遊んでみたら想像以上に知的な戦略ゲームだった! ひと粒で2度おいしいゲームボーイソフト『海戦ゲーム レーダーミッション』レビュー

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昔から知ってたものの、特にリアルでは遊ぶ機会もなく実際にどんなゲーム性なのかそれほど理解していなかったもののひおっつに『海戦ゲーム(バトルシップ)』というのがあります。これはふたりで遊ぶアナログゲームで、それぞれに配置した戦艦の位置を推測してミサイルを発射して沈めていくといったものです。

最初に登場したのは第一次世界大戦のころで、当時は紙と鉛筆を使用して遊んでいたそうですが、その後1930年代あたりから様々なメーカーから製品としてリリース。1967年にはミルトン・ブラッドリー・カンパニーよりプラスチック製のボードゲームが発売され、現在でも様々なメーカーが同様のゲームを発売しています。

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ちなみに日本でもカルト的な人気のある映画『バトルシップ』が2012年に公開されていますが、こちらはただ名前が同じということではなく上記のボードゲームが元になっています。

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▲映画『バトルシップ』もボードゲームが元ネタだった!?

各社から発売されてきたビデオゲーム版『海戦ゲーム』

元がシンプルな作品ということもあってか、『海戦ゲーム レーダーミッション』以外にも結構いろいろなメーカーから『海戦ゲーム』を題材にしたタイトルがリリースされています。下記ではおもにコンシューマーゲーム版をピックアップしてみましたが、ほかにもPC版などが発売されています。興味がある方は、そちらもチェックしてみてください。

海戦ゲームNAVY BLUE(ユース/ゲームボーイ)

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▲1989年12月22日にユースから発売されたゲームボーイ用ソフト『海戦ゲームNAVY BLUE』。

海戦ゲーム NAVYBLUE 90(ユース/ゲームボーイ)

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▲1990年12月7日にユースから発売されたゲームボーイ用ソフト『海戦ゲームNAVY BLUE 90』。

海戦ゲーム ネイビーブルー(アイマックス/ファミコン)

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▲1992年2月14日にアイマックスから発売されたファミコン用ソフト『海戦ゲーム ネイビーブルー』。

NAVY BLUE 98(ショウエイシステム/ゲームボーイ)

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▲1998年2月20日にショウエイシステムから発売されたゲームボーイソフト『NAVY BLUE 98』。

ということで前置きが長くなりましたが、その『海戦ゲーム』を題材にしたゲームボーイ用ソフト『海戦ゲーム レーダーミッション』を入手して遊んでみたら想像以上に面白かったので、今回はそのレビューをお届けします。

直感だけじゃない洞察力が求められる知的な戦略ゲームだった

今回のメインである『海戦ゲーム レーダーミッション』は、任天堂から1990年10月23日にゲームボーイ用ソフトとして発売されたものです。上記でもご紹介してきましたが、ゲームボーイでリリースされた『海戦ゲーム』は、なんと4種類もあることがわかります。それだけハードとの相性が良かったのかもしれません。

『海戦ゲーム レーダーミッション』が他のソフトと少し異なっているところは、通常の『海戦ゲーム』が遊べる「GAME-A」に加えて潜水艦を操る「GAME-B」のふたつの異なるゲームが遊べるところです。今回は「GAME-B」あまり触れませんが、気分転換で別のゲームがプレイ出来るのは素晴らしいところですね。

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▲潜水艦に特化したモードの「GAME-B」。グラフィックも良い味出してます。

ルールを自分好みにカスタマイズ可能

メインのモードとなる「GAME-A」を選ぶと、最初にステーの設定画面が表示されます。ちなみに本作は日本向けに発売されたタイトルですが、基本的に英語しか出てこないのでビビらないようにしましょう(笑)。

こちらで設定出来るのは、海域(フィールド)のサイズを決定する「GRID」と空母から艦載機が出現するかどうか決める「AIRCRAFT」、上下左右の1ブロック以内に敵艦が配置されているときに音と水柱で知らせてくれる「NEAR MISS」のON・OFF、見つけたときに次のターンで特殊攻撃が行える「LUCKY SHOT」の有無に加えて、指揮官のグラフィックが変更できる「OFFICER IN COMMAND」の5項目です。

この中で、「GRID」だけは、最初のステージのみ8×8以外のものが選べるようになっています。基本的にはデフォルトのままでスタートしても問題ありません。

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▲最初に行う「ステージ設定」の画面。

ルールが決まったら、次に自軍の艦船の場所を変更していきます。この配置に仕方も勝敗に影響するため、いろいろと考えながら並べ変えていくといいでしょう。

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CPUとの読み合いが思った以上に楽しい!

