128MB内蔵・USB-C対応のNINTENDO64用フラッシュカート『N64 Cart』が販売開始

128MB内蔵・USB-C対応のNINTENDO64用フラッシュカート『N64 Cart』が販売開始

The Peaceful Outcomeは2026年9月25日、NINTENDO64向けフラッシュカート「N64 Cart」の販売を開始しました。

●N64 Cart – Nintendo 64|The Peaceful Outcome
https://thepeacefuloutcome.com/shop/ols/products/n64-cart—nintendo-64

本製品は128MBのオンボードストレージを搭載し、USB-C経由でPCからROMデータを転送できるフラッシュカートです。The Peaceful Outcomeによる告知では、容量の目安として約6~18本のNINTENDO64用ROMを保存できるとしています。

一般的なNINTENDO64用フラッシュカートではmicroSDカードなどをストレージとして利用する製品も多くありますが、「N64 Cart」はカートリッジ本体にフラッシュメモリーを内蔵しているのが特徴です。

オープンソースの「N64cart」をベースにした完成品

今回販売が始まった「N64 Cart」のベースになっているのは、pdaxrom(sashz)氏が開発しているオープンソースプロジェクト「N64cart」です。

GitHubによると、N64cartはRaspberry Pi Picoを利用した「PicoCart64」から派生して開発されたNINTENDO64用フラッシュカートで、RP2040とSPIフラッシュを中心とした比較的シンプルな構成が採用されています。Version 3では最大128MBのフラッシュメモリーをサポートしています。

●pdaxrom「N64cart」GitHub
https://github.com/pdaxrom/N64cart

The Peaceful Outcomeが公開している専用マニュアルでも、ファームウェア更新時にはGitHubで配布されている「n64cart-v3」用ファームウェアを使用するよう案内されています。また、マニュアル末尾ではN64cartがpdaxromによって開発されたことや、sashz氏のBSD 2-Clause Licenseについても明記されています。

つまり今回のニュースは、新しいフラッシュカートプロジェクトそのものが登場したというよりも、これまで自作可能なオープンソースハードウェアとして公開されていたN64cartをベースに、The Peaceful Outcomeが組み立て済みの完成品として販売を始めたところがポイントです。

ROMはUSB-C経由で専用ツールから転送

ROMの追加には、PCと「N64 Cart」をUSB-Cケーブルで接続し、「ROMFS Manager」を使用します。

公式マニュアルでは、ROMFS Managerを起動してカートリッジに接続したあと、.z64形式のNINTENDO64用ROMをドラッグ&ドロップして転送する手順が案内されています。転送後はPCから取り外し、通常のゲームカートリッジと同じようにNINTENDO64へ差し込んで使用します。

N64cartの最新リリースでは、ROMFS ManagerにGUIが追加され、ファイルのアップロードやダウンロード、削除、名前変更、フォルダー作成などが可能になっています。Windowsに加えてmacOSとLinux向けのビルドも用意されています。

なお、ROMデータそのものが付属する製品ではありません。利用する場合は、自身が所有するゲームなどから適切に用意したデータを使用する必要があります。

セーブ後にはN64本体のリセット操作が必要

使用上の注意点もあります。

The Peaceful Outcomeのマニュアルによると、ゲーム内でセーブしたあと、そのデータをカートリッジ側へ書き込むにはNINTENDO64本体のリセットボタンを押す必要があります。リセットを行わずにそのまま電源を切ると、進行状況が保存されない場合があるとされています。

また、カートリッジをNINTENDO64本体に差した状態ではUSBケーブルを接続しないよう注意書きがあります。使用するROMについても.z64形式が指定されています。

ベースとなっているN64cartプロジェクト側では、4Kbit/16Kbit EEPROM、256Kbit/1Mbit SRAM、1Mbit FlashRAMのエミュレーション機能が実装されています。

ただし、The Peaceful Outcome版については実際のゲームごとの互換性まで網羅した検証結果が公開されているわけではないため、すべてのNINTENDO64用ソフトが問題なく動作すると断定するのは避けたほうがよさそうです。

SNESやNES、ゲームボーイ用エミュレーターの利用方法も掲載

少し面白いのが、公式マニュアルにNINTENDO64用ゲームだけではなく、スーパーファミコン、NES、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー用ROMの利用方法まで掲載されているところです。

これはカートリッジ自体が各ゲーム機を直接再現するというものではなく、「Sodium64」「Neon64」「GB64」といったNINTENDO64向けエミュレーターをカートリッジに配置して動かす仕組みです。マニュアルでは、それぞれのエミュレーターを所定のフォルダーに配置し、対応するROMを追加する方法が紹介されています。

NINTENDO64実機を利用しながら複数世代のゲームを動かせるという、フラッシュカートならではの遊び方もできるようです。

PicoCart64とは同じではない

「レトロゲームで遊ぼう!」では以前、RP2040を使用した「PicoCart64」を実際に購入し、NINTENDO64で使用する方法を紹介しました。

自作ソフトの書き込みにも使える! シングルカートリッジ専用『PicoCart64』の使い方

N64cartはそのPicoCart64から派生したプロジェクトですが、現在のVersion 3では128MBのフラッシュメモリーや専用ROMマネージャーなどが用意されており、PicoCart64そのものとは別のプロジェクトとして開発が続けられています。

また、microSDカードを中心に多機能化したSummerCart64やEverDrive-64 PROとは方向性が異なり、「N64 Cart」は128MBの内蔵ストレージへUSB-C経由でゲームを書き込む比較的シンプルな構成です。

The Peaceful Outcomeは今回の製品を手頃なフラッシュカートとして案内しており、販売はすでに開始されています。実際の販売価格や送料、配送可能地域については、購入時に公式の商品ページで確認してください。

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