Anbernicより発売される新型中華エミュ機の『RG405V』。そのサンプル機をご提供していただきました。まず、ぱっと見の印象で驚いたのは想像以上にサイズが大きかったところ。『Steam Deck』などのゲーミングUMPCなどを除けば、中華エミュ機はどちらかというと小型で持ち歩きやすい印象でしたが、この『RG405V』はその中でもなかなかのビッグサイズとなっています。
ちなみにiPhone 14 Proを横に並べてみたところ、縦幅に関しては概ね似たようなサイズ感になっています。
ということで、こちらでは本機のレビューをお届けしていきます!
『RG405V』のスペック
まずはスペックなどをつらつらとチェックしていきましょう。用意されているカラーバリエーションは、ウッドとクリアパープル、グレーの3色。今回はその中から中身が見えてそうということで、クリアパープルを選択してみました。
価格は2万179円となっており、Anbernicから発売されているデバイスとしては高い方の部類になります。
カラーバリエーション | ウッド、クリアパープル、グレー |
ディスプレイ | 4インチIPS液晶タッチスクリーン、解像度640×480 |
CPU | Unisoc Tiger T618 64 Bit octa-core 2*A75@2.0GHz*+6*A55@2.0GHz |
GPU | Mali G52@850MHz |
メモリー | 4GB LPDDR4X@1866MHz |
ストレージ | 128GB eMMC |
Wi-Fi/Bluetooth | 2.4/5G Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.0 |
OS | Android 12 |
ソフトウェア | ゲームフロントエンドを搭載 |
言語 | 多言語対応 |
スピーカー | ハイファイスピーカー |
バッテリー | リチウムポリマーバッテリー、容量5500mAh、 3時間でフル充電、9時間以上持続使用可能 |
ファン | 自動冷却機能により、本体の性能を最適に保つことができる |
microSDカード | 最大2TBまでのmicroSDカードに対応 |
付属品 | USB充電ケーブル、説明書、スクリーンプロテクター |
本体サイズ | 横145mm×縦105mm×奥行き35mm |
重量 | 2.82g |
パッケージの中身に含まれているのは、本体の他スクリーンプロテクターとUSBケーブル、マニュアルといった、いつも通りのシンプルな構成。ちなみに本体にmicroSDカードは付属していませんが、何も入っていない状態でもAndroidが起動します。
最大2TBまでのmicroSDカードに対応しているので、ゲームのROMデータなどはそちらに入れて利用するといいでしょう。
圧倒的サイズ感の4インチIPS液晶
さっそく本体の方を見ていきましょう。前面部分はそれほど大きな特徴があるわけではありませんが、やはり目立つのが4インチのIPS液晶でしょう。『Analogue Pocket』でも結構画面が大きなと思っていましたが、あちらが3.5インチなので、それよりもサイズが大きくなっています。
Android端末ということもありタッチスクリーンが採用されていますが、何も貼っていない状態では指紋がべたついてしまうので、付属のものか手垢が付きにくいスクリーンプロテクターを要して貼った方が快適になりそうな印象です。
ちなみに液晶のサイズは圧倒的に『RG405V』が大きく見えるのですが、同じタイトルを動かした場合、発色に関しては『Analogue Pocket』のほうが明るくクッキリとした感じに見えます。
まさにクールな自動冷却機能を搭載
本体前面側は比較的一般的なデバイスといった感じですが、少しユニークなところが背面分。この上部には円形の大きな通気口が藻蹴られています。本機では、ここから空気を吸い込み、中の機器を冷却して、上部の排気口から熱を出すといった自動冷却機能が搭載されています。
30枚のファンブレードで最大9000RPMで回転しますが、ファンの音がうるさいといった印象はありません。また、こうしたデバイスを使っていると、何かしら本体のどこかが熱く感じることがありますが、そうしたこともまっくないため、冷却システムとしてはかなり優れているといえそうです。
ドリフトが発生しないホール効果センサー方式のアナログジョイススティックを搭載
携帯ゲーム機の問題のひとつに、アナログジョイスティックが摩耗することにより勝手にどちらかの方向に動いてしまうといったドリフト問題があります。この『RG405V』では、そのドリフトが構造的に発生しないホール効果センサー方式のジョイスティックが採用されています。
これにより耐久性に優れただけではなく、いわゆるコントローラーの遊びとなるデッドゾーンもないプレイが楽しめるというのも特徴のひとつです。
しかし、そうしたハードウェア的な機構が必ずしもゲームの操作自体が快適になるかというと、そうではない場合もあります。通常のゲームタイトルのときはそれほど気になることはありませんが、ためしにPlayStation 2の『Rez』を遊んでみたところ、ややエイムがやりにくく感じました。
ジョイスティックがやや下側に配置されていることも影響しているかもしれませんが、こうした遊びやすさといった部分に関しては、タイトルによって体感も変わってきそうです。
エミュレーターゲーム機としての性能はそこそこ
『RG405V』では、Androidアプリに加えて、20以上のエミュレーターを動かすことができます。それぞれのエミュレーターに快適にアクセスできるようにするためのゲームフロントエンド『RG Launcher』も用意されているので、そちらを活用するといいでしょう。
『RG Launcher』を呼び出すときは、Androidのホーム画面で画面上部を下方向にスワイプしてメニューを表示させます。このとき2回連続でスワイプしないと画面が出てこないので注意しましょう。
エミュレーターの種類や性能などに関しては、ぶっちゃけいつもの感じといった印象です。PlayStation 2は先ほどの『Rez』をプレイしましたが、快適というよりはとりあえず遊べるギリギリのレベルといった感じです。セガサターンの『セガラリー』もゲーム自体は動くものの、音が途切れがちです。
ちょっと違和感があったのはPSPです。こちらはデフォルトの設定の状態ではアスペクト比が4:3で表示されるため、やや縦長の映像になってしまいます。ニンテンドーDSもタメしましたが、こちらは以前別の機種でチェックしたとき同様に、そこそこ遊びやすそうな印象でした。
少し大きめな画面で携帯型ゲームを遊びたい人向けのマシン
最近の小ぶりの中華エミュ機は、持ち歩きやすく見た目も可愛らしいところが魅力ですが、正直ある程度歳をとってくると画面が見にくく、それだけでも疲れてしまいがちです。普段あまりゲーム機自体は持ち歩かないけど、わざわざ据え置き機を起動するのは面倒といったニーズを、こちらの『RG405V』は満たしてくれます。
エミュレーターとしては、PlayStationなどのディスクメディアが採用された以降のゲーム機よりも、スーパーファミコンあたりのゲームを遊ぶ方が快適です。少しお値段は貼りますが、これらの特徴の魅力を感じるならば入手するのもありでしょう。
※基本的にゲーム画面はハメ込み映像で編集しています