【90年代PCゲーム男】超常自然現象を扱う特殊捜査官本格の活躍を描いた本格ホラーアドベンチャー『ノクターン・日本語版』

【90年代PCゲーム男】超常自然現象を扱う特殊捜査官本格の活躍を描いた本格ホラーアドベンチャー『ノクターン・日本語版』

ホラーアドベンチャーの決定版といえば、我が日本のカプコンが生み出した『バイオハザード』シリーズが有名だ。この『ノクターン』を一言で言うならば、まさにそのバイオハザードライクのようなゲームといえる。

だからといって、決してただの亜流ゲームに終わっているわけではない。画面の世界に吸い込まれてしまいそうな独特の世界観、緊張と恐怖の連続など、オリジナリティー溢れる魅力が詰まった作品なのだ。

このゲームの舞台となっているのは、1927年~1935年の古き良き時代。まるで、当時のギャングのような格好をしたストレンジャーがゲームの主人公だ。

彼の職業は、超常自然現象などが関係した事件などを扱う捜査官で、その母胎となるのがスクープハウスと呼ばれる特殊捜査機関である。主人公は、スクープハウスからの指令の元に、モンスター退治などの事件解決へと挑んでいくのだ。

徹底された時代設定とデティールが素晴らしい4つの物語を収録!

本作には、全部で4つのエピソードが収録されており、スタート時に選べるようになっている。それぞれのストーリーがとても良くできており、まるで連続もののTVシリーズを見ているかのような感じだ。

ゲームでよくあるような派手目な演出は避け、黒を基調としたシックな雰囲気を演出(※1)しているところも見所である。暗闇に蠢くモンスターや、雨嵐が吹き荒れるおどろおどろしいシーンなど、ホラーものの定番と言っていい演出が随所に散りばめられている。

モンスターもいきなり現れるだけではなく、一瞬画面に映ってその存在を知らしめるような、プレーヤーの恐怖心を煽りながら登場するところがニクイ。

ゲーム中のカメラワークは移動する場面ごとに切り替わり、まるで映画のワンシーンを見ているよう。ゲーム本体だけではなく、モノトーンのパッケージや、その中にオマケとして付属している吸血鬼の付け歯(※2)など、これを作ったゲームデザイナーの意気込みとこだわりがひしひしと伝わってくる作品だ。

操作方法はプレーヤーの好みや環境に合わせて変更可能

気になる操作方法だが、基本的にキーボードのみでも行うことが可能。ゲームパッドなどを利用すると、より操作が簡単になる。自分の好みにキーの変更も行える。これらのキーは、自分が変更したものも含めて「F1キー」を押すことで、いつでも確認することができる。

通常のセーブモード以外にも、クイックセーブモードも用意されている。曲がり角など、次の場面で何が起こるかわからないようなときには、これらを併用して挑むのがいいだろう。

ちなみに、今回の日本語版は吹き替えではなくすべて字幕が付けられている。オリジナルの雰囲気をそのまま楽しめ、まさにこの部分でも映画的な楽しみ方ができるといえる。

先に挙げたバイオハザードが、子供を中心とした若い世代に向けて作られている作品だとしたら、こちらは大人でも十分に楽しめる”ダーク”さを持っているといえる。真っ暗な部屋で、モニターの中に映る恐怖世界を秋の夜に堪能するというのも、なかなかいいものだ。

▲主人公の所属する秘密政府機関スクープハウスからの指示により、様々な冒険へと出かけていく。
▲もっとも基本的な武器となるピストル。連射が可能な45口径。レーザーで敵をターゲットすることが可能だ。これらの武器はいろんなとこで入手できるほか、もっと強力なアイテムも手に入れられる。
▲闇夜の雨のシーン。ホラー物のなんともいい感じが出ている。マップを移動中に、このように特別な物を発見すると、会話シーンが再生される。
▲ゲーム序盤とはいえども、モンスターはそこそこ強い。特に体力には気を付けながら戦っていきたいものだ。いざというときは、体力回復アイテムである、ドクターバッグを使おう。

※1
黒を基調としたシックな雰囲気を演出
黒をもっとも良く見せるためか、ゲームスタート時にモニターなどのキャリブレーション設定(色設定)を要求される。

※2
オマケとして付属している吸血鬼の付け歯なにやら昔ガチャガチャであったような、オモチャの付け歯が付属。

(高島おしゃむ)

ゲーム概要

タイトル:ノクターン・日本語版
メーカー:P&A
対応ハード:Windows 95/98/NT4.0
ジャンル:アドベンチャー
発売日:1999年11月5日
価格:8800円(税別)

必要環境
CPU:Celeron、Pentium II、Pentium IIIまたはAthlonプロセッサ266MHz以上
メモリ:64MB以上
HD空き容量:600MB以上
CD:4倍速以上
ディスプレイ解像度:4MB以上のメモリーを搭載したAGPカード
サウンド:DirectX6.1に対応したサウンドカード

Copyright 1996-1999 Terminal Reality Inc. All rights reserved.

こちらは、ゲームが発売された当時に書いた記事に一部加筆・訂正を加えたものです。データ等は当時のままになっています。
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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。