レトロゲーム系YouTuberの間で、そのヤバさが噂になっているドン・キホーテのゲームボーイアドバンス互換機『ホームレトロ アドバンス』。以前にもドンキのGBA互換機についてはご紹介したことがありましたが、これだけ悪評を耳にすると実際にいろいろと試したくなってしまいました。
●メーカーの公式ページ
https://www.lithon.co.jp/product/others/ktfc017/


それに加えて、ゲームボーイアドバンスの互換機については、他のマシンとは異なり客観的なテスト項目があります。何はともあれ実機を入手しないと始まらないということで、さっそく本機を入手してきました。価格は4999円と、少しお高めとなっています。
ということで、今回はこのドンキGBA互換機こと『ホームレトロ アドバンスのレビューをお届けします。
とりあえずビール! じゃなくて本体をチェック!
『ホームレトロ アドバンス』のパッケージに含まれているのは、本体のほか、そこそこ詳しく書かれている取扱説明書と電源用のUSBケーブル、映像と音を外部に出力するためのケーブルといったシンプルな構成です。

本体の外観ですが、まず真っ先に目が行くのはその異様なボタン配置でしょう。なぜだかABボタンが縦にならんでおり、この時点で大丈夫か? と不安感を煽るような作りになっています。
この前面部分には、十字キーやスタートボタンとセレクトボタン、そしてリセットボタンが並んでいます。このABボタンよりも、若干使いにくいなと感じたのがスタートボタンと十字キーでした。
スタートボタンは押してもなかなか反応せず。十字キーのほうは平べったい感覚になっており、アクションゲームなどには向いてなさそうな印象です。


本体側面上部はLRボタンと電源ボタン、電源用のUSBポート、AV出力ポート、ボリュームボタンなどが並んでいます。特筆すべきは、電源用としてUSB Type-Cが採用されているところでしょう。これがこのゲーム機の数少ないいいポイントのひとつです。
また、反対側側面には、ゲームをさしこむためのスロットが用意されています。ちなみに対応している機種はゲームボーイアドバンスのみで、ゲームボーイやゲームボーイカラーのソフトはさせてもプレイすることができないので注意しましょう。


本機はUSBのほか、単4電池4本を本体に入れても遊ぶことができる仕様になっています。ただし、電池を入れるには、ドライバーでねじを外す必要があり少々面倒な作りになっています。

意外に感じたのは、この本体の軽さでした。実際に電池が入っていない状態で測ってみたところ、107.6グラムであることがわかりました。

スピーカーから流れてくる音はあまりよくありません。AV出力で外部ディスプレイなどに映像を表示する場合も、うまく表示できないこともあり、結構神経質な印象があります。液晶は2.8インチですが、視野角はあまり広くありません。
解像度は320×240ピクセルと少々低めではあるものの、4:3というレトロゲームとしては一般的なアスペクト比になっています。しかし、オリジナルのゲームボーイアドバンスの解像度は240×160ピクセルで、アスペクト比としては3:2です。なんかこの辺りも、少々ちぐはぐな感じはしますね。

68種類のゲーム内蔵でソフトがなくても楽しめる……かも!
安価なファミコン互換機と同じように、この『ホームレトロ アドバンス』でもカセットをささない状態でゲーム機の電源を入れるとメニューが表示。こちらから68種類の内蔵ゲームが遊べるようになっています。


きっと親の顔より見た『SKY ZONE』とかが収録されているのかと思いきや、少し異なるリストになっていたので、これはこれでいいのかも? まーなんだか操作がよく分からないゲームも多数収録されていたのですが、個人的にお気に入りだったのは『SOLITAIRE』が遊べるところでした。


