【レビュー】ここ最近一気に高騰した『PlayStation Vita TV』はどんなハードだったのか?

【レビュー】ここ最近一気に高騰した『PlayStation Vita TV』はどんなハードだったのか?

アマゾンなどに出品されている『PlayStation Vita TV』が、軒並み高値で販売されるようになり、話題になりました。元々は、ソニー・コンピュータエンタテインメントが(現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)が携帯ゲーム機『PlayStation Vita』の機能をしぼり、テレビ出力できるものとして2013年11月14日にリリースしたものですが、現在はその販売価格の6倍を超える値段となってしまっています。

そこで今回は、そもそもこの『PlayStation Vita TV』とはいったいどんなハードだったのか? 『PlayStation Vita』との違いはなんなのかといったところについて調査をしています。

【レビュー】ここ最近一気に高騰した『PlayStation Vita TV』はどんなハードだったのか?
▲2022年5月24日時点で、アマゾンで売られている『PlayStation Vita TV』。定価9480円(税別)を大きく上回る価格となっていました。

ちなみに、筆者が購入したのは2016年8月28日でしたが、その当時、輸入盤の『PlayStation Vita TV』が投げ売りされているということで入手しています。値段は6600円だったので、この間10倍ほどに跳ね上がったことになりますね。

【レビュー】ここ最近一気に高騰した『PlayStation Vita TV』はどんなハードだったのか?
▲『PlayStation Vita』と『PlayStation Vita TV』。ほとんど同じだと思ってたけど、微妙に使い勝手が違う!?

目次

  1. 『PlayStation Vita』から省略されたもの
  2. 『PlayStation Vita TV』対応ソフトと非対応ソフト
  3. 映像のキャプチャーにはHDCP解除が必須
  4. 用途は限定されるもののハマれば使い勝手はまずまず
  5. 『PlayStation Vita TV』対応表記がないソフトのリスト
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『PlayStation Vita』から省略されたもの

基本的なハードウェアの仕様は同じですが、据え置きタイプの『PlayStation Vita TV』では『PlayStation Vita』からいくつかの機能が省略されています。具体的には、前面と背面のカメラと、タッチパッドスクリーン、背面タッチパッドなどです。そのため、こうした機能を使ったゲームは非対応となっています。

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▲前面はスッキリとしており、電源が入るとLEDが光ります。
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▲インターフェイスは背面側にまとめられています。左から電源ボタン、メモリーカードスロット、USB、HDMI、LANポート、電源アダプター差し込み口。
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▲ソフトは右側面のカバーを外して出し入れが可能。

コントローラーはDUALSHOCK 3またはDUALSHOCK 4が利用できます。これらは1度USBで接続したあとは、無線でも利用が可能です。

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『PlayStation Vita TV』対応ソフトと非対応ソフト

『PlayStation Vita TV』は、『PlayStation Vita』用ソフトとして発売されたすべてのゲームが遊べるわけではありません。パッケージの裏側を見ると、少なくとも対応を謳っているものについては明確にその表記がされています。しかし、気を付けなければいけないのが、特に初期に発売されたゲームたちです。

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▲ソフトの背面側をチェックすることで、『PlayStation Vita TV』対応か調べることができます。
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ちなみに対応していないゲームは、単純に機能としてプレイできないのではなく、インストールやアップデート自体はできるものの、ゲーム起動時に対応していないというアナウンスが表示され、それ以上進むことができないようになっています。

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▲対応していないゲームは、このようなアナウンスが表示されまったく遊べません。

『PlayStation Vita TV』発売当時はまだPlayStation 4が発売されておらずDUALSHOCK 4もない状況でした。『PlayStation Vita TV』に対応していないゲームの多くは、タッチパッドなどの機能を利用したものが多いということもあり、DUALSHOCK 4に対応したことでタッチパッドを利用したゲームも遊べるようになるのではないかという期待がありました。

というわけで、『PlayStation Vita TV』対応が明記されていないタイトルを中古からいくつから選んで入手。現状の対応状況をチェックしてみました。『PlayStation Vita TV』対応表記がないソフトについては、このページの最後にまとめて記載してあります。

今回購入したのは、『テラリア』、『アンチャーテッド 地図なき冒険の始まり』、『LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『リトルビッグプラネット PlayStation Vita』、『コール オブ デューティ ブラックオプス ディクラシファイド』、『マインクラフト』、『進撃の巨人』、『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』の8本。このうち、前半の5本には『PlayStation Vita TV』対応の記載がないものでした。

