2004年にゲームボーイアドバンス向けに発売された『ポケットモンスター エメラルド』を、Unreal Engine 5でゼロから再構築した無料ファンゲーム『Gamma Emerald』。そのEarly Access版が、2026年8月16日に公開されました。
本作は単純なROMハックではなく、ゲームエンジンを含めて新たに作り直しているのが大きな特徴です。開発者のUndreamedPanic氏によると、マップだけではなく戦闘システムもゼロから構築されています。
●Gamma Emerald – Early Access
https://undreamedpanic.itch.io/gamma-emerald-ea
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Unreal Engine 5で『ポケモン エメラルド』を再構築
『Gamma Emerald』は、『ポケットモンスター エメラルド』のストーリーやキャラクター、イベントなどをベースにしながら、Unreal Engine 5上でゲームそのものを作り直した非公式ファンプロジェクトです。
マップについても、ミシロタウンからキンセツシティまでのルートや建物内部をタイル単位で再構築。ゲームボーイアドバンス版を思わせるドット絵のキャラクターを活かしつつ、リアルタイムライティングなど現代的な表現が組み合わされています。
使用されているツールはUnreal Engine 5のほか、Visual Studio、Blender、Aseprite。開発の大部分はUndreamedPanic氏自身が担当しています。

現実の時間と連動した昼夜や「きのみ」システムも搭載
単純にグラフィックを作り直しているだけではなく、さまざまなシステムにも手が加えられています。たとえば昼夜の概念が導入されており、時間帯によって出現するポケモンが変化する場合があります。
「きのみ」も実際の時計と連動しており、新しいきのみが育つまで現実時間で8時間かかる仕組みになっています。
さらに手持ちの先頭にいるポケモンをフィールド上で連れ歩けるほか、「いあいぎり」などのひでん技についても、ポケモンに技として覚えさせる必要がなくなりました。必要な能力を入手した後に木や岩などを調べることで、パーティのポケモンが自動的に対応してくれます。
戦闘システムもゼロから開発
戦闘部分についても、オリジナル版のプログラムを利用しているわけではありません。ターン制のバトルシステムをゼロから開発しており、ポケモンの特性や持ち物、天候、状態異常なども実装されています。
一方で、完全にゲームボーイアドバンス版の仕様を再現しているわけではなく、「ぶつり」「とくしゅ」の分類については後の世代で採用された技ごとの分類方式を採用。計算式やルールについても第6世代をベースにしています。
Early Access版ではシングルバトルのみとなっており、ダブルバトルはまだ実装されていません。

なんとプレイヤー同士でポケモン交換も可能
さらに面白いのが、P2Pによるポケモン交換機能まで実装されているところです。インターネットを利用して友人同士でポケモンを交換できるため、色違いのポケモンを集めたり、図鑑完成を目指したりといった遊び方も可能になっています。
このほか、育て屋、ゲームコーナー、どこからでも利用可能なボックス機能なども用意されています。ゲームパッドにも対応しており、開発者はコントローラーでのプレイを推奨しています。

Early Access版ではジム3つまでプレイ可能
現在公開されているEarly Access版では、ミシロタウンからキンセツシティまでをプレイ可能です。ボリュームとしては約3~6時間で、カナズミジム、ムロジム、キンセツジムの3つのジムに挑戦できます。
3つのバッジを入手した後は、各町のポケモンセンター2階からトレーナーとの再戦も可能です。
キンセツシティより先については現在開発中で、ゲーム内でも先へ進めないようになっています。今後は続きのエリアに加えて、登場するポケモンや全国図鑑、ローカライズなども追加していく予定です。

2025年公開のデモ版とは別物なので注意
『Gamma Emerald』という名前を以前から知っている人は、少し注意が必要です。実は2025年5月にも同名のデモ版が公開されていました。こちらはホウエン地方とシンオウ地方の間にある謎の島を舞台にした独自ストーリーを収録した、いわば技術デモ的な作品でした。しかし、この旧バージョンの開発はすでに終了しています。
UndreamedPanic氏は2026年7月、旧デモで使用していたものとは別に「Gamma Engine」と呼ばれる新しいエンジンを構築したことを明らかにしています。今回リリースされたEarly Access版はこちらを使用したもので、『ポケットモンスター エメラルド』本編のストーリーを再構築した作品になっています。
旧デモのページにも現在は「THIS IS NOT THE EARLY ACCESS」と大きく記載されており、開発者も間違えてダウンロードしないよう呼びかけています。そのため、これから遊ぶ場合は新しいEarly Access専用ページからダウンロードするようにしましょう。
現在はWindows版を無料配布中
『Gamma Emerald』Early Access版はWindows向けに無料公開されています。現在配布されているファイルは約1.4GBで、本稿執筆時点の最新版はバージョン1.11.0です。推奨環境はWindows 10/11の64bit版、メモリー16GB、GeForce GTX 1060またはRadeon RX 580以上。ストレージには約5GBの空き容量が必要です。
初回起動時にはシェーダーのコンパイルが行われるため、起動まで数分かかる場合があります。なお、スマートフォン版は用意されていません。開発者によると必要なメモリー量などの関係から、AndroidやiOS向けビルドを提供する予定も現時点ではないとのことです。

まだ不具合も多いため、こまめなセーブを
見た目の完成度はかなり高い『Gamma Emerald』ですが、あくまでもEarly Access版です。公式ページでも低スペック環境ではエリアの読み込みに時間がかかる場合があることや、戦闘中に一時的な停止が発生する可能性などが既知の問題として紹介されており、開発者自身も「こまめにセーブする」よう呼びかけています。
公開後も短期間でアップデートが繰り返されており、現在も不具合修正が進められている段階です。

とはいえ、ゲームボーイアドバンスのROMを書き換えるのではなく、『ポケットモンスター エメラルド』のマップやバトルシステムをUnreal Engine 5上でゼロから再構築するというのは、なかなかスケールの大きなプロジェクトです。
しかも、現実時間と連動する昼夜やきのみ、ポケモンの連れ歩き、P2P交換など、単なるグラフィックのリメイクに留まらない機能も盛り込まれています。今後ホウエン地方全域が完成したときに、どのような作品になるのか楽しみですね。
なお、本作はNintendo、Game Freak、CreaturesおよびThe Pokémon Companyとは関係のない非公式ファンプロジェクトです。非営利で制作されており、開発者は本作に対する金銭も受け取っていないとしています。















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