10本の刺客ソフトで性能をチェック!
レビューなので主観的にいいか悪いか論ずるのもいいのですが、それでは少々エビデンスが乏しい。ということで、客観的な情報として用意したのがこちら。
先ほどのゲームボーイアドバンス互換機には客観的なテスト項目があるといいましたが、それが以前ご紹介したエミュレーションするのが難しいと言われている10本のソフトたちです。これらのソフトをテストし、合格したタイトルを数えて合計100点満点で測定するというのがテスト項目になっています。
具体的には過去にも紹介しているので割愛しますが、気になる人はこちらの記事や動画をチェックしてみてください。
ということで、テストするのは『AGSエージングカートリッジ』、『ハローキティコレクション ミラクルファッションメーカー』、『Star Wars: Episode II: Attack of the the Clones』、『千年家族』、『The Legend of Zelda Classic NES Series』、『James Pond Codename Robocod』、『Pinball Tycoon』、『沈黙の遺跡~エストポリス外伝~』、『Iridion 3D』、『Digimon Racing(EU版)』の10本です。

テスト1:AGSエージングカートリッジ
テスト結果:NG

『AGSエージングカートリッジ』は、任天堂が作ったプログラムでハードウェアの経年劣化をチェックするためのソフトウェアです。このソフト自体いくつかのテスト項目があるのですが、なぜかエミュレーターや互換機でこれらの項目をクリアするのが難しい機種が多数あることでも有名です。
ということでさっそくチェックしてみたところ結果はNGだったのですが、外部ディスプレイに出力しているときとしていないときとではエラーの項目が異なっていることがわかりました。
まず外部ディスプレイ出力時ですが、こちらは「KEY INPUT」のみ通過でそれ以外はすべてFAILという結果に。外部ディスプレイに出力していないときは、LCDの項目でフリーズしてしまいます。

テスト2:ハローキティコレクション ミラクルファッションメーカー
テスト結果:NG

エミュレーターや互換機によっては、ゲームが起動すらしないといわれているタイトルがこちらの『ハローキティコレクション ミラクルファッションメーカー』です。今回のテストでは、やはり全く起動しませんでした。
テスト3:Star Wars: Episode II: Attack of the the Clones
テスト結果:NG

海外でのみ発売された『Star Wars: Episode II: Attack of the the Clones』。本作のチェックポイントは、ゲームスタート後におなじみのテーマソングと共に流れるオープニングロールのテキストです。うまく処理できないソフトやハードでは、一部のテキストが切れた状態で表示されます。
ということで、こちらの結果ですが、残念ながらうまく表示できていませんでした。それだけならいざ知らず、再生されているBGMも音がブツブツとなりまくり、かなりひどい状況に。

テスト4:千年家族
テスト結果:NG

『千年家族』は、内蔵時計機能を利用してゲームをプレイしていない間もカウントされ時間が進むというのがウリですが、それがエミュレーターや互換機では扱いが難しいようです。しかし、今回のテストではそれ以前に起動すらしませんでした。
テスト5:The Legend of Zelda Classic NES Series
テスト結果:OK(※)

『ファミコンミニ05 ゼルダの伝説1』は、日本版は問題なく動く場合も、なぜかその北米版は起動できないということがあります。ということで、テストしてみたところ無事起動することを確認。しかし、画面はグリッチが入るなど、かなり乱れがちになってしまいます。

テスト6:James Pond Codename Robocod
テスト結果:OK(※)

日本未発売のソフト『James Pond Codename Robocod』ですが、こちらもソフトやハードによっては、起動すら出来ないことがあります。今回のテストでは、ゲーム自体は起動してプレイができるようになっていました。しかし、『ゼルダの伝説』と同じように、画面は乱れがちです。


テスト7:Pinball Tycoon
テスト結果:NG

日本未発売のピンボールゲーム『Pinball Tycoon』。本作のチェックポイントは、ゲーム中に表示される画面下部の電光表示がうまく表示されているかどうか。ということで、テストしてみたのですが、全く表示されずNGに。

テスト8:沈黙の遺跡~エストポリス外伝~
テスト結果:NG

『沈黙の遺跡~エストポリス外伝~』のチェック項目は、電源を入れた後に流れるデモの文字。正常の場合はグラデーションが掛かったように表示されますが、うまく表示できないソフトやハードがあります。今回テストしてみたところ、やはりうまく表示することができていませんでした。ついでに、途中で表示される画像もかなりひどい状態になっていました。


