今日もどこかでデビルマン!オリジナルEDも必見のファミコン版『デビルマン』レビュー

今日もどこかでデビルマン!オリジナルEDも必見のファミコン版『デビルマン』を遊んでみた

ふとした思いつきで、永井豪原作の漫画『デビルマン』を題材にしたゲームを探してみたところ、引っかかったのがファミコン版とPlayStation版でした。さっそくどちらも入手して、それぞれの特徴などを交えつつ記事を作ろうかと思っていたのですが……さすがにそれは時間が掛かるだろうということで、まずはファミコン版から始めてみることに。

というわけで、今回はファミコン版の『デビルマン』をプレイして、そこから分かったゲームの特徴や魅力についてお届けしていきたいと思います!

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▲今回入手したふたつの『デビルマン』のゲーム。

ちなみに、筆者が『デビルマン』という作品に出会ったのは小学校の頃でしたが、たしか入り口は多くの人と同じようにアニメでした。しかし、友達の間で原作の漫画は怖いという噂が広まり、恐る恐るコミック版を購入した記憶があります。

そのときに読んだものでとくに印象的だったのが、家に帰ると両親が悪魔になっており、その少年も被害に遭ってしまう回だったと記憶しています。

さて、今回取り上げるファミコン版の『デビルマン』は、1989年4月25日にナムコから発売された、予告スクロールのアクションゲームです。な~んか印象が薄いというか全くないというか、それもそのはず。この頃になると、もはやファミコンのゲームには全く感心がなく、2年前に発売されたPCエンジンにお熱になっている頃でした。また、その翌年にはスーパーファミコンが登場するといタイミングということもあり、その存在するら無視していたのかもしれません。

3つの形態+αを駆使して先のステージを目指せ!

親友の飛鳥了から、ヒマラヤでデーモンの秘密を知ってしまったことから、両親が亡くなった可能性が高いことを知らされる主人公の不動明。街にはデーモンが歩き回っており、それを倒すには自分自身がデーモンと合体してデビルマンになることだと言われます。そこから物語が動き出していくというのが大まかなゲームのストーリーとなっています。

基本的には原作に準拠しつつも、いきなり牧村家からデーモンが出たという噂が広まっているなど、若干時系列がごっちゃになっているところもありますが、まぁ、そうした細かいことはあまり気にしないようにしましょう(笑)。

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ゲームスタート直後はいまいち内容がわからず、まったく意味不明の横スクロールアクションで、一体どこに行けばいいんだこれは? という感じですが、特定の家の前などで↑キーを押すことで中に入ることができます。人と話したいときはスタートボタンを押すと上部にメニューが表示されるので、それで「TALK」を選びましょう。

ちなみに「PASSWORD」を選ぶと、そのときの状態を記録しておけるパスワードが表示されます。

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▲スタートボタンを押すと上部にメニューが表示されます。
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▲「TALK」では、複数聴ける場合やデビルマンの状態のときでないと会話が進まない場合などがあります、

ゲーム当初は敵を殴っても倒せるわけでもなく意味不明な感じでしたが、飛鳥了に言われるがままに地獄の入り口に移動させられます。ここで敵を殴ることで、IKARIと呼ばれるパワーを貯めることができ、それによってデビルマンになることができるといった感じのシステムに。

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▲上部のIKARIと書かれているところがイカリマークの残量を表しています。イカリマーク自体は、不動明の姿のときに敵を殴ることで貯めることができるようになっています。

ちょっと無理があるような気がしないでは無いものの、これでやっとデビルマンにも自由に変身が可能に!

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デビルマンと合体後は不動明の姿でもデーモンを退治可能に!

地獄の入り口でイカリパワーを貯めてデビルマンとの合体を果たした不動明。これ以降は、セレクトボタンを押すことでメニューを表示してデビルマンと不動明にいつでも切り替えられるようになります。

不動明のときにセレクトコンソールで「UP」を選ぶと、デビルマンに変身。デビルマンのときに「DOWN」を選ぶと不動明に戻るといった感じです。なぜわざわざ切り替えなければいけないのか? というと、実はそれぞれに微妙な特性の違いがあるというのが理由です。

不動明では、ザコ敵と戦うことでイカリパワーを貯めていくことができます。また、敵の攻撃もしゃがむことで防ぐことができる場合があるのです。さらに、一般の人と会話するときは、人間の姿である不動明でないと怖がられてしまうなんてことも。

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一方、デビルマンになるとジャンプ力が上がるため、不動明では乗り越えることができなかった壁なども越えら得られるようになります。その反面、不動明のときには避けることができた弾丸なども、しゃがんだ状態であっても被弾してしまいます。

また、貯めたイカリパワーを消費してパンチをするときに波動拳のような火炎攻撃が出せるのですが、これは任意で切り替えられるわけではなく、パワーがある限り自動で出てしまうのです。可能な限り火炎攻撃はボス的との対戦に取っておきたいということもあるので、必然的に普段は不動明で探索することが多くなります。

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▲デビルマンの状態でないと超えられない壁があります。
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▲LEVELは体力の残高。IKARIのデビルマンマークはMAXの状態。

もうひとつ、デビルマンの状態ときにセレクトコンソロールから「UP」を選ぶと、巨大デビルマンに変身することができます。巨大デビルマン自体は街と森の行き来程度にしか使いませんが、重要なポイントでもあるので行き詰まってしまったときは試してみましょう。

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▲巨大デビルマンに変身することも可能!