本作では、攻撃は順番に行うターン制となっています。とはいえ特に防衛側でできることはないため、相手の艦船の場所を推測しながら戦っていくことになリます。このとき敵の艦船に命中すると、レーダー上に大きな●が記録されます。外れた場合は小さな点として記録されるため、それらを参考にしながら次の攻撃目標を決定していきましょう。

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ここらへんはだいたい遊んだことがなくてもわかっていたことだと思いますが、実際にプレしていて面白く感じたところは「ルール設定」で有効にした「NEAR MISS」の機能でした。命中せずとも、上下左右に敵の艦船がいる場合は音と水柱でアラートを表示してくれます。

若干『マインスイーパー』的なところもありますが、そうした情報を積み重ねていきながら、どこを狙うべきなのか決めていくことができるのです。これは攻撃時だけではなく、敵のミサイルが近くに落下したときも同様で、場所がバレてしまったことによる焦りが出てきます。

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▲敵のミサイルが自軍の艦船のすぐ真横に着弾し、アラートが鳴ってしまった!

ゲームが進んでいくと、次から次へと敵軍だけではなく自軍の艦船も沈められていきます。自軍の艦船は全て沈められ、残りは艦載機のみとなったあたりで、ようやく敵の艦船の場所が完全にわかった! と思った瞬間、命中させられゲームオーバーといった熱いバトルを初戦から体験することができました。

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こうした体験を踏まえて、ふたたび再戦することに。今回は10×10の広めのフィールドを選択してみました。2戦目は41ターンまでもつれ込んだものの、なんとか敵艦船をすべて撃破。なんとか勝利を掴むことができました。

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といってもこれで勝利となるわけではなく、ステージは全部で3つ用意されています。これらに全て勝つことで、ゲームはクリアとなります。

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▲最初のステージに勝利できたら、続くステージでも勝ち進めていこう!

ゲームをさらに盛り上げるふたつの要素

基本的な流れはこれまで紹介してきた感じですが、割と単調になりがちなゲームにドキドキ感を与えてくれるふたつの要素が本作には用意されています。ひとつは「LUCKY STAR」です。

こちらはフィールドの上のどこかに2種類のラッキースターが配置されており、それに命中させることで特殊攻撃が行えるというもの。この特殊攻撃には、「ホワイトスター」「ブラックスター」の2種類が用意されています。

「ホワイトスター」は、なんと5ヵ所同時に攻撃をすることができます。明らかに敵艦船がいる場所を狙うのもありですが、まったく索敵が出来ていないあたりに狙いを定めて撃つといった使い方もできます。

もうひとつの「ブラックスター」は、8×8の第1ステージ以外で登場する特殊攻撃です。攻撃を命中させた艦船と隣接しているすべての艦船を沈没させることができるというかなり強力なものとなっています。

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▲ラッキースターに命中すると、画面上にも表示されます。右は「ホワイトスター」で攻撃場所を選んでいるところ。

上記の「LUCKY STAR」とは別に、もうひとつ用意されている要素が「AIRCRAFT」です。こちらは、空母が特定のターン数過ぎても沈没させられなかったときに、艦載機が出現するというもの。しかも、空母の周囲1ブロック以内の場所を、ターンごとに移動します。

自軍の艦船が全て沈められるのを先延ばしする効果もありますが、それは敵にとっても同じです。そのため、なるべく早い段階で空母を沈めておきたいところです。

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▲左は敵の艦載機が出撃したところ。右は自軍の艦載機が空母に隣接しているシーン。

やっぱり携帯ゲーム機にぴったりだった

先ほども少し触れましたが、ゲームボーイで大量に『海戦ゲーム』がリリースされていますが、これは麻雀やパズルゲームと同じように普遍的に楽しめる作品であることが最大の理由です。また、アクション性も高くなく、じっくりと考えて遊べるところも携帯ゲーム機にあっていることがわかりました。

実際にやりこんでいくと、ノウハウも溜まり自分なりのメソッドなども生まれてくるところも、これらのゲームの楽しいところです。機会があれば、皆さんもぜひ1度遊んでみてください!

ABOUT US
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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。