テスト9:Iridion 3D
テスト結果:NG

海外でのみ発売されたシューティングゲームの『Iridion 3D』。こちらのテスト項目は、ゲームオーバー時の表示……なんですが、それ以前に起動時のロゴでループに入ったように全くゲームが進まずNGに。

テスト10:Digimon Racing(EU版)
テスト結果:OK

『デジモンレーシング』は、なぜかヨーロッパ版のみロゴが表示された後でゲームが進まなくなるソフトやハードが一部存在しています。今回もどうせ動かないだろうとタカをくくっていたのですが、なんと問題なく起動しゲームも遊ぶことができました。
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緊急審議入りで最終テスト結果は20点に
ということで、ざっとOKになったタイトルだけを集計すると30点という評価になりました。しかし、そのうち2本はテスト項目自体はクリアしているものの、動作はかなり怪しい様子。はたしてこれをOKとするのはいかがなものか? と悩みました。
そこで今回は、『The Legend of Zelda Classic NES Series』と『James Pond Codename Robocod』の2本についてはそれぞれマイナス5点として、最終的なテスト結果を20点にしたいと思います。
その他のソフトはどんな感じに?
ここまでが規定のテストですが、もちろんこれ以外もいろいろと試してみました。まずはマルチカートリッジの『EverDrive GBA』ですが、こちらはまともに起動せず、画面も乱れたまま映りませんでした。


ところで……このゲーム機のパッケージを見ていて様々な疑問が湧き起こってきました。そのひとつが「高度な互換性!」と「ゲームソフトも遊べる互換機」の謳い文句です。え? 互換性がなんだって? ゲームソフトもって、他に何ができるんだよ!

ま、それはいいとしても、それよりももっと深刻な事も記載されていました。ゲームボーイやゲームボーイカラーのソフトが遊べない事や、ふたりで遊ぶゲームでもひとりでしか遊ぶことはできないというのは、まぁ、なんとか許容範囲です。しかし、聞き捨てならないのが「本製品は、ソフトによってはセーブ機能が利用できない場合があります。」の一文です。
いやいやいや、それはさすがにダメでしょう~! そこは高度な互換性でなんとかしろよと思いつつも、少しだけテストしてみることに。

ためしに『ファイナルファンタジーⅠ・Ⅱ』でセーブが問題ないかチェックしてみましたが、少なくともこのゲームではそうした不具合は発生しませんでした。どんなタイプのゲームでこの問題が発生するのか、というところも気になりますね

通常のゲームプレイのチェックとしては、『マリオカートアドバンス』をプレイしてみました。こちらは、音と絵は汚い物の、ゲームは問題なくプレイ可能。また、『MOTHER1+2』も特に目立つような不具合はありませんでした。


しかし、ちょっとした不具合が発生したのが『逆転裁判』でした。最初に気が付いたのは、外部ディスプレイに出力しているときの映像です。ゲーム中、セリフの枠が表示されるのですが、左端が欠けていたのです。逆に、本体だけでプレイしているときは右側か欠けているように見えます。


また、これも低品質の互換機などではおなじみのグリッチが発生して、キャラクターの絵にラインが入った様な欠けた部分が発生します。これらも含めて、ゲーム自体は遊べたとしても、動作は残念な感じになっています。

総評:ネタとしてのみ購入するのはあり!?
客観的なテストとしては20点ですが、その他もろもろのチェックを経て総合的な評価としては、星5中1のみを与えたいと思います。正直本来のゲームボーイアドバンス互換機として購入するのは、まったくオススメしません。どちらかというと、ゲテモノ食いのアイテムとして入手しておきたいという変わり者の人なら、ひとつ押さえておいてもいいかも……といった程度のマシンであることを認識しておいたほうがいいでしょう。
















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テストの結果点数が低いのは想定内でしたが、今回はそれ以上に出来の悪さが目立っていました。