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唯一、『LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒』だけ、アップデートしていない状態でも普通にゲームが遊べるようになっていました。5本中4本がまったく駄目だったということになりますが、必ずしも遊べないワケじゃないかもしれないけど、対応を謳っていないゲームは基本的遊べない場合が多いと思った方が良さそうな印象です。

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▲『テラリア』のバージョンを調べてみると初期状態だったので、アップデートをしてみることに。
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▲アップデートしても、やはり状況は変わらず。
【レビュー】ここ最近一気に高騰した『PlayStation Vita TV』はどんなハードだったのか?
▲『LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、『PlayStation Vita TV』でも問題なくプレイ可能。
操作がうまくいかないときは「ボタンの割り当て」をチェック

使っていた『PlayStation Vita TV』が元々輸入盤ということもあったのか、『LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に出てくるボタンを押すというミッションがどうもうまく操作することができませんでした。

そこで設定をチェックしてみたところ、「アクセシビリティ」の中にある「ボタンの割り当て」にチェックが入っており、○ボタンと×ボタンが入れ替わっていることに気が付きます。ボタンの配置は自由に置き換えられるようにもなっているみたいなので、操作が気になる人はこちらを確かめてみましょう。

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映像のキャプチャーにはHDCP解除が必須

『PlayStation Vita』も改造すれば外部出力できるようですが、『PlayStation Vita TV』の最大のメリットは、やはりテレビやディスプレイといった大きな画面に映像を出力してゲームが遊べるところでしょう。最大1080iの解像度で出力ができるほか、720pや480pなども選ぶことができます。しかしこれも少し癖があり、たとえばゲームの映像をキャプチャーしたいときは注意が必要です。

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▲解像度を1080iにしていると、PlayStation®規格ソフトウェアが起動できない場合があるので自動にしておくことをオススメします。

出力はHDMIのみですが、PlayStation 3と同様にHDCPによるプロテクトが掛かった信号となっています。そのため、HDMIスプリッターなどを用意して解除しなければ、キャプチャーすることは出来ない仕様です。自宅にあったHDMIスプリッターが見当たらなかったため、新たにアマゾンから『KanaaN HDMIスプリッター』という商品を購入してみましたが、残念ながら筆者の環境ではHDCPを解除することはできませんでした。このように、HDMIスプリッターを選ぶ場合も注意が必要です。

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▲追加で購入したものの、HDCP解除はできなかったHDMIスプリッター。その後、前から持っていたものを発見したので、今回の記事で利用しています。

用途は限定されるもののハマれば使い勝手はまずまず

あのゲームが遊べないとか、あれができないなど、いろいろと不満な点もある『PlayStation Vita TV』ですが、そうしたところを除けばハードとしてそれほど悪いできというわけではありません。だからといって6万円も出す価値があるのかというと、やや疑問に感じるところもあります。

もし購入を検討されている場合は、なるべくそうしたプレミアム価格なものではなく、程度の良い中古を選ぶことをオススメします。

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▲なんだかんだいって、大きな映像でゲームが楽しめるのは最高!

