『Steam Deck(スチームデック)』は、あまりにも出来ることが多すぎて、すっかり後回しになっていましたが、ようやく購入前から試してみたかった『EmuDeck』をセットアップすることができました。
この『EmuDeck』は、『Steam Deck』でエミュレターを使用するためのサポートツールです。アプリのインストールからアスペクト比などパフォーマンスの調整などを、ある程度行ってくれます。
今回はそのセットアップ方法を、ステップバイステップでご紹介していきます。
目次
『EmuDeck』をセットアップ
まずは下準備をしておきます。エミュレーターで使用するROMやBIOSはセットアップの途中で用意してもいいですが、まず必要になるのがインストール先のストレージとなるmicroSDカードです。内蔵のSSDにインストールすることは可能ですが、貴重なストレージ容量でもあるので、比較的安価に入手できるmicroSDカードはオススメです。
ちなみに筆者は、アマゾンで512GBのものを6480円で入手しました。
『EmuDeck』をインストール開始する前に、本体でこのmicroSDカードをフォーマットしておきます。準備が整ったら『Steam Deck』をデスクトップモードに切り替えて、ブラウザで下記のサイトにアクセスします。そこから、『EmuDeck』のインストーラーをダウンロードしましょう。
●EmuDeck公式サイト
https://www.emudeck.com/
ファイルのダウンロードが終わったら、デスクトップにコピーします。
デスクトップにコピーが終わったら、インストーラーをクリックして起動しましょう。するとメニューが起動します。この『EmuDeck』のセットアップではいくつかの引っかけポイントがありますが、そのひとつがこちら。つい「Easy Mode」を選びそうになりますが、ここは「Custom Mode」を選びます。
続いてインストール先を選択します。ここでは「SD Card」を選びましょう。このときに、フォルダの場所も表示されているので、それを覚えておきます。選択したら「Continues」をクリックします。
どのデバイスにインストールするのか表示されるので、「Steam Deck」を選び「Continues」をクリックします。
次にインストールするエミュレーターを選択します。デフォルトの状態では、『Ryujinx』と『Rosalle’s Mupen Gui』、『MAME』、『mGBA』が選択されていません。それぞれ必要に応じて、インストールするものを選択しましょう。
ちなみに各エミュレーターは以下に対応しています。
『EmuDeck』でインストールできるエミュレーター
■RetroArch
3DO、Amiga、Amiga 600、Amiga 1200、Amiga CD32、Atari 2600、Atari Lynx、Doom、DOS、Final Burn Neo、MAME 2003 Plus、MAME Current、NEC TurboGrafx-16、NEC TurboGrafx-CD、Neo Geo Pocket & Color、 N64、NDS、ゲームボーイ、GBA、GBC、NES、セガ32x、セガCD、ドリームキャスト、ゲームギア、ジェネシス/メガドライブ、マスターシステム、サターン、PS1、PSP、SNES、ワンダーズワン&カラー、ZX Specturmなど
■Primehack
ゲームキューブ&Wii(モダンメトロイド プライム トリロジー)
■Dolphin
ゲームキューブ&Wii
■Citra
ニンテンドー3DS
■Cemu
Wii U
■Yuzu
Nintendo Switch
■Ryujinx
Nintendo Switch
■PPSSPP
PSP
■Vita3K
PlayStation Vita
■Duckstation
PlayStation
■PCSX2 QT
PlayStation 2
■RPCS3
PlayStation 3
■Xemu
XBOX
■MAME
アーケードゲームなど
■ScumVM
クラシックなポイント アンド クリック アドベンチャーゲームやRPG
■Rosalle’s Mupen Gui
NINTENDO 64
■mGBA
ゲームボーイアドバンス、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー
インストールするエミュレーターを選んだら、アスペクト比などを選んでいきます。基本はデフォルトのままでOKで、登録が必要なものはスキップします。
後半、『EmulationStation DE』のテーマが3タイプから選べるようになっています。
インストールが完了すると、USBメモリーをさしてROMとBIOSファイルを転送するアナウンスが表示されます。
とりあえずセットアップを先に進めいたい人は、下記まで読み飛ばしてください。
●『Steam Deck』にエミュレーターとROMを設定する
各エミュレーターのROMとBIOSを設定
続いて各エミュレーターのROMとBIOSをmicroSDカードにコピーしましょう。EmuDeck 2.1からはUSB経由でROMやBIOSの転送が可能となりました。こちらで紹介している方法は旧バージョンで行っていたときの手順で、FTPで直接ファイルの転送を行っています。
