【90年代PCゲーム男】1999年ラストを飾った2大FPS『Unreal TOURNAMENT 正規輸入版』VS『QUAKE III ARENA』

【90年代PCゲーム男】1999年ラストを飾った2大FPS『Unreal TOURNAMENT 正規輸入版』VS『QUAKE III ARENA』

1999年も残りわずかという12月。FPSファンが待ちに待った人気シリーズの最新作が2本登場した。

ひとつは『QUAKE III ARENA』。このシリーズは、現在の一人称視点アクションシューティング(FPS)の起爆剤になったともいえるタイトルで、今回はゲームの心臓部である「QUAKE III ARENAエンジン」(※1)に、最上級のテクノロジーがつぎ込まれており、さらに美しくリアルな世界が表現されている。

そしてもう1本が、この『QUAKE』シリーズのライバルともいえる『Unreal TOURNAMENT 正規輸入版』だ。前作はグラフィックスにあまりにも力を入れすぎたため、パフォーマンスがあまりよくなく、マルチプレーなどでは敬遠されがちだったが、今回はそれを徹底的に改良している。

今回紹介する作品のどちらとも、従来までのシングルプレーで見られたようなシナリオは用意されていない。その代わりに、BOTと呼ばれるコンピューターが操る敵とのバトルが楽しめるようになっている。

これは、マルチプレーとシングルプレーの比重が大きく変わってきているといことであろう。あくまでシングルプレーは、マルチプレーのための練習場というわけである。

宇宙一の栄冠手に入れるための究極のトーナメント開催!

ソースネクストが発売した『Unreal TOURNAMENT 正規輸入版』は、西暦2291年に宇宙の探鉱で頻繁に発生する暴動などに対応するために、そのはけ口として政府が開催したルール無用のデスマッチトーナメントである。

シングルの基本はBOTとの対戦だが、ゲームモードを6種類用意することにより、変化を付けているのが特徴的だ。さらに、この手のゲームを初めて遊ぶ人のためのチュートリアルも用意。一通りの操作を学んでから戦場へと向かう。

このゲームに登場するBOT達は、これまでのものとは比べものにならないぐらいに人間臭い動きをする。ときには強力なライバルとなり、さらにはチームメイトとしても一緒にプレーできるのだ。

これはマルチプレーでも利用でき、人数が足りないときなどにBOTを追加して戦うことも可能なのである。より美しく、そして強力になったこの新世紀トーナメントに参加し、すべての敵を倒していくのだ!

1999年ラストを飾った2大FPS『Unreal TOURNAMENT 正規輸入版』VS『QUAKE III ARENA』
▲コンピューターの操るBOTは、なかなか鬼のように強い。しかしそれも、人の操るキャラクターに比べると足下にも及ばないだろう。
1999年ラストを飾った2大FPS『Unreal TOURNAMENT 正規輸入版』VS『QUAKE III ARENA』
▲マップのいたるところに、武器や弾丸、パワーアップアイテムなどを拾うことができる。決まったところにアイテムが出現するので、早めに覚えてしまおう。
1999年ラストを飾った2大FPS『Unreal TOURNAMENT 正規輸入版』VS『QUAKE III ARENA』
▲武器によっては、自分自身もダメージを食らってしまう場合がある。武器の効果範囲をよく把握しておく必要がある。

マルチプラットフォームを実現した最高峰の3Dアクションゲーム

P&Aが発売した『QUAKE III ARENA』は、ウィンドウズシリーズだけではなく、MacintoshやLinuxなど各種のプラットフォームに対応したバージョンも同時開発されているFPSである。

『QUAKE』シリーズといえば、対戦がメインというイメージが強い。当然ながら本作でもそれは変わらない。インターネットに接続し、マルチプレーモードを選ぶだけで、世界中のQUAKEサーバーが表示されるようになっていた。

また、プレイヤーキャラクターを含めたBOTの種類の多さも特徴のひとつだ。ゲームには全部で32ものキャラクターが登場し、そのぞれぞれが独自の戦闘スタイルを持っている。なかには懐かしの『DOOM』(※2)に登場したキャラクターなども存在する。

ゲームもかなり軽く作られており、思いっきりプレイに集中できるのはさすがだ。プレイヤーのレベルに合わせて、BOTの強さを5段階で設定できるのも嬉しいところである。

1999年ラストを飾った2大FPS『Unreal TOURNAMENT 正規輸入版』VS『QUAKE III ARENA』
▲『Unreal』がソリッドな宇宙が舞台ならば、この『QUAKE III ARENA』はオドロオドロしいファンタジーといった感じだろうか。
1999年ラストを飾った2大FPS『Unreal TOURNAMENT 正規輸入版』VS『QUAKE III ARENA』
▲倒した敵はフラグという単位でカウントされる。最終敵に、一番早く特定のフラグ数を稼いだものが勝ちとなる。ちなみに、2秒間に2フラグ取ると、ドクロに羽根が生えたようなエクセレントマークが表示される。
1999年ラストを飾った2大FPS『Unreal TOURNAMENT 正規輸入版』VS『QUAKE III ARENA』
▲シングルでは、4ステージクリアごとに新しい面でプレーが可能となる。トップで勝つのはなんとも心地いいものだ。

(※1)
「QUAKE III ARENAエンジン」
俗にゲームエンジンと呼ばれるもので、ゲームの核となるプログラムライブラリーのことを指す。ゲーム全体のパフォーマスやグラフィックなどの演出にその威力を発揮する。これらのエンジン部分のみを、他社に供給することも頻繁に行なわれている。

ちなみに現在よく目にする「Unreal Engine」は、こちらで紹介してる『Unreal』シリーズのために開発されたものだ。

(※2)
『DOOM』
『QUAKE』シリーズの前身となる作品。はじめはシングルモードのみに対応したゲームであったが、その後のバージョンアップでモデムとネットワーク対戦機能を追加し、一気にブレイクした。『QUAKE』も登場したてのころは、DOOM系アクションゲームという風にいわれてい
た。

(高島おしゃむ)

ゲーム概要

タイトル:Unreal TOURNAMENT 正規輸入版
メーカー:ソースネクスト
対応ハード:Windows 95/98/NT2000
ジャンル:アクション
発売日:1999年12月23日
価格:オープンプライス

必要環境
CPU::Pentium 200MHz以上
メモリ:32MB以上
HD空き容量:120MB以上
CD:4倍速以上
ディスプレイ:DirectX6以降に対応したグラフィックカード
サウンド:ウィンドウズに対応したサウンドカード

UnrealTM Tournament ©1999 Epic Games, Inc. All Rights Reserved. Created by Epic Games, Inc. In collaboration with Digital Extremes. Published and distributed by GT Interactive Software Corp. Unreal and the Unreal logos are trademarks of Epic Games, Inc. All other trademarks are the property of their respective companies.

ゲーム概要

タイトル:QUAKE III ARENA
メーカー:P&A
対応ハード:Windows 95/98/NT4.0
ジャンル:アクション
発売日:1999年12月18日
価格:6800円(税別)

必要環境
CPU::Pentium 233MHz以上
メモリ:64MB以上
HD空き容量:25MB以上
CD:4倍速以上
ディスプレイ:8MB RAM搭載のグラフィックカード
サウンド:DirectX3.0以上100%互換サウンドカード

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。