POLYMEGAにも採用された液晶ディスプレイで使用できる光線銃『Sinden Lightgun』

POLYMEGAにも採用された液晶ディスプレイで使用できる光線銃『Sinden Lightgun』

7月6日に発売される、ディスク系ゲームに対応したマルチレトロゲーム互換機の『POLYMEGA』。まだ発売はされていませんが、以前から専用の光線銃として『RGC01』を発表しています。そこに使われている技術が、今回ご紹介する液晶ディスプレイに対応した世界初の光線銃(をうたっている)『Sinden Lightgun』です。

POLYMEGAにも採用された液晶ディスプレイで使用できる光線銃『Sinden Lightgun』
▲こちらは『POLYMEGA』専用の光線銃『RGC01』。Sinden Technologyを採用しており、USBケーブルで接続することで液晶ディスプレイでも光線銃に対応したゲームが遊べます。

光線銃は現在の液晶ディスプレイで遊べないのは、ご存じの方も多いと思います。その詳細については、以前下記の記事でご紹介しましたが、ざっくりというと現在のディスプレイはいったん映像データをため込んでから映像を表示するという方式をとっているため、昔のアナログディスプレイと比較してわずかながらラグが発生してしまいます。そのラグと銃の構造的な問題などにより、うまく機能しないというのが理由です。

こうした問題を解決するために、ソフトウェアにパッチを当てるという手法がとられていましたが、この『Sinden Lightgun』は、そうした状況を変えてくれる救世主となるかもしれません。ファミコンの『ダックハント』などのゲームのほか、『タイムクライシス』『バーチャコップ』『ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド』など、液晶ディスプレイ全盛の現代では遊べなくなってしまった多くのゲームを、正確にプレイすることができるようになるのです。

その秘訣は、同社の持つHDカメラとトラッキング技術によるもので、光線銃で3D空間内の正確な位置と液晶ディスプレイとの相対的な位置関係を把握することができるのです。液晶ディスプレイのコーナーを特定してリアルタイムでキーストーンを修正。ランドマークに対する銃のXとY軸を計算して、その結果をUSB経由でアナログマウスの座標としてコンピューターに送信します。特別なキャリブレーションは不要で、液晶ディスプレイに視線が届く範囲内であれば、どこでも動作させることが可能です。

プロトタイプ版では、画像の取り込みと処理を約40ミリ秒で実行できます。通常のマウスや旧来のアナログディスプレイと比較するとやや劣りますが、それでもゲームをプレイする分には十分といえそうです。

ちなみに対応している機種は、今のところウィンドウズPCとLinux、Raspberry Pi、PlayStation1と2になると予想されています。

『Sinden Lightgun』の開発者は、ちょうど1年ほど前からクラウドファンディングのIndiegogoで製作資金を募集しており、すでに目標金額を突破しています。ベースモデルとなる『Sinden Light Gun』は98ドル(1万479円)で、リコイル付きのバージョンは159ドル(1万7028円)。しかし、昨年の初期のキャンペーンの後現在は2回目でありながら、まだ製品は出荷されていません。

当初はイギリス、アメリカ、カナダ、ヨーロッパのみで注文可能となっており、それ以外の国については次回以降になるとのこと。ここ最近の新型コロナウイルスの影響もありますが、今のところの発送予定は2020年10月となっています。

Via.Technabob

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。