不動明以外のキャラクターもプレイ可能?

本作の少しユニークなポイントが、場面によって不動明意外のキャラクターに切り替える必要があるというところです。キャラクターとの会話の中で選択肢を選ぶことで、牧村美樹やドス六、木刀政といったキャラクターたちに入れ替わることができます。

それぞれのキャラクターのときのみ手に入る情報などもあるので、行き詰まったときなどはいろいろなキャラクターと会話してみることをオススメします。

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▲牧村美樹に入れ替わって街を探索。

街や森、ダンジョンに海など様々なシーンを探検

ゲームの基本は、横スクロールのアクションで敵と戦いながら、フラグを立てて先にすすめていくというシンプルなものです。いくつかひっかけポイントはあるものの、全体としてはそれほどボリュームが多いというわけではありません。

たとえば街ですが、左右のどちらかに移動していると、ぐるぐると同じところを回っていることに気が付きます。少し変わっているの、ダンジョン系のマップです。こちらは上下左右に移動可能となっており、比較的迷いやすい作りになっています。

不動明とデビルマンを適宜に切り替えながら移動したり、壁を壊していく必要があります。ちなみに筆者は、どうもこのダンジョンのマップが覚えられなくて迷ってしまったため、フォトショップを駆使して自作マップを作りクリアすることができました。

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このダンジョン特有のイベントが、けたたましい音共に表示される「HELP!」の文字です。こちらは誰かが襲われている「HELP-MODE」と呼ばれるもので、マップ上のどこかにデーもに襲われている人間を見つけ出し、助けるか助けないか選択することができます。

ダンジョンでは、最後にボスが出現するポイントがあります。たいていキラキラとした光ったものがあるので、ボスだとわかりやすくなっています。このときに助けないという選択をすると、画面上部に表示されている人の顔がドクロになっていきます。

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▲助けないことによるデメリットはいまひとつわからなかったものの、とりあえず助けておけばOK!

原作の名シーンっぽいのが続々登場!?

ザコキャラとの戦いは置いといて、特定のポイントで発生するのがボスキャラとのバトルです。ここはほとんど原作遵守といった感じになっており、ファンならかなり楽しめるポイントといえます。

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▲あの、美しいシレーヌが!?
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▲シレーヌのツメを避けながらダメージを与えていこう。
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▲傷付いたシレーヌに思いを寄せるカイムが助太刀。
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▲合体して挑んできたものの、あっさりと撃破。

ちょっと拍子抜けだったのは、ジンメンと出会ったときでした。ジンメンと言えば、カメのような見た目で背中にそれまで犠牲になった人たちの顔が浮かび上がっているという、トラウマになりそうな姿が印象的なのですが……なんと、そのトレードマークともいえる背中のアピールはなし!

バトルではガメラのように飛び回って攻撃してくるという、これまたジンメンらしさがあまり感じられないものとなっていました。

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▲ついにジンメンと対面!
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▲ちょっとイメージと違ったガメラみたいなキャラとの対決に!?

なんだかんだ先に進んでいくと、ついに大ボスのひとりである悪魔ゼノンとの対決が待っています。こちらは見た目も超巨大なのですが……戦闘はかなり単調。真ん中に陣取って炎が止むタイミングを待って、ジャンプで攻撃を当てていくだけで倒すことができます。

無事ゼノンを倒すことができると、いよいよ飛鳥了とのラストバトルが待っています。

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▲このゲームの中で、最も巨大な敵ゼノンとの対決。

フラグの立て方によって分かれる3つのエンディング

本作では全部で3つのエンディングが用意されていますが、概ねこんな感じです。いずれかのフラグを立て忘れてエンディングを迎えるとバッドエンド。すべてのフラグを立てて、最後の飛鳥了ことサタンとのバトルに負けると原作エンド。バトルに勝つと、真エンドという感じになります。

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▲ラストはサタンとの宇宙でのバトル。でも、たいして強くはない。

単純にエンディング画面が違うだけではなく、ストーリーも少し語られるので、そちらも見逃さないようにしましょう!

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▲なにかしらのフラグを立て忘れてしまったときのバッドエンド。
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▲サタンとの戦いにわざと負けると原作エンドに。
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▲原作とは異なるデビルマン勝利のエンディングもあり!

コンティニューやパスワードも活用できるので意外と遊びやすい

今回はPOLYMEGAでプレイしたため、セーブステートなども使いまくりでしたが、そうでなくともコンティニューも何度でもできるので、かなり有効活用することができます。コンティニューではステータスがクリアされてしまっていやというときは、好きなタイミングでパスワードをメモっておくことができるので、そちらを活用するのもありです。

いずれにせよ、思っていたよりも難しいということはなく、そこそこアクションが苦手な人でも楽しめるような内容でした。今回紹介したもの以外にも、多くのキャラクターやボスキャラが登場するので、『デビルマン』ファンならぜひ挑戦してみてください!

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ABOUT US
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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。