マルチプラットフォーム対応のレトロゲーム向けフロントエンド「NeoStation」のBeta 0.14.0+130が公開されました。GitHubでは9月27日19時07分にリリースされたと表示されており、日本時間では9月28日4時07分ごろの公開となります。
今回のアップデートでは、クラウドセーブ機能「NeoSync」で発生していたセーブデータの巻き戻りや重複登録を防ぐための修正が行われたほか、NeoStation起動後にネットワーク接続が復帰した場合のセッション回復機能も追加されています。さらに、SDカードなどに設定したROMフォルダーが一時的にマウントされていない場合でも、登録済みのゲームをライブラリーから削除しないよう処理が変更されました。
NeoStationは、Windows、Linux、macOS、Androidに対応したエミュレーション用フロントエンドです。NeoStation自体がゲーム機をエミュレーションするのではなく、RetroArchや各種単体エミュレーターと連携し、複数のゲーム環境をひとつのライブラリーから管理・起動できるようにするソフトウェアとなっています。
●NeoStation Beta 0.14.0+130公式GitHub Release
https://github.com/misobadev/neostation-frontend/releases
NeoSyncで発生していたセーブの巻き戻りや重複を修正
Beta 0.14.0+130で特に注目したいのが、クラウドセーブ機能「NeoSync」の修正です。開発側によると、同じゲームのセーブデータがクラウド上で複数のエントリーとして登録されたり、新しいはずのセーブが古い内容で上書きされ、ゲームの進行状況が巻き戻ってしまうケースが報告されていました。
原因のひとつは、NeoStationのバージョンやOSなどによってセーブデータを識別するための情報が変化し、実質的には同じセーブであっても別のデータとして扱われていたことでした。また、どちらが新しいセーブなのかを判断するときに、実際のファイル更新日時ではなくクラウドへアップロードされた時刻が使われるケースがあったことも問題につながっていたようです。
今回の修正では、実際の保存先とファイル種別を基準にセーブデータを識別する方式へ変更。競合が発生した場合にはセーブ内容の更新日時を使用して新旧を判断し、ローカル側のデータを優先する仕組みも導入されています。
さらに、クラウドからダウンロードしたデータで既存ファイルを上書きする前には「.neosync.bak」というバックアップファイルを作成する処理も追加されました。過去に作られた重複データについても整理する処理が盛り込まれており、複数の機器でNeoSyncを利用しているユーザーにとっては重要度の高い改善といえそうです。
起動時にネットがなくても、接続後にNeoSyncとRetroAchievementsを自動回復
ネットワーク関連でも修正が行われています。これまでNeoStation起動時にWi-Fiなどのネットワークがまだ利用できない状態だった場合、RetroAchievementsがオフライン表示のままになったり、NeoSyncがログアウトしたような状態になり、その後ネットワークが復帰しても自動的にセッションが回復しないケースがありました。
とくにAndroid搭載の携帯ゲーム機でNeoStationをホームランチャーとして使用している場合、本体起動直後はNeoStationのほうがWi-Fi接続より先に立ち上がることがあります。そのため、一度ログアウトして再ログインするまでNeoSyncなどが利用できない状態が続くことがあったようです。
Beta 0.14.0+130では、ネットワークが利用できるようになったあとにRetroAchievementsやNeoSyncのセッションを再確認する仕組みを追加。NeoSyncでは保存されている認証情報を利用してセッションの回復を試みるため、ネットワークの復帰だけで再び利用可能になるよう改善されています。
SDカードが認識される前に起動してもゲームを削除しないように
もうひとつ実用面で大きな変更となっているのが、ROMフォルダーのスキャン処理です。
これまでは、SDカードや外付けドライブなどにROMを保存している環境で、NeoStationがストレージのマウント完了前にスキャンを開始すると、フォルダー内にゲームが存在しないと判断される場合がありました。その結果、登録済みゲームがライブラリーから削除され、次回起動時に再登録されるという問題が発生していました。
単純にゲームが一時的に消えるだけではなく、再登録されたゲームでは「非表示」にしていた設定やコレクションへの登録情報なども失われるケースが確認されています。実際に報告された環境では、内蔵ストレージとmicroSDカードの両方にROMを保存し、NeoStationをAndroidのホームアプリとして利用していたときに発生していたとのことです。
今回の修正では、既存のゲームが登録されているROMフォルダーがまだ利用可能になっていない場合、すぐに「ROMが削除された」と判断しないよう変更されています。起動時にはストレージが利用可能になるまで一定時間待機し、それでもマウントされなかった場合は、そのフォルダーに登録されているゲームを削除せず、利用可能なほかのフォルダーだけをスキャンする仕組みになりました。
ログのExportやRomM、macOS版なども改善
このほかBeta 0.14.0+130では、「About」メニューからログをExportできる機能が追加されています。不具合が発生したときにログを取り出しやすくなったため、開発者へのバグ報告やトラブルシューティングにも利用しやすくなりそうです。
エミュレーター関連では不足していたRetroArchコアが追加されたほか、macOS版ではRyubingをsandboxの外部で起動するための修正も行われています。また、「System Art」のパックをNeoAssets catalogから取得する仕組みが導入されました。
RomM関連では、カバー画像の取得処理に上限を設け、存在しない画像を繰り返し問い合わせないよう改善されています。このほかScreenScraperの項目が「Settings > Metadata」へ移動し、検索機能の配置変更やコントローラーのスティック感度変更時の問題など、UIや操作周辺にも複数の修正が加えられています。
0.13の「機能拡充」から、0.14では安定性を重視
当サイトでは9月20日に、ひとつ前のBeta 0.13.0+129について紹介しています。0.13ではRomMの検索・閲覧機能高速化や、PrimeHack、MAME 2015/2016など対応エミュレーター/RetroArchコアの拡充が大きなポイントとなっていました。
それに対して今回のBeta 0.14.0+130は、新しいエミュレーターへの対応そのものよりも、クラウドセーブの保護やネットワーク復帰、外部ストレージを利用しているときのライブラリー維持など、日常的な利用時に発生し得るトラブルの防止に重点が置かれています。
とくにNeoSyncを複数端末で利用している場合や、Android携帯ゲーム機でmicroSDカードにROMを保存している場合は、今回の変更による恩恵が大きそうです。
NeoStation Beta 0.14.0+130は、公式GitHubのReleasesページから入手できます。なお、現在もBeta版として提供されているため、重要なセーブデータについてはNeoSyncだけに頼らず、必要に応じて別途バックアップを取ったうえで利用したほうがよさそうです。
















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