Anbernic RG Cubeレビュー。1:1のアスペクト比を持つディスプレイが特徴的なハイエンドマシン。肌感覚での使用感はこれまでで最強【PR】

Anbernic RG Cubeレビュー。1:1のアスペクト比を持つディスプレイが特徴的なハイエンドマシン。肌感覚での使用感はこれまでで最強

6月8日より販売が開始された、Anbernicの新型携帯ゲーム機『RG Cube』。その最大の特徴は、名前の由来にもなっているようにアスペクト比1:1の四角いディスプレイを搭載しているところです。CPUにはUnisoc T820 プロセッサーを搭載、GPUはQuad Core Mali-G57 850MHz、RAMは8GB LPDDR4X、OSにはAndroid 13が採用されています。

カラーバリエーションはグレー、ブラック、ベージュホワイト、パープルの4色がラインナップされていますが、今回はベージュホワイトを選択。価格は2万6999円+送料で、セール期間中は1500円オフで購入することができます(6月24日15時59分まで)。

●『RG Cube』の購入ページ

本機のサンプルをレビュー用に提供してもらうことができました。本来もう少し早くご紹介する予定でしたが、実はレビュワー向けに世界中に発送された初期ロットに不具合があることが発覚。具体的にはバックライトが光り漏れするというものでしたが、それを修正したバージョンを再度送ってもらうのに時間が掛かってしまいました。

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▲上が初期ロットで、下が新たに送ってもらったもの。ディスプレイの光り漏れが改善されているのがわかります。

逆に、その間本機をたっぷりと使い込むことができたので、いろいろとわかってきたこともあります。最初に結論から申し上げておくと、細かい部分で気になるところはあるものの、肌感覚ではこれまで触ってきた様々なAnbernicのデバイスの中ではもっともハイパフォーマンスで扱いやすいと感じました。

ということで、こちらでは本機のレビューをお届けしていきます。

Anbernic RG Cubeのスペック

本機に採用されているディスプレイは、3.95インチのIPS液晶。マルチタップに対応しており、解像度は720×720ピクセルです。数値だけ見るとそれほど大きくないようにも感じますが、実際は充分なサイズです。

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ジョイスティック部分には、ドリフトが発生しないホールジョイスティックが採用されています。さらに、スティック周りには1600万色のRGB照明が付いており、7種類の発光パターンを好みで変更することもできます。

ちなみに、デフォルトで選ばれているのは七色の「Marquee」ですが、スティックを倒した方向が光る「Chasing」など様々な発光パターンが用意されています。

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▲ボタンカラーの変更は、画面上部をスワイプして表示できるクイック設定パネルの中にあります。

アクティブ冷却で本体の熱を感じることなくプレイ可能

最初に本機が届いて充電しているときに少し気になったのが、本体がやや熱くなることでした。これから夏場を迎えることではたしてどうなるのか? とも思いましたが、実際に長時間ゲーム機をいじっている最中はほとんど本体側の熱を感じることはありませんでした。

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▲充電時に本体が少し暖かくなり不安を持ったものの、ゲームプレイ中はほぼ問題なし。

じつは本機には、「アクティブ冷却」と呼ばれる超高速冷却用ハイスピードファンが本体背面側に設置されています。そこから上部の排熱口に空気が流れる仕組みになっており、熱が持たない作りになっているのです。

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▲本体背面側にはかなり大きめのファンが付けられています。
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▲ファンから取り込んだ空気は、ユニットを冷却した後で上部の排熱口から出されます。

また、クイック設定からファンの速度も変更することができます。こちらはデフォルトの状態でオートになっており、特別な理由でもない限り変更する必要はないでしょう。

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▲ファンのスピードも変更可能。

外部ディスプレイの映像出力もアスペクト比はそのまま?

本体上部にはUSB Type-Cポートが設置されており、充電をすることができます。それに加えて、DP Altモードにも対応しているので、映像を外部ディスプレイに出力することも可能です。しかし、実際に外部ディスプレイに表示される映像は、ディスプレイに合わせて引き延ばされるのではなくアスペクト比1:1のまま。これは使いやすく感じる部分もありますが、やや不満に感じる人もいそうですね!?

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▲外部ディスプレイには表示できるものの、アスペクト比はなぜか1:1のまま!?

