1989年に登場し、数多くのパソコンやコンシューマー機に移植されたアクションアドベンチャー『プリンス・オブ・ペルシャ』。今でこそモーションキャプチャー技術(※1)の普及化などで当たり前になってきたが、この当時、人のリアルな動きを再現したゲームはとても珍しかったものだ。
その素晴らしいアニメーションに加えて、制限時間内に複雑なダンジョンを飛んだりはねたり、時には敵と戦い、時には巧妙に仕掛けられたトラップをかいくぐったりと、アクションアドベンチャーの元祖ともいえるような要素がたくさん詰め込まれていた。
大ヒットした1作目に続き、1994年には第2弾となる『プリンス・オブ・ペルシャ2』が登場。そして1999年9月22日に、3D技術を駆使して作られた『プリンス・オブ・ペルシャ3D』が、ザ ラーニング カンパニーより発売された。
オリジナルの面白さを保ちつつ進化したゲームシステム
本作の目玉はなんといっても、あのプリンス・オブ・ペルシャの世界を3D化してしまったところにある。ゲーム性は前回までのシリーズとほぼ同様。このゲームのウリでもある、残虐なトラップも多数用意されているのだ。
たとえば、回転する鋭い刃が突然壁から出てきて、プリンスの首と胴体を一瞬のうちに切り離してしまう罠など、極悪非道な仕掛けが所々に設置されている。なんだか3Dになったことで、キャラクターの死に方までリアルに感じてしまうところがすごい。
ちなみに、これらゲームに登場するすべての3Dキャラクターには、モーションキャプチャー技術は一切使われていない。シリーズ1作目同様に、すべての動きをひとつひとつコントロールしながら作り上げているのである。まさに、昔気質の職人がゲーム作りに掛けた意地といったところであろうか。
本作のもうひとつの魅力として、マップに仕組まれた謎を解いていくといったパズル的な部分に加え、生死をかけた格闘モードが上げられる。実際の戦闘には武器が必要で、これらは冒険をしていくうちに手に入れることが可能だ。
プリンスが装備できる武器には、オーソドックスな剣や弓矢、そして強力な攻撃力を誇るダブルブレードなど様々な種類のアイテムが用意されている。
プリンスの前に立ちはだかる敵キャラクターは、プレーヤーの戦闘スタイルを研究し反撃してくる人工知能が採用されており、毎回同じスタイルで戦えば勝てるというわけではない。戦えば戦うほどに、プレーヤースキルが問われていくのだ。
名作シリーズの名の通り、なかなか歯ごたえのある内容である。
※1
モーションキャプチャー技術
人の関節などにポイントを付け、それをコンピューターに読み込みリアルな動きを再現できる技術のこと。人の生々しい動きをそのまま再現できるところから、ゲームや映画で使われるコンピューターグラフィックスで利用されている。
(高島おしゃむ)
ゲーム概要
タイトル:プリンス・オブ・ペルシャ 3D
メーカー:ザ ラーニング カンパニー
対応ハード:Windows 95/98
ジャンル:アクションアドベンチャー
発売日:1999年9月22日
価格:7800円(税別)
必要環境
CPU:Pentium MMX 233MHz以上
メモリ:64MB以上
HD空き容量:400MB以上
CD:4倍速以上
ディスプレイ解像度:640×480 65536色(8MB以上のメモリ搭載のPCIまたは AGP3Dアクセラレータ)
サウンド:DirectX6.1に対応したサウンドカード
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