに対応し、iPadでは縦・横それぞれに専用レイアウトが用意されていると案内されています。iCloudを利用したセーブデータ同期にも対応しているため、iPhoneで遊んだ続きをiPadでプレイするといった使い方もできます。
アプリ全体のUIも大幅にリニューアル
今回のアップデートでは、iPad対応と同時にRetro Pal全体のUIも再設計されています。
横画面では、ゲームのカバーアートを棚に並べるようなライブラリ表示が採用され、背景も連動して動くデザインになりました。ゲーム詳細画面やRetroAchievements、設定画面なども同じ方向性で統一されています。
縦画面についても、最後にプレイしたゲームを上部に大きく表示し、その下にライブラリを配置する構成へ変更。複数のテーマも用意されており、以前よりもゲーム機のフロントエンドらしい外観へと変化しています。ゲームごとに公式ボックスアートやRetroAchievementsの画像、スクリーンショット、任意の写真などからカバー画像を選択する機能も追加されています。
DS、PlayStation、GBAなど7種類のゲーム機に対応
Retro Palは現時点で、以下の7種類のゲーム機に対応しています。
- ゲームボーイ
- ゲームボーイカラー
- ゲームボーイアドバンス
- ニンテンドーDS
- スーパーファミコン
- ファミコン
- PlayStation
エミュレーション部分には、mGBA、melonDS、MesenCE、PCSX-ReARMedといった既存のオープンソースエミュレーションコアが利用されています。PlayStation対応はひとつ前のv1.3.0で追加された機能で、v1.3.1では新しいハードを増やす代わりに、iPad対応やUI改善へ開発リソースが投入された形です。
なお、Retro Pal自体にゲームは収録されていません。App Storeでも、利用するゲームファイルはユーザー自身が適法に所有しているものを用意するよう案内されています。本記事もエミュレーター本体のアップデートを紹介するものであり、ROMなどのゲームデータの配布を案内するものではありません。
外部コントローラーやAirPlayにも対応
Retro PalはBluetooth接続の外部コントローラーにも対応しており、Xbox、PlayStation、MFi、8BitDoなどのコントローラーを利用できます。今回のv1.3.1では、iOS側からキーボードとして認識される一部の古いBluetoothコントローラーについても対応が強化されました。
開発者が例として挙げている「8BitDo Zero」などでは、特別な設定を行わなくても利用できるようになり、キーについてもゲーム機ごとに割り当てを変更できます。iPadでは物理キーボードを接続したまま利用するケースも想定されているため、キーボード接続時でも画面上のタッチコントローラーが残る仕様になっています。
また、以前のアップデートで追加されたAirPlayやケーブルによる外部ディスプレイ出力にも対応しています。大画面テレビへゲーム画面を映しつつ、iPhoneやiPadを操作用端末として利用するといった構成も可能です。
とくにiPadとBluetoothコントローラーを組み合わせれば、スマートフォン向けエミュレーターというよりも、ポータブルなレトロゲーム環境に近いスタイルで利用できそうです。
日本語を含むZIPファイルの読み込み問題も改善
日本のユーザーにとって注目したいのが、日本語などを含むZIPファイル名の処理改善です。
これまでRetro Palでは、日本語環境でZIPファイルを読み込む際に問題が発生する場合があり、日本のApp Storeに投稿されたレビューに対しても、開発者がこの不具合を把握していることを回答していました。
v1.3.1ではこの部分が修正され、日本語、韓国語、中国語、アクセント記号などを含んだ名前のZIPファイルを読み込んだ場合でも、本来のファイル名でゲームをインポートできるようになったとしています。
このほか、使用しているカレンダー設定にかかわらずニンテンドーDSの時計が正しい年を表示するようになったほか、PlayStationタイトルでRetroAchievementsが正常に利用できるようになる修正、欧州版や日本版タイトルに対応したチートコード検索の改善なども行われています。
日本のApp Storeは記事執筆時点で表示更新待ち
Retro Palは日本のApp Storeからも入手できますが、当サイトが2026年9月26日に確認した時点では、日本向けApp Storeページにはまだ「iPhoneのみ対応」、バージョン「1.3.0」という古い情報が表示されていました。
その一方で、開発者によるv1.3.1の告知と公式サイトではiPad対応が明記されており、海外のApp Storeページについても「iPhone、iPad」「Designed for iPad」と表示されています。日本のApp Storeについては、ページ情報の更新やキャッシュの反映に時間が掛かっている可能性があります。
iPhone向けエミュレーターとしてスタートしたRetro Palですが、今回のiPad対応によって利用できる環境は大きく広がりました。とくにiPadの大画面、Bluetoothコントローラー、AirPlayなどを組み合わせれば、これまでとは違った遊び方もできそうです。















ダンジョンズ&ドラゴンズ ビジュアル大全 半世紀を超えるその歴史とアート









ゲームコンソール2.0