健康優良不良少年のゲームに続いてプレイしたのは、またまたヤンキーもの!?
以前少しだけ遊んでみて、あまりにもキャラクターの再現度の高さに驚き、いつかしっかりとプレイしてみたいと思っていたタイトルがあります。それが、1988年3月30日にデータイーストから発売されたファミコン用ゲームの『ビー・バップ・ハイスクール 高校生極楽伝説』です。
今更説明はいらないかもしれませんが、ゲームの元となったのは、きうちかずひろ氏のヤンキーギャグマンガの『ビー・バップ・ハイスクール』です。このファミコン版では、その原作漫画のキャラクターたちが多数登場するアドベンチャーゲームとして作られています。そのため、基礎知識として原作をある程度読んでいた方が楽しめる作品といえるかもしれません。
少しだけ話が横道にそれますが、『ビー・バップ・ハイスクール』といえば仲村トオルさんと清水宏次朗さんが主演を務めた映画版も有名ですよね。その1作目が公開された頃、東京・中央区の高校に通っていたのですが、そこはなぜか江東区と江戸川区、蒲田周辺の大田区から集まった生徒が多く、同郷のよしみ的なゆるいグループが出来上がっていました。
その中の蒲田グループの間で盛り上がっていたのが、映画『ビー・バップ・ハイスクール』の1作目に、知り合いが出演しているということでした。今となってはどんな役で出ていた人だったのか定かではありませんが、なぜか強烈な印象として残っています。
ってことで話を元に戻すと、この『ビー・バップ・ハイスクール 高校生極楽伝説』は、何者かにさらわれてしまった北高の前川シンゴを、ヒロシとトオルが探し出すというのが大まかなストーリーになっています。ゲームプレイ時にナカマトオルまたはカトウヒロシのどちらかを選んでプレイすることが可能です。
……ここで疑問に思うのは、それぞれでまったく異なるストーリーが楽しめるのか? ということでした。結論から言うと、どちらを選んでもゲーム性に違いはなく、ストーリーもまったく一緒。そのため、完全にお好みで選んでも問題ありません。
子分ふたりを引き連れて街中を探索
ゲームの基本は、ヒロシまたはトオルが仲間を引き連れて街中を探索。途中で出会ったキャラクターたちに話を聞いたり、施設の中に入っていきながら手がかりを探しています。ちなみに、なぜ3人ひと組でキャラクターを移動しているのかはさっぱり意味不明ですが……こちらは、仲間とつるんで歩いていることで不良っぽさを演出しているのかもしれませんね!?
街には様々なキャラクターたちが歩いていますが、それらにぶつかるとRPGでいうところのエンカウントとなります。初めて出会ったキャラクターなら別に良いのですが、すでに話を聞いてしまったキャラクターはまったく用がないこともあるので、その場合は単なるお邪魔キャラとして存在することに。
原作そのままの登場キャラクターたち
この『ビー・バップ・ハイスクール 高校生極楽伝説』の素晴らしいところは、登場するキャラクターたちの性格が、見事に原作をトレースしたものになっているところです。ファミコンで再現されたキャラクターたちの挙動や仕草、台詞回しをみているだけでも楽しい気分にさせてくれます。
原作に登場したかまではわかりませんが、どこかあの芸能人に似うりふたつのキャラクターたちも中には登場したり!? はたして、どのようにゲーム内で絡んでくるのか気になるところかもしれませんが、ぜひご自身の目で確かめてみてください。
気力と運勢、そして時間がゲームの進行に影響を及ぼす
本作は、ストーリー自体は今の感覚でプレイするとかなり短めになっている印象です。基本的にはアドベンチャーゲームであるため人に話を聞くなどすることでフラグを立てていき、それによって新たな場所に行けるようになるなど次の展開に進んでいけるようになります。しかしそれだけではなく、いくつかの要素もゲームの進行に影響するように作られています。
気力と運勢
そのひとつが、「気力」です。こちらはコマンドウインドウの左上に記載されているメーターのようなもので、ケンカに負けてしまったり女の子にフラれてしまったりと、不運な出来事が起こると経ていき、ゲームオーバーになってしまいます。逆にケンカに勝つことで気力を上げていくことも可能です。
もうひとつの「運勢」ですが、中吉以上の運勢なら情報屋がいろいろと教えてくれるなど良いことがあります。運勢は全部で5段階あり、朝目覚めたときは最低のどつぼになっているので、まずは隣の神社でおみじくを引いて運勢を上げておきましょう。運勢が悪い場合は、拝み倒すことで1ランクだけ上げてもらうことも出来ます。
時間の概念
本作は時間が経つにつれて、昼間から夕方、そして夜へと変化していきます。夕方や夜にしか発生しないイベントも存在しますが、夜に行動を続けていると気絶してしまい、気力が減るので注意が必要です。夕方になったら一旦自宅に帰って寝るようにしましょう。
この制限がなかなか煩わしく感じる部分かもしれません。
ちなみに自宅に帰ると、夕方は以降は寝ることができるほか、ゲームのセーブも行えます。セーブはなぜか子分の兼子信雄がやってくれるのですが、最初は思わず「何でお前が!?」とツッコミを入れそうになりました。この辺りも、ゲームが面白く感じた部分かもしれませんね!
いろいろと苦労した結果、誰かに連れ去られた前川シンゴを救出! ……と思ったら、ここで究極のタイトル回収になっていきます。はたして、その真実とはいかに!?
というわけで本作をひと通りプレイしましたが、思っていた以上に楽しむことができました。当初想像していたよりもボリューム自体は少なめとなっていますが、これぐらい軽く遊べるのがファミコンのゲームらしくていいのかもしれませんね!