『TENKU LUNA』レビュー!瞬時に売り切れた国産ゲーミングUMPCの実力はいかに!?

『TENKU LUNA』レビュー!瞬時に売り切れた国産ゲーミングUMPCの実力はいかに!?

天空より5月30日に発売されたゲーミングUMPCの『TENKU LUNA』。こちらは、日本ブランドとしては初となるマシンとして同社が企画したもので、そこそこのパフォーマンスが出せるマシンでありながら、先行予約特価が7万円代から入手できることで大きな注目が集まり、発売前の予約の段階で売り切れてしまいました。

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モデルとしてはSSDが1TBのものと2TBのものがあるのですが、今回は2TBのほうを自腹で購入。まったくの忖度なしに、素直にこちらのマシンがどんな感じなのかレビューしていきたいと思います。

同梱物とスペック

『TENKU LUNA』に含まれているパッケージは、本体のほかマニュアル類にACアダプター、そしてUSBケーブルのみといったシンプルな構成です。また、先行予約者限定で専用のケースも付属していました。

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この『TENKU LUNA』のざっくりとしたスペックですが、プロセッサにハイスペックなAMD Ryzen 7 7840Uを搭載。メインメモリーは32GBの高速LPDDR5を採用。1920×1020の120Hzで出力可能な7インチの液晶ディスプレイを搭載。OSはWindows 11となっています。

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コントローラーは左側にアナログスティックと十字キー。セレクトボタンとホームボタンを配置。右側がABXYボタンとアナログスティック、スタートボタンとマウスモードを切り換えるためのボタン、キーボード呼び出しボタン、クイックボタンが並んでいます。

サイズは横が256mmで縦が113.5mm。サイズは公式では約666gと書かれていましたが、実際に測ってみたところ673gでした。

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本体上部側面には、指紋認証付きの電源ボタンと音量ボタン、省電力モード切替ボタン、排気口などが設置。底面側は、リセットホールとmicroSDカードスロット、オーディオジャックなどが配置されています。

高速のUSB4ポートが上部と底面側の2ヵ所に用意されており、アダプターによる給電のほか、ドックなどに接続して外部ディスプレイへの出力やキーボード、マウス、コントローラーといった周辺機器も使えるようになっています。。

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ストレージに関してはmicroSDカードスロットも用意されているので、そちらを利用することである程度容量不足を補うことも出来そうですね。

初回起動時はWindows11のセットアップが必要

初回起動時のみ、ウィンドウズのセットアップをしていく必要があります。こちらはメニューに従って入力していけばあまり問題はないでしょう。ちなみに、途中で指紋認証の設定を行う画面が出たのですが、何度やってもあまりうまくいかなかったため、今回はスキップしてしまいました。

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ウィンドウズのセットアップが終わったら、SteamやマイクロソフトのXBOX Game Passななど、ストア系のセットアップもしておきましょう。Steam Deckとの違いとしては、ウィンドウズなのでSteam以外のストアのセットアップがめちゃくちゃ楽というところ。

ついでにドックとマウス、キーボードと外部ディスプレイも用意しておけば、さらに快適にセットアップを済ませることができます。

必要な機能にアクセスできるGameAssistant

『TENKU LUNA』ならではの特徴のひとつが、ストアアプリのランチャーとして使えるだけではなく振動や連射機能、タスクマネージャーの呼び出しなど、必要な機能にすぐにアクセスするための「GameAssistant」と呼ばれるアプリが用意されているところです。

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本体右下のクイックボタンを短く押すと、クイックメニューが表示。長押しするとランチャーのように全画面で表示されます。

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しばらくこちらを使っていたのですが、若干動作が怪しく感じたのはストアの呼び出しです。うまく呼び出すことができなかったり、あるいはゲームをプレイ中に突然「GameAssistant」が割り込んで表示されるなど、ときおり煩わしく感じることもありました。

