MiSTer FPGAのネオジオポケットカラーコアにSNACリンクケーブル対応がマージ!内部UARTと切替可能に

MiSTer FPGAのネオジオポケットカラーコアにSNACリンクケーブル対応がマージ!内部UARTと切替可能に

MiSTer FPGA向けのネオジオポケットカラーコア「NGPC_MiSTer」に、リンクケーブル用のシリアル信号をUSER IO経由で扱う機能が追加されました。

●MiSTer-devel「NGPC_MiSTer」
https://github.com/MiSTer-devel/NGPC_MiSTer

開発者kconger氏が提出したPull Request #3「Link Cable over SNAC/USERIO port」が、2026年9月2日7時59分6秒(日本時間)にMiSTer-devel公式リポジトリのmasterブランチへマージされています。

今回の変更で面白いのは、単にネオジオポケットカラーのゲームをFPGAで再現するだけではなく、実機に搭載されていた本体間通信のための信号までMiSTerのUSER IOへルーティングできるようになったところです。

「Internal」と「SNAC」をOSDから切り替え可能に

今回の変更では、コアのOSDに「Serial Route」という項目が追加されました。選択肢は「Internal」と「SNAC」のふたつです。「Internal」では、MiSTer内部のHPS UARTを利用してリンク通信の信号を扱います。通信速度は19200 baudに設定されています。

一方の「SNAC」では、ネオジオポケットカラーのリンク用シリアル信号をMiSTerのUSER IOへ直接ルーティングします。READMEに記載されている割り当ては以下の通りです。

USER IO信号
USER_IO[1]RX
USER_IO[2]TX
USER_IO[4]CTS
USER_IO[6]RTS

実際のコードでも、RXとCTSをUSER IOから入力し、TXとRTSをUSER IOへ出力する処理が追加されています。

ここでいうSNACは、一般的なUSBゲームパッドのようにOSやUSBを経由して入力を処理するのではなく、MiSTerのUSER IOを利用して実機周辺機器の信号をFPGA側と直接やり取りするための仕組みです。

今回はゲームパッドを接続するための対応ではなく、ネオジオポケット/ネオジオポケットカラーに存在した「リンクケーブル」の通信信号を扱っているところが大きなポイントです。

『SNK Gals’ Fighters』が参照するケーブル状態にも対応

リンク通信に関連して、ケーブルが接続されている状態をゲーム側へ伝えるための処理も変更されています。

コードではシステムレジスタのケーブル検出ビットに関する処理が追加されており、コメントでは『SNK Gals’ Fighters』がROM内でこのビットを確認している例も示されています。ケーブルがない状態では、同作が「LINK FAILURE」側の処理へ進むことも記載されています。

ただし、これはMiSTerのUSER IOに接続された物理ケーブルそのものを電気的に自動検出する仕組みと断定できるものではありません。今回の実装では、選択された通信経路に応じてコア内部のリンク接続状態をゲーム側へ伝える処理が追加された、と捉えるのがよさそうです。

現時点では新しいRBFは未公開

注意したいのは、今回の変更が公式リポジトリへマージされたからといって、すでに通常のupdate_allから利用できる状態になっているわけではないことです。

2026年9月2日の記事作成時点で、NGPC_MiSTerリポジトリの「releases」フォルダに置かれている最新のコンパイル済みファイルは「NGPC_20260824.rbf」です。今回のSNACリンク対応を含んだ新しい日付のRBFは、まだ確認できません。

また、MiSTer同士、あるいはMiSTerと実機のネオジオポケット/ネオジオポケットカラーを接続する際に必要となる具体的なケーブルや変換基板についても、READMEでは案内されていません。

USER IOの各ピンに実機用リンクケーブルをそのまま接続できるとは限らないため、配線や電圧などが確認されていない状態で直接接続するのは避けたほうがいいでしょう。

実際のゲームを使ったふたり通信の成功例についても、今回確認したPull RequestやREADMEだけでは確認できません。そのため、現段階では「すべてのリンクケーブル対応ゲームが通信可能になった」というよりも、ネオジオポケットカラーが持っていた通信インターフェースをMiSTerのUSER IOへ接続するための仕組みが公式コアへ組み込まれた、という開発ニュースとして見るのが適切です。

携帯ゲーム機の映像やサウンドだけでなく、本体同士をつないでいた通信端子までFPGA上で再現していくというのは、MiSTerらしい面白い展開といえそうです。今後、新しいRBFの公開や実際のリンク通信例が出てくるのかにも注目です。

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