『PlayStation Vita TV』対応表記がないソフトのリスト

・真・三國無双 NEXT
・ASPHALT:INJECTION
・地獄の軍団
・忍道2 散華
・パワースマッシュ4
・アンチャーテッド 地図なき冒険の始まり
・みんなのGOLF 6
・モンスターレーダー
・真かまいたちの夜 11人目の訪問者
・リームクラブZERO ポータブル
・塊魂 ノ・ビ~タ
・リッジレーサー
・マイケル・ジャクソン ザ・エクスペリエンスHD
・WipEout 2048
・GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において彼女の内宇宙に生じた摂動
・墨鬼 SUMIONI
・極限脱出ADV 善人シボウデス
・リアリティーファイター
・Unit 13
・スロッターマニアV BLACK LAGOON
・FIFA ワールドクラス サッカー
・@field
・王と魔王と7人の姫君たち ~新・王様物語~
・Let’s Try Bass Fishing FISH ON NEXT
・シェルノサージュ~失われた星へ捧ぐ詩~
・サムライ&ドラゴンズ
・ハローキティといっしょ ブロッククラッシュV
・スーパーモンキーボール 特盛あそビ~タ!
・メタルギア ソリッド HD エディション
・Dokuro
・RESISTANCE -アメリカ最後の抵抗-
・実況パワフルプロ野球2012
・orgarhythm
・初音ミク -Project DIVA- f
・リトルビッグプラネット PlayStation Vita
・DJ MAX TECHNIKA TUNE
・FIFA 13 ワールドクラス サッカー
・ストリートファイター X 鉄拳
・アサシン クリード III レディ リバティ
・ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド
・サムライ&ドラゴンズ 龍族降臨
・実況パワフルプロ野球2012決定版
・スパイハンター
・コール オブ デューティ ブラックオプス ディクラシファイド
・限界凸騎 モンスターモンピース
・プレイステーション オールスター・バトルロイヤル
・WRC 3 FIA ワールドラリーチャンピオンシップ
・SILENT HILL: BOOK OF MEMORIES
・シェルノサージュ~失われた星へ捧ぐ詩~RE:Incarnation
・ファンタシースターオンライン2
・NINJA GAIDEN Σ2 PLUS
・テイルズ オブ ハーツ R
・フォトカノ Kiss
・サカつく プロサッカークラブをつくろう!
・FIFA 14 ワールドクラス サッカー
・Tearaway ~はがれた世界の大冒険~
・バットマン:アーカム・ビギンズ ブラックゲート
・インジャスティス:神々の激突
・超ヒロイン戦記
・テラリア
・ゴールデンタイム Vivid Memories
・レイマン レジェンド
・限界凸記 モエロクロニクル
・To LOVEる -とらぶる- ダークネス バトルエクスタシー
・WRC 4 FIA ワールドラリーチャンピオンシップ
・チャイルド オブ ライト スペシャルエディション
・ラブライブ! School idol paradice Vol.1 Printemps
・ラブライブ! School idol paradice Vol.2 BiBi
・ラブライブ! School idol paradice Vol.3 Lily white
・THE WALKING DEAD
・ファーミングシミュレーター 14 ポケット農園 2
・HIDEBOH タップダンスHERO
・FIFA 15
・電撃文庫 FIGHTING CLIMAX
・BORDERLANDS 2
・カデンツァ フェルマータ アコルト:フォルテシモ
・いろとりどりのセカイ WORLD’S END -RE:BIRTH-
・太鼓の達人 Vバージョン
・ぎゃる☆がん だぶるぴーす
・限界凸起 モエロクリスタル
・ガールフレンド(仮) きみと過ごす夏休み
・スカーレッドライダーゼクス Rev.
・アイドルマスター マストソングス 赤盤
・アイドルマスター マストソングス 青盤
・電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION
・Melty Moment
・ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ
・艦これ改
・執事が姫を選ぶとき
・アサシン クリード クロニクル
・シロガネ×スピリッツ!
・この大空に、翼をひろげて CRUISE SIGN
・スカルガールズ 2ndアンコール
・ファンタシースターオンライン2 エピソード4 デラックスパッケージ
・喧嘩番長 乙女
・ZERO ESCAPE 刻のジレンマ
・ウォーキング・デッド シーズン2
・限界凸旗 セブンパイレーツ
・猛獣たちとお姫様
・LEGO スター・ウォーズ/フォースの覚醒
・レコラヴ Blue Ocean
・レコラヴ Gold Beach
・ワールド オブ ファイナルファンタジー
・ネオアトラス 1469
・新星抜擢 ドライブガールズ
・双星の陰陽師
・ぎゃる☆がん だぶるぴーす ばいりんぎゃる
・AKIBA’S BEAT
・だれでも初段になれる囲碁教室
・戦極姫7~戦雲つらぬく紅蓮の遺志~
・ラビ×ラビ‐パズルアウトストーリーズ‐
・喧嘩番長 乙女~完全無欠のマイハニー~
・The Lost Child
・いただきストリート ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー 30th ANNIVERSARY
・俺達の世界わ終っている。
・リディー&スールのアトリエ ~不思議な絵画の錬金術士~
・電脳戦機バーチャロン×とある魔術の禁書目録 とある魔術の電脳戦機
・キャサリン・フルボディ
・喧嘩番長 乙女 2nd Rumble!!
・神凪ノ杜 五月雨綴り

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。