【90年代PCゲーム男】MSA公認British Rally Championshipを完全再現! ラリーゲームの決定版『Mobil1 Rally CHAMPIONSHIP』

【90年代PCゲーム男】MSA公認British Rally Championshipを完全再現! ラリーゲームの決定版『Mobil1 Rally CHAMPIONSHIP』

1999年はレースゲームの当たり年である。その中でもとりわけ目立ったのが、ラリーをテーマにした作品だ。どのゲームもそれぞれ優れたモノを持っているのだが、イマジニアから発売された『Mobil1 Rally CHAMPIONSHIP』は、その中でも特に注目したい作品である。

本作では、イギリス各島を舞台にしたMSA公認の公式BRC(British Rally Championship)の全6ステージからなるレースを楽しむことができる。ゲーム中に登場する22台のラリーカーは、すべて実際のBRCに登場するものだ。車自体の正確なモデリングはもちろんのこと、ゲーム中に聞くことの出来る車のサンプリングサウンドは、まさに実車さながらの迫力である。

本物同様、走り抜くことの厳しさを押してくれる豊富なモード

ラリーといえば、なんだか過酷な道を走り抜き脱落していくライバルをよそ目にひたすらゴールを目指すサバイバルゲームという印象が強い。だが、多くのラリーゲームは車の挙動に焦点を当て、実際に起こりうる煩わしい問題は簡略し、ゲーム性を高めているモノが多く、ラリーのリアルなイメージとのギャップがつきまとう。

この『Mobil1 Rally CHAMPIONSHIP』では、ちょっとしたコースアウトによる車のダメージなどの予期せぬ問題を、あえてゲームに取り込んでいるのだ。車が大きく転倒した場合などで、ダメージを受けるのは当然のことなのだが、そのダメージを受けるポイントにもランダムに発生するわけではない。

コーナリングで失敗し、木などのにぶつかるとフロント部分が負傷する。これは実際の車でも同様だ。無茶な走りは、徐々に車のダメージを大きくしていき、ついにはリタイアを余儀なくされることだろう。単にレースを走りきることもラリーでは難しいのである。ゆえに、ゴールに着いた時の喜びはこの上ないモノとなるのだ。

マルチプレイモードも強化されたゲームモード

本作には、大きく分けて3つのゲームモードが用意されている。ひとつは簡単にラリーの世界を楽しめるアーケードモード。もうひとつが、クラスA5、A6、A7のマシンが登場するMobil1英国ラリー選手権を正確にシミュレートした「シミュレーション1」と、クラスA8のマシンのみ登場する「シミュレーション2」のふたつのシミュレーションモードだ。

ヴォクゾール・ラリー・オブ・ウェールズから始まる6つのコースでラリーは行われ、最終的に総合1位を獲得するのが目的である。

そして、最後にマルチプレイモードだが、こちらはLANなどの対戦のほか、TCP/IPを利用したネットワークで最大8人でのネットワーク対戦が可能となっている。

▲ラリーカーの選択画面。車のデティールの細かさが目にしみるようだ。
▲砂埃りや石を舞い散らせながら道を進んでいく。簡単なナビゲートは、コ・ドライバーが指示してくれるほか、画面に表示されている地図でも確認が可能。分岐しているところもあるので、コースを間違わないようにしたい。
▲勝つためには速く走ることが重要だが、その速さに直接結びつくのが車のセッティングである。
▲車にダメージが発生した時に、メッセージが表示される。ラジエーターなどがイカれると、エンジンがオーバーヒートしやすくなるので注意が必要。ステアリングが壊れると、もはや操作不能である。
▲コースによっては夜間走行を余儀なくされるところもある。さらなる集中力が必用だ。

(高島おしゃむ)

ゲーム概要

タイトル:Mobil1 Rally CHAMPIONSHIP
メーカー:イマジニア
対応ハード:Windows 95/98
ジャンル:レース
発売日:1999年11月12日
価格:8800円(税別)

必要環境
CPU:Pentium II 200MHz以上
メモリ:32MB以上
HD空き容量:20MB以上
CD:4倍速以上
ディスプレイ解像度:DirextX6.1に対応した3Dグラフィックカード
サウンド:DirectX6.1に対応したサウンドカード

©1999 Actualize Ltd.and Magnetic Fields(Software Design) Ltd.

こちらは、ゲームが発売された当時に書いた記事に一部加筆・訂正を加えたものです。データ等は当時のままになっています。
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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。