注意:日本国内ではネットを使う手段はなし!?

ハードウェア的にはWi-Fiが搭載されているものの、いつものように技適マークは取得されておらず、基本的に日本国内で使用することはできません。それならば、いつものようにUSB Type-CにLANアダプターをさして……と思って試してみたものの反応せず。

よくよく確かめてみるとUSB自体がRNDISに対応していないため、LANアダプターが使えないことがわかりました。つまり、日本国内では今のところネットに接続する手段は基本的にはないということになります。

ただ、USB経由でのデータ転送やmicroSDカードも使えるため、APIを入手してアプリをインストールするといったことは可能です。

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▲USBの項目を見ると「RNDIS」がなく、USBのLANアダプターに対応していないことがわかります。

ワンボタンで起動可能なRG Launcherで簡単にゲームが選べる

以前は扱いが面倒だったAnbernicのAndroidを搭載したマシンですが、最近は簡単にゲームが起動できるランチャーソフトの『RG Launcher』がデフォルトで設定されており、ホタンひとつ押すだけで立ち上げることができます。

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▲左下の「R」と書かれたファンクションキーを押すことで、ランチャーソフトの『RG Launcer』を起動することができます。
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▲『RG Launcer』をきどうしたところ。

実際にゲームのセットアップを行うときは、別途micoroSDカードを用意してその中にゲーム機ごとにフォルダを作ってROMなどのデータを入れておきます。ROMを読み取る場所は自分で指定するため、フォルダ名自体は任意に付けておいても問題ありません。

ROMを入れたmicroSDカードを本体にセットアップし、『RG Launcher』を起動。ROMをセットアップしたい機種を選んで、「SE」と書かれた本体右下のボタンを押しましょう。

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▲すでにROMが設定されていますが、追加する場合もこの画面で「SE」ボタンを押します。

エミュレーターの設定画面が表示されるので、上部のタブから「ROM setting」を選びます。ここで真ん中の「+」ボタンを選んで、microSDカードにコピーしたフォルダを指定、最後に「Start searching for games」を選ぶことで、ROMのセットアップが完了します。

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いくつかゲームのROMをセットアップしてきましたが、いまいちよくわからなかったのがニンテンドー3DSです。『RG Launcher』のメニューには出るものの、ROMは読み込めないため個別にエミュレーター(Citra)を起動してセットアップやゲームのプレイをしています。

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▲ニンテンドー3DSエミュレーターの『Citra』は、『RG Launcher』から読み出すことができなかったので、直接Androidのホーム画面から起動。

エミュレーターの動作は全般的良好なものの一部クセもあり

先ほども触れましたが、この『RG Cube』を集中的に触ってきた理由のひとつが、これまでいろいろと試してきた同社のマシンの中ではもっともゲームを快適に遊ぶことができたからです。これはベンチマークなどエビデンスがあるというわけではなく、あくまでも肌感覚によるものです。

しかし、1台のマシンで多くのゲームが遊べるというのは、それだけでも大きなアドバンテージとなることは間違いありません。

そうした中で、一部癖のあるものや特徴的なものもあったので、そちらを全般にご紹介していきながら、各エミュレーターの動作について触れていきたいと思います。

セガサターンとPSP

まず触れておきたいのが、セガサターンとPSPのエミュレーターです。なんでこのふたつ? と疑問に思われるかもしれませんが、このふたつのエミュレーターに共通しているのが、デフォルトの画面表示に違和感があるというところ。

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▲デフォルトでは、画面上にのみ映像が表示されるセガサターンのエミュレーター。

セガサターンは、切り取ったように画面上部に映像が表示されてしまいます。そこで、セガサターンのエミュレーターをデフォルトの『Yaba Sanshiro 2 Pro』から『RetroArch(Yabause)』に変更してみたところ、ベゼルが表示されいい感じの画面でゲームをプレイすることができるようになりました。

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▲エミュレーターをRetroArch系に変更。
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▲ベゼルが表示され、画面も見やすくなりました。

セガサターンのエミュレーターとしては、ときおり音切れなどが発生する場面はあったものの、ゲームそのもののパフォーマンスはまずまず、タイトルにもよりますが、それほど大きな問題も無くプレイすることができます。

