先日正式にリリースされたMiSTer FPGA用のPSX(PlayStation)コア。単にPlayStationのゲームが遊べるようになっただけではなく、いくつか魅力的な機能も搭載されていることがわかりました。そこで今回は、主にビデオ出力まわりの機能を中心に、その性能をチェックしてみました。
■PSX_MiSTer
https://github.com/MiSTer-devel/PSX_MiSTer
グラフィックオプションの機能をチェック
まず、各ビデオモードの機能をチェックしていきましょう。上部にある「Aspect ratio」と「Scale」に関しては、アスペクト比に関わるもののようですが、あまりいじる必要はなさそうな印象です。
ゲームによっては画像の位置やサイズが変更される可能性があり、これよりスケーラーとvsync_adjust=2の同期が失われてしまいます。それを修正してHDMIで有効にするために、「Fixed HBlank」をONにしておきます。
「Sync480iforHDMI」は、『グランツーリスモ』や『グランツーリスモ2』など、DirectVideoを使用する動画の同期を修正することができます。これにより、ラインカウント/リフレッシュレートが480iと240pで同じに保たれるようになります。しかし、インターレスはCRTでうまく表示されないようです。
実際に確かめてみたところ、特にこの機能の効果は体感できませんでしたが、気になる人はONにしてみるといいでしょう。
カクついたテクスチャーをスムーズにする「テクスチャーフィルター」機能
「Texture Filter」は、ゲームの『Unreal』で使用された方法に基づいて、テクスチャのフィルタリングを行う機能です。カクついたように見えるテクスチャをスムーズにするためのようですが、必ずしもすべてのゲームで見栄えがよくなるというわけではないので、お好みでONとOFFを切り替えてみるのがいいでしょう。
いくつかのタイトルでチェックしてみましたが、劇的に見栄えが良くなるといった印象はないものの、少しだけテクスチャの感じが変わる程度といった感じでしょうか。
画面を大きく広げる「ワイドスクリーンハック」機能
エミュレーターなどではすでに導入されているものもありますが、今回のコアで最も有用な機能と思われたのが、「ワイドスクリーンハック」です。3:2、5:3、16:9と変更することができ、オリジナルのスクリーンよりも広い画面表示が行えます。
といってもすべてのタイトルで有効というわけではなく、一部のタイトルでは横に引き延ばされただけの映像になってしまうことも。この機能が有効なのは、主に3Dで映像が構成されたゲームで、シューティングゲームやレースゲームなど、画面が広いほどプレイしやすくなるタイトルの時に使いたくなる機能といえるでしょう。
具体的には、『リッジレーサー』、『トゥームレイダース』、『ゼビウス3D/G+』といったタイトルはワイドスクリーンハックが有効でしたが、『Diablo』や『R-Types』、『バイオハザード』、『GTA』などは、ただ単にアスペクト比が横に引き延ばされただけのようになってしまいました。
セーブステート機能も利用可能
こちらのコアには、ゲームプレイの途中状態を保存しておける「セーブステート」機能も用意されています。いくつか試してみましたが、『FF7』ではなぜかハングアップしてしまいました。しかし、『GTA』では問題なく使うことができたので、完璧ではないかもしれませんが、そこそこ使えそうな印象です。
まだまだ完璧じゃないけど満足度は高い
まだまだリリースされたばかりのコアということもあり、すべてが100パーセントの状態ではないものの、ある程度のゲームは問題なく遊べるような状態にあります。今後さらなる機能アップも行われていくと思われるので、その進化にも期待したいところですね!