N64『風来のシレン2』の互換機関連で発生するセーブデータ問題。EverDrive、POLYMEGA、MiSTer FPGAのすべてで発生

N64『風来のシレン2』の互換機関連で発生するセーブデータ問題。EverDrive、POLYMEGA、MiSTer FPGAのすべてで発生

先日『EverDrive-64 X7』のレビュー動画をYouTubeで公開したところ、コメント欄にNINTENDO64の『不思議のダンジョン 風来のシレン2 鬼襲来!シレン城!』はセーブができないという書き込みがありました。そこで興味を持ったのは、なぜセーブできないのか? というところです。

EverDrive-64 X7の場合

『EverDrive-64 X7』では、そのままゲームを起動すると「バックアップメモリのこしょうで風来日記1をただしくあつかうことができません。」といったメッセージが表示され、そのままではゲームをセーブすることができません。セーブステートなどのオプションも用意されていないため、このままでは積んでしまいます。

N64『風来のシレン2』の互換機関連で発生するセーブデータ問題。EverDrive、POLYMEGA、MiSTer FPGAのすべてで発生

そこでチェックしてみたのが、「Save Type」です。デフォルトでは「SRAM」に設定されていましたが、これを「SRAM96K」または「SRAM128K」に変更すと問題なくセーブすることができゲームも遊べることがわかりました。

ちなみにデフォルトの「SRAM」では、『EverDrive-64 X7』のシステムフォルダに32kのセーブデータファイルが作成されます。それを「SRAM128K」に変更するとファイルサイズも128kになるのですが、1度変更したあとでふたたび「SRAM」に戻してもエラーが出ずに保存して遊べることがわかりました。

POLYMEGAの場合

『EverDrive』でエラーが出るなら、他の環境はどうなんだ? ということでついでに調べてみることに。『POLYMEGA』は、初回起動時はエラーは出ず、中段でセーブした後も正常に一見動いているように見えます。

N64『風来のシレン2』の互換機関連で発生するセーブデータ問題。EverDrive、POLYMEGA、MiSTer FPGAのすべてで発生
▲中段したあとの動作も、一見正常に見えるものの……。

しかし、ここでいったんゲームを終わらせて起動してみると、「ざんねんながら 風来日記1は消えてしまいました」のメッセージが表示されてしまいます。こちらは『POLYMEGA』のN64設定で「N64ベータ互換」のONとOFFを切り替えても状況は変わりませんでした。

N64『風来のシレン2』の互換機関連で発生するセーブデータ問題。EverDrive、POLYMEGA、MiSTer FPGAのすべてで発生

『POLYMEGA』自体にセーブデータ形式を設定するオプションはないため、このままでは使えないのですが、幸いなことに「セーブステート」は使えるので、そちらで続けて遊ぶことができます。

N64『風来のシレン2』の互換機関連で発生するセーブデータ問題。EverDrive、POLYMEGA、MiSTer FPGAのすべてで発生

MiSTer FPGAの場合

『MiSTer FPGA』のNINTENDO64コアでは、初回起動時はエラーは表示されません。しかし、データを登録して中段を選ぶと、「ざんねんながら 風来日記1は消えてしまいました」のメッセージが表示されます。

N64『風来のシレン2』の互換機関連で発生するセーブデータ問題。EverDrive、POLYMEGA、MiSTer FPGAのすべてで発生
▲初回はエラーも出ずに起動。
N64『風来のシレン2』の互換機関連で発生するセーブデータ問題。EverDrive、POLYMEGA、MiSTer FPGAのすべてで発生
▲しかし、中断後にエラーメッセージが表示。

『MiSTer FPGA』では、System Settingsで「Save Type」を変更することができますが、デフォルトの「SRAM32」から別のタイプに変更してもうまく動作させることはできませんでした。コア自体にセーブステート機能も用意されていないため、今のところこちらの環境で遊ぶのは難しそうです。

N64『風来のシレン2』の互換機関連で発生するセーブデータ問題。EverDrive、POLYMEGA、MiSTer FPGAのすべてで発生

NINTENDO64は本体やコントローラーパックなどを含めて、様々な保存形式があり複雑です。そうしたこともあり、これらの互換機やマルチカートリッジではデータベースを利用している場合が多いですが、その大元になっているデータが必ずしも正しいとは限らない場合もあります。

こちらの状況がそれに影響しているのかはわからないものの、こうした問題は他のタイトルでも発生する可能性があることを考慮しておいたほうがいいでしょう。

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。