【90年代PCゲーム男】韓国生まれのリアルタイムストラテージ『東方幻想戦記 EAST』

アイドス・インタラクティブより、アジアンテイスト溢れるリアルタイムストラテージ『東方幻想戦記 EAST 』が1999年7月23日に発売された。このゲームの開発元は、なんと韓国。

ご存じない方も多いだろうが、当時から韓国でのPCゲームの勢いは目を見張るものがあった。街にはPCゲームが遊べるゲームハウス(※1)が建ち並び、気軽にPCゲームを楽しむ環境も整っていたのである。

このゲーム以外にも、オンラインRPGなど韓国で生まれたゲームが続々と日本に進出していた。そんな肥えた環境の中で生まれただけのことはあり、洗練されたゲームシステムが取り入れられている。

中身は硬派だが、テイストは珍味!?

リアルタイムストラテージ(※2)といえば、『エイジ オブ エンパイア』や『スタークラフト』を思い浮かべる人が多いだろう。このゲームはどちらかというと、前者のほうに近い。

見た目では想像しにくいかもしれないが、ほかのゲームの良いエッセンスを取り入れてオリジナリティを出していると行った感じだ。

プレイヤーはまず、農夫を増やしていき、建物やユニットの元となる資源を集めていく。ゲーム序盤で作れるユニットの種類は限られるが、様々な建物を建てていきレベルアップしていくことによりその種類も増えていくのだ。

ゲームに登場する国はふたつ。ドワーフや重騎士といった西洋ファンタジー系種族の龍王国と、僧兵や忍者などのアジア系部隊がそろった鳳凰国である。なぜ、ドワーフと忍者が戦うのか? というような、ユニットの食い合わせが面白い。まさにアジアの珍味とでもいえる作品だ。

このゲームでは、最大4人まで同時参加可能なマルチプレーモードと、ストーリーごとに13のマップと合計26のステージが用意されているシナリオモードがある。シナリオモードはなかなか面白く、ステージごとにプレーヤーを驚かすようなストーリーが用意されている。

また、マルチプレーもなかなかユニークで、対人でパーティーを組んで戦うだけではなく、同盟者にコンピューターが選べるようになっていた。マルチプレーに慣れていないうちは、コンピュータとチームを組んで、敵コンピュータチームを蹴散らすといった練習もできたのである。

▲ゲームスタート直後は、とにかく農夫を生産し資源をかき集める。
▲徐々に建物を増やしていくことにより、作れるユニットの種類や魔法が使えるようになる。
▲この手のゲームは、敵陣地を攻め落としている時が最高に面白い。
▲魔法はかなり強力だが、味方ユニットも巻き添えにしてしまう危険も。使用の際には気を付けたい。

※1
ゲームハウス
日本でいうところの、ゲームセンターのようなところ。PC房(バン)とも呼ばれている。インターネットにも接続されており、1時間100円程度で遊ぶことが可能。韓国では、家庭のPC普及率はあまり高くないが、こういった施設が街のあちらこちらにあるため、オンラインゲームの需要は当時からかなり高かった。ちなみに、PCゲーマーの約7割は自宅にパソコンがなかったらしい。

※2
リアルタイムストラテージ
各プレーヤーがリアルタイムにユニットや施設を建造、攻撃するタイプのシミュレーションゲーム。俗にRTSと略されることもある。これに対し、交互に戦術を進めていくのはターン制シミュレーションと呼ばれている。

(高島おしゃむ)

ゲーム概要

タイトル:東方幻想戦記 EAST
メーカー:アイドス・インタラクティブ
対応ハード:Windows 95/98
ジャンル:シミュレーション
発売日:1999年7月23日
価格:8800円(税別)

必要環境
CPU:Pentium 166MHz以上
メモリ:16MB以上
HD空き容量:80MB以上
CD:4倍速以上
ディスプレイ解像度:640×480 256色(DirextX6.1に対応したグラフィックカード(V-RAM 2MB以上))
サウンド:DirectX6.1に対応したサウンドカード

Published by Eidos Interactive KK under sublicense from SKC Co., Ltd.
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こちらは、ゲームが発売された当時に書いた記事に一部加筆・訂正を加えたものです。データ等は当時のままになっています。
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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。