【90年代PCゲーム男】エジプトを舞台にした大人気アクションアドベンチャー『トゥームレイダー:ラスト レベレーション』

【90年代PCゲーム男】エジプトを舞台にした大人気アクションアドベンチャー『トゥームレイダー:ラスト レベレーション』

※この記事は1990年代に雑誌用に書かれたものを再編集して収録したものです。

全世界で1600万本を売り上げた怪物ソフト

このゲームは、様々な遺跡を探検し、幻の秘宝を目指して大冒険する人気アクションアドベンチャーの最新作だ。タイトルから察しが付く人もいることだろうが、大ヒット映画のスティーブン・スピルバーグが監督したインディ・ジョーンズシリーズの主役を、美しい若い女性に置き換えたような作品である。というとただの亜流っぽい感じもするが、馬鹿にしてはいけない。これまで発表されたシリーズは、本作発売の時点で世界累計本数は1600万本にも及ぶ。パソコンだけではなく、プレイステーションなどのコンシューマーマシンにも移植されており、幅広い年齢層にうけているのだ。

たしかに、『レイダース(失われたアーク)』のような映画を見た後は、その感動をふたたび違う形で味わいたいと思うのが人の心理であろう。このゲームは、そんな思いを手っ取り早くパソコンのモニタ上で実現させてくれると言うわけだ。

『トゥームレイダー:ラスト レベレーション』(以下TOMB4)は、シリーズとしては4作目にあたる。主人公の名は、ララ・クロフト。イギリスヘンシングリー・クロフト卿の娘として生まれた彼女は、幼少の頃は貴族の娘としての教育を受けて育った。富みも名誉も約束されていた彼女であったが、21歳のときに人生の転機が訪れるのである。当時結婚まで決まっていたララだったが、大学の旅行中、帰国のために乗った飛行機がヒマラヤの山中に墜落。唯一の生存者として生き残った彼女は、厳しい世界にたったひとりとりのこされてしまったのである。

2週間にも及ぶサバイバル生活の末に、ようやくトカケリビー村を発見し命を救われたのであった。この2週間で、彼女の中に与えた衝撃はかなりのものであった。それまでの堅苦しい上流社会に嫌気がさしたララは、世界中を飛び回り遺跡を探索する旅に出たのだ。冒険の旅費は、古代遺跡に関する執筆業でまかない、ジャーナリストとしての名誉も広めていったのである。

と、ざっとではあるが、主人公の簡単な経歴を紹介してみた。これはあくまでも、ゲームの中の設定だが、ララの魅力はゲームの中だけにはとどまらなかったのである。彼女がアメリカの雑誌の表紙を飾ったのは、100誌以上。香港やニュージーランドなど多国籍に渡るテレビコマーシャルにも出演。さらには、実写版の映画まで製作されている。

よく、映画とのタイアップやそこから生まれるゲームというのは良く聞くが、ゲームの人気の凄さに映画まで作ってしまうというのは、いささか驚かされる。

やや前置きが長くなってしまったが、上記のバックストーリーなどは、この本作がいかに世間の注目を浴びているかの証だともいえよう。ちなみに、今回の『TOMB4』で登場するララは、なんと16才。本作品で、後のトゥームレイダーとなる彼女のルーツを垣間見られるというわけである。

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▲ルック機能であたりの状態を確認。体が半透明で表示されるため見やすい。

アクションとパズルの融合がゲームの面白さを引き出す!

トゥームレイダーシリーズの面白さは、主人公ララのアクション性の高さにある。前や後ろ、左右に宙返りしながらジャンプをしたり、様々な武器を駆使し、猛獣などをうち倒していく様は、かなり痛快である。これらの動作をいきなりやるのは難しいが、初めて遊ぶ人のために基本的な動作を学べる練習モードもしっかりと用意されている。シリーズを重ねていくごとに、グラフィックなどの美しさと共にララのアクションも増えてきたが、面白さやゲーム性という部分では変化が無いというのは、素晴らしいことだ。

【90年代PCゲーム男】エジプトを舞台にした大人気アクションアドベンチャー『トゥームレイダー:ラスト レベレーション』
▲ジャンプなどの激しいアクションは、すでに基本技といった感じだ。

『TOMB4』で新たに追加されたアクションとして、ロープの使用、ドアを蹴り破る、バールでこじ開けるなどに加えて、これまでのシリーズにはなかった新しいレバー操作を使ったスイッチなどがあげられる。このシリーズ全作品に共通していえることだが、よくあるタイプのアクションゲームとは違い、ただ飛んだり跳ねたり、敵を倒しているだけではステージをクリアすることは不可能だ。

各ステージごとには、様々なトラップや謎が仕掛けられており、それをすべてクリアしなければどこにも進めなくなるか、最悪の場合死が待っているのである。この、マップに仕掛けられたパズル的要素を、いかにプレーヤーが解いていくかという、制作者側との駆け引きを楽しむゲームでもあるのだ。