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▲セガサターン版『サクラ大戦』。

もうひとつのPSPも、デフォルトの状態では画面いっぱいにゲームが表示されてしまいます。こちらもセガサターンのときと同じようにエミュレーターをRetroArch系に変更することでベゼルが表示され見やすくすることができました。

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▲PSPでこのアスペクト比はさすがに……。
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▲デフォルトの『PPSSPP』から『RetroArch(PPSSPP)』に変更。
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▲ベゼルが表示され、画面の違和感も無くなりました。

ゲームキューブとWii

なんでゲームキューブとWiiという組みあわせなんだ? という声もあるかもしれませんが、こちらについては単純に同じエミュレーターだからという理由です(笑)。ちなみにエミュレーターとしては2種類選べるものの、どちらも『Dolphin』系となっているため、細かい違いはあるもののそれほど大きな変化はないと思っていいでしょう。

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画面の表示も1:1で表示されますが、RetroArch系のエミュレーターが選べないためうまく変更することはできません。しかしながら、それほど大きな違和感もないためとくに変更はせずにゲームをプレイしてみました。

ゲームキューブエミュレーターのパフォーマンスとしては、プチフリはするものの、こちらも許容範囲。キーもデフォルト設定のままでも問題なく遊ぶことができちょっと感動しました。そして、もうひとつのWiiもなかなかの性能となっています。

この『RG Cube』は、6軸ジャイロセンサーに対応していますが、そちらを活かしたゲームプレイを楽しむことができました。今回チョイスしたのは『マッドワールド』というタイトル。ヌンチャクコントローラーを使用するゲームなのですが、そちらを振り回すアクションも登場してきます。

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▲Wiiの『マッドワールド』。

実際に試してみたところ、本体を振ることでヌンチャクを振る動作を再現出来ることがわかりました。ま、本体ごと動かすので視認性は落ちてしまいますが、それでも遊べることに感動してしまいますね!?

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▲本体ごと振ることで、ヌンチャクコントローラーの動きを再現可能!

ニンテンドー3DSエミュレーター

すでに開発が停止されているニンテンドー3DSエミュレーターの『Citra』。圧倒的人気だったことがわかるぐらい、エミュレーターとしての完成度はかなり高めです。その要素のひとつが、6軸ジャイロセンサーに対応した画面の回転。ゲームその物はうまく動きませんでしたが、『NEWラブプラス』では、画面を傾けることで、縦画面に自動で変更できるようになっていました。

また、音切れは発生するものの、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』や、『ゼルダの伝説 時のオカリナ2』なども問題なくゲームをプレイすることができました。

ちなみに今回DSのエミュレーターも試したのですが、そちらとの大きな違いはタッチパッドの入力精度です。DSのほうはタッチパッドで入力するのはかなり困難で、それが影響してゲーム自体がうまく動かせないという場面もありました。しかし、3DSではそうしたことはほとんどありませんでした。

ドリームキャスト、PS1、PS2、NINTENDO64は快適!

ほかにもいろいろと試してみたのですが、ドリームキャストやPlayStation、PlayStation 2あたりのゲームはかなり快適に遊ぶことができます。これらの多くはデフォルトで画面にベゼルが表示されるため、違和感なくゲームを遊ぶことができました。この辺りのタイトルをメインにプレイしたいという人にもオススメです。

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▲PS1の『ゼビウス3D/G+』。ゲームプレイはまったく問題なし!
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▲定番の『リッジレーサー』も、当然のことながら快適に遊べます。
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▲ドリームキャストの『ジェットセットラジオ』。入力系の問題も無く、普通にプレイ可能。
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▲ドリームキャストの『バーチャロン』もかなり快適。
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▲PS2の『Rez』。パフォーマンス不足を感じることなく遊べます。
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▲NINTENDO64の『スーパーマリオ64』。プチフリも無くゲームが遊べます。
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▲NINTENDO64の『007ゴールデンアイ』。こちらもキーの問題もなく、ゲームがプレイ出来ます。

実は他にもいろいろなゲームを試しているのですが、さすがにきりがねー! ってことで、ここら辺でやめておくことにします(笑)。こうしたゲーム機をここまで遊び尽くすことはめったにないのですが、やはりそれはマシン自体の出来映えがよかったところも影響しているのでしょう。こちらの『RG Cube』が少しでも気になったならば、ぜひチェックしてみてください!

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。