とはいえ、ゲームプレイその物に大きな影響を与えるわけではないということに加えて、アプリ自体もアップデートされていくようなので、あまり気にするほどではないかもしれません。

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▲クイックメニューでも簡易的に設定の変更が行えます。

全体的な動作はまずまず快適

肝心なゲームプレイ中の気になるところですが、サウンド自体はそれほどいいとまではいかないものの、スピーカーに関しては本体前面に設置されており聞きやすくなっています。普通に遊ぶ分にはこれで特に問題は感じません。より高音質でゲームを楽しみたいときは、ヘッドフォンなどを利用することをオススメします。

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この『TENKU LUNA』では、本体背面側の吸気口から空気を取り込み上部の排出口から出すことで温度をさげることができます。ファンの音は静かとはいいませんが、まぁまぁ許容範囲といったところ。本体の熱も、ROG Allyのような爆熱まではいかず、ほんのり温かい程度に押さえられています。

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手に持った感覚としては、若干グリップが浅いため、もう少し深いと持ちやすくなったなという印象です。コントローラー部分で気になったのは、右側のABXYボタンを押しているとき。どうしても配置的にアナログスティックに親指が当たってしまう作りになっているので、こちらももう少し配慮されていれば良かったなと感じる部分でした。

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液晶はかなり美しく視認性もバッチリです。しかし、どうしてもタッチパネルで触ることが多いため、指紋がベトベト付いてしまいます。こちらについては、指紋が付くのを押さえる保護シートなどを貼っておくことで軽減できそうです。

また、本機は6軸のジャイロを搭載しているところも特徴です。といっても通常のPCゲームで使う機会はほぼ無いと思いますが、こちらは別途エミュレーターなどで試してみたいと思います。

パフォーマンスチェック

というわけで、あらためてPCゲームのパフォーマンスをいくつかチェックしてみました。都市伝説解体センターやMULLET MADJACKなど、そもそも動作が軽めのゲームはかなり快適にプレイできます。若干もっさりと感じたのは、ストリートファイター6やThe Elder Scrolls IV: Oblivion Remasteredなどのゲームです。これらのタイトルは、ゲーム内の設定でグラフィックの表示を軽めに調整することで、ある程度プレイの快適度を上げることができます。

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▲これで『メタファー』もクリアまでいけそう!?
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▲『都市伝説解体センター』は超快適にプレイ可能。
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それ以外のHD-2D版のドラクエ3やメタファー、JUDGE EYES:死神の遺言、Clair Obscur: Expedition 33、ディビジョン2などはかなり快適に遊ぶことができました。

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▲HD-2D版の『ドラクエⅢ』は問題なし!
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▲キムタクが如くこと『JUDGE EYES:死神の遺言』。プレイは快適だったが、なぜかmodが機能せず。ピエール瀧に再開することはできなかった。
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このゲームの快適さとは別に、若干操作がしにくく感じたのは、FPSやTPSなどエイムが必要なタイプのゲームです。アナログスティックの感度の問題もありますが、なかなか思ったように動かすことができない印象でした。しかし、本機ではコントローラーのキャリブレーションも調整できるようになっているため、ややピーキーすぎると感じたときは感度調整とデッドゾーン調整を試してみるといいでしょう。

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▲『Division2』はプレイ自体は快適だったものの、アナログスティックのエイムで苦労。
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▲『Clair Obscur: Expedition 33』。プレイ自体はかなり快適。

ざっくりとここまで『TENKU LUNA』をチェックしてきましたが、気になる部分はいくつかあるもののゲーミングUMPCとしてはコストパフォーマンスもよく、最新のPCゲームもある程度問題なくプレイすることができます。サイズ的にもSteam Deckなどよりは小ぶりなので、旅行に持っていくときも邪魔になりません。

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▲キャリブレーションである程度感度を調整することも可能。

先行予約特価よりは価格は7000円ほど上がってしまいますが、興味がある方は公式サイトなどで再販についての続報をチェックしておきましょう。

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。