どうしても息詰まってしまったときは、一度初心に返りステージの初めからやり直してみるといい。思わぬところで、これまで気が付かなかったアイテムなどを見つけて、なんなくクリアできるということもあるのだ。

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▲銃で撃つと、壊れるアイテムなどもある。
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▲サソリに毒を食らったところ。画面が歪んで、体力が徐々に減っていく。
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▲炎の精霊に追いかけられているところ。かなりのダメージを食らうので注意。倒すことは出来ないが、水に飛び込むことにより消滅させられる。

メニューリング大変更によるゲームに新しい要素を追加

これまでのシリーズでは、メニューリングを表示することにより体力回復アイテムの使用や、武器の変更、さらにはゲームのセーブやロードなどシステムに関する操作を行うことができた。『TOMB4』でも基本的にできることは同じだが、さらなる要素としてアイテムの結合とララの日記が加えられている。特に前記のアイテムの結合は、このゲームのもっとも特徴的な部分といえる。

例えば、アイテム選択画面でリボルバーを選び、それと結合させるアイテムとしてレーザーサイトを選択する。これによって出来た武器には、レーザーポイントによる照準を合わせながら弾丸を撃ち込めるリボルバーへと変わるのだ。テンキーの0を押すことにより照準が現れるので、ねらいを定めて的確に目標を攻撃することが可能となる。

ララを襲ってくるモンスターの中には、普通に銃で撃つだけでは倒せないものもいる。スケルトンなどはこのレーザーサイトリボルバーを使い、頭を狙い撃つことによって倒すことができるのである。

ちなみに、この作品では敵キャラの数が増やされており、これらのモンスター達との格闘も堪能できるのだ。モンスター達は、闇雲に攻撃してくるわけではなく、ララの動きに反応し、それに応じた攻撃を仕掛けてくる。個々のモンスターに合わせた戦術が必要になるのである。

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▲アイテムが扉を開くキーになることも多い。

美しさと違和感の無い演出を実現した新しいテクノロジーを導入

グラフィックボードやDirectXの進化のおかげか、ここ最近発売されたゲームのグラフィックは素晴らしいものばかりだ。当然ながら、この作品にもそれらのテクノロジーの良い部分は活かされている。最近のアイドス作品に多く見られるが、ゲーム中にムービーが流れることがある。従来までのゲームならば、ここでゲームの流れが止まってしまいストレスが溜まるばかりであった。これを、違和感無く、ゲームの一場面としてスムーズに見せるストリーミング機能が本作にも採用されている。

また、ララのグラフィックをさらに良く見せるために、シングル・スキン・テクノロジーという技術を導入。ひざやひじなどをポリゴンで表現する場合に、どうしても気になってしまう関節部分の切れ目が見えなくなっているのだ。

バックとなる背景部分の演出にも気を使っており、バンプマッピングや環境マッピングなどを使い、さらにリアル感を出している。このほかにも、ララがあたりを見回すときには、全身が透けて見える半透明処理が施されているなどの、ユーザーインターフェイスを考慮した改良が随所に見受けられる。

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物を壊してアイテム入手

『トゥームレイダー』では、武器で壺などのアイテムを破壊することができます。中には、弾薬など冒険を続けていくうえで、役立つアイテムなども手に入れることができるでしょう。

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▲木で打ち付けられているところは、ショットガンなどで撃ち壊すことが可能。こういった場所にもアイテムが置かれている。

無敵モンスターの倒し方

スケルトン

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▲イベントリーを表示して、リボルバーを選択。そのときに「COMBINE」を選び、レーザーサイトを選ぶと標準付きリボルバーが完成する。
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▲照準付きリボルバーを構え、ルックキーを押すとスコープが表示される。これでスケルトンの頭を撃つと倒すことができる。

キーアイテムを入手

このゲームのパズル的要素として、ある扉を開けるのにキーとなるアイテムを使用するときがあります。別の場所から拾ったアイテムなどを付けたり、アイテム同士を結合させて作ったりと、様々なパターンが存在します

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▲↑+Alt+Ctrlキーを同時に押し、上の段に飛び移ろう。
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▲イベントリーから「Clowbar」を選び、キーアイテムを取ることができる。

ゲーム概要

タイトル:トゥームレイダー:ラスト レベレーション
メーカー:アイドス・インタラクティブ
価格:8800円

必要スペック:
OS:Windows95以上
CPU:Pentium MMX 233MHz以上
必要メモリー:32MB以上
ビデオカード:DirectX6.1に対応したビデオカード

ゲームの難易度
Level2

◎・・・新しく追加されたアクションが楽しめる
○・・・画面が美しい
×・・・ステージが短い

ABOUT US
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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。