やりかたについては下記の記事を参考にしてみてください。
それぞれのエミュレーターごとに、ROMやBIOSの場所が異なります。ちなみに先ほど表示されていましたが、FTPでフォルダにアクセスするときは下記がmicroSDカードの場所になっているので覚えておきましょう。
/run/media/***SDカード
たとえばBIOSのフォルダは下記のような場所になります。
/run/media/***SDカード/Emulation/bios
以下、エミュレーターごとの設定フォルダをご紹介します。
■RetroArch
各コアごとの設定は下記を参照してください。
https://github.com/dragoonDorise/EmuDeck/wiki/Retroarch#list-of-retroarch-cores-used-by-emudeck
■Primehack
ROMの場所:Emulation/roms/primehacks
BIOS:不要
■Dolphin
ROMの場所 (ゲームキューブ):Emulation/roms/gc または Emulation/roms/gamecube
ROM の場所 (Wii):Emulation/roms/wii
BIOS:不要
■Citra
ROMの場所:Emulation/roms/3ds または Emulation/roms/n3ds
BIOS:不要
■Cemu
ROMの場所:Emulation/roms/wiiu/roms
BIOS:不要
■Yuzu
ROMの場所:Emulation/roms/switch/
■Ryujinx
ROMの場所:Emulation/roms/switch/
■PPSSPP
ROMの場所:Emulation/roms/psp
BIOS:不要
■Vita3K
ROM の場所: /Emulation/roms/psvita/InstalledGames
InstalledGamesは へのシンボリック リンクです /Emulation/storage/Vita3K/uxo/app
■Duckstation
ROMの場所:Emulation/roms/psx
BIOSの場所:Emulation/bios(フォルダのトップに配置)
■PCSX2 QT
ROMの場所:Emulation/roms/ps2/
BIOSの場所:Emulation/bios(フォルダのトップに配置)
■RPCS3
ROMの場所:Emulation/roms/ps3
■Xemu
ROMの場所:Emulation/roms/xbox
BIOSの場所:Emulation/bios
■MAME
ROMの場所:Emulation/roms/arcade
BIOSの場所:Emulation/roms/arcade
■ScumVM
ROMの場所:Emulation/roms/scummvm
『Steam Deck』にエミュレーターとROMを設定する
ROMとBIOSの配置が終わったら、「Open Steam ROM Manager」を選び、「Steam ROM Manager」を起動します。
以前までとはまったく異なるUIが表示されます。「Tools & Stuff」の中に「Steam ROM Manager」があるので、その中の「Launch」をクリックしましょう
このときに、ミニウインドウが開くのですが、メニューの背面側に出てしまい気が付かないことがあるので注意が必要です。ここでは「Yes」を選択します。
セットアップするリストが表示されるので、必要なものを青いチェックが入るようにクリックしていきます。チェックが入れ終わったら、「Preview」をクリックします。
ゲームの解析をするために、青い「Parse」と書かれたボタンを押し、全てのアートワークがダウンロードされるまでしばらく待ちましょう。
すべての画像のダウンロードが終わったら、最後に「Save to Steam」をクリックして終了します。
ゲームモードでチェック
ここでゲームモードに切り替えましょう。すると、ライブラリの「インストール済み」と「非STEAM」の間に、新たに「コレクション」というタブが追加されています。
それぞれのゲームも、ものによっては自動でアートワークが設定されます。アートワークが無い場合や、別のモノに変更したいときは、以前ご紹介した方法で設定することも可能です。
個別でエミュレーターのゲームを起動してもいいのですが、ランチャーソフトの『EmulationStation DE』を見つけて起動することをオススメします。こちらでは、よりわかりやすいインターフェイスでゲームが選択できるようになります。
エミュレーターの動作は概ね良好
というわけで、いくつかのエミュレーターを軽く触ってみましたが、ほとんどのゲームがかなり快適に動いていました。がっつり遊ぶときはいろいろと設定などもした方がいいかもしれませんが、突き詰めていけば自分だけの最強のゲーム環境を作り上げることができそうです。
EmuDeck 2.1になり、セットアップの手順も大きく変化しました。こちらの記事も随時アップデートしていきます。