エイジ・オブ・ワンダーズII~魔導師の玉座~【オールドPCゲームレビュー】

エイジ・オブ・ワンダーズII~魔導師の玉座~【オールドPCゲームレビュー】

※本文はリリース当時の記事に一部校正を加えたものです。

カプコンから2003年3月に発売された、PC向け本格派シミュレーションゲームの『エイジ・オブ・ワンダーズII~魔導師の玉座~』。本作は、ひとことで言うならば『ヒーローズ オブ マイト&マジック』に代表されるようなターン制のファンタジーシミュレーションと同類のゲームで、冒険、戦闘、魔法といった、ファンタジー系ゲームならではの魅力がつまった作品だ。

ターン制のシミュレーションゲームというと、自分のターンが終わった後、コンピュータ側の処理待ちで待たされイライラするということがあるが、このゲームでは同時ターン制が採用されている。ちなみに、ゲームスタート時のオプションで従来のターン制か同時ターン制か選択することも可能だ。

エイジ・オブ・ワンダーズII~魔導師の玉座~【オールドPCゲームレビュー】
▲チュートリアルモードでは、ウインドーが表示され、その都度適切なアドバイスをしてくれる。

タイトルからもわかるように、本作はシリーズとしては2作目にあたる。国内ではあまり馴染みのないタイトルだが、前作は2000年に発売されており、海外ではそれなりに高い評価を得ていたようだ。

シリーズモノとはいっても、ゲームのストーリー自体は独立しており、ゲームを遊ぶ上で特に前作を意識する必要はない。日本語版が発売されるにあたり、吹き替えはないものの、マニュアルやメニューの字幕などはしっかりとローカライズがされている。この手のゲームは英語でも楽しいのだが、やはりストーリーを追いながらじっくりゲームが遊べるのはありがたい。

エイジ・オブ・ワンダーズII~魔導師の玉座~【オールドPCゲームレビュー】
▲FreezeWaterの魔法を唱え、川を凍らすことでユニットが移動できるようになった。魔法は唱えてからすぐに使用できるわけではなく、難易度によって数ターンもかかってしまうものもある。

エバーモアを探索して敵対勢力を倒していこう

ゲームの舞台となるのは、魔法が世界を支配する奇跡の大地エバーモア。かつては平穏だったこの地も、今は昔の話。現在は大気、炎、大地、水、生命、死といった様々な魔法を操る魔導師たちの覇権争いの場となり、混乱を極めている状態となっていた。

そんなある日、主人公の若き王マーリンは、魔導師ガブリエルと出会う。マーリンはガブリエルの話から、エバーモアの現状とそれらが及ぼしている災厄について知ることになる。そして、彼の最後の弟子として魔導師としての修行を積み、世界に平和を取り戻すための冒険に旅立つことになったのだ。

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▲各シナリオの始めと終わりには、重厚なグラフィックとストーリーの紹介がされる。

ゲームの目的は、このエバーモアを探索しながら、他の魔導師と戦ったり、同盟を組みながら敵対勢力を倒していくことにある。逆に、敵に攻め込まれ自分が支配している都市やユニットを失うと負けとなるのだ。

敵陣への攻め時も重要で、たとえばオセロのように序盤たくさんコマをひっくり返していても、後半逆転されてしまうといった感じで、経験が浅いうちはいつの間にか敵の勢力に押されてしまうなんてこともめずらしくない。

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▲敵ユニットと戦闘を行う前に、自分で指揮を取るかどうか選べる。ここで「いいえ」を選ぶと即座に勝敗が決定し、お互いのユニットの損害数などが表示される。

ゲームスタート時、マップの大部分は黒い霧で覆われている。ユニットを移動させていくことでこの霧は取り除かれるのだが、その途中で精霊たちに出会うことがある。精霊たちはプレイヤーの見方になってくれたり、ときにはクエストを頼んできたりする。このように、本編とは直接関係ないサブイベント的な要素もこのゲームはたくさん用意されているのだ。

ゲーム序盤で重要なのが資源の確保だ。本作では、ゴールドとマナという要素があり、それぞれがユニットや建物の建設や維持、魔法の使用に影響してくる。これらはマップ上にアイテムとして落ちている以外に、都市を開発することでも増やすことが可能だ。

慣れないうちは建物やユニットをたくさん作りがちだが、すぐに資源が疲弊しやがて敵ユニットに攻め込まれて手も足も出ない状態になってしまうだろう。

エイジ・オブ・ワンダーズII~魔導師の玉座~【オールドPCゲームレビュー】
▲自分で戦闘の指揮を取るときは、画面が戦闘モードに切り替わる。基本的にはターンごとにユニットを動かして交互に戦闘を仕掛けていく感じだ。

ファンタジーでおなじみの12の種族が登場

主人公のマリーンは人間だが、本作には他にもエルフやフロストリング、ドワーフにアンデッドといったファンタジーではおなじみの種族が全部で12種類も登場する。それぞれの種族別に独自のユニットが存在し、個性豊かな戦闘が楽しめるようになっているのだ。

ユニットはいくつかの種類に分類できるが、一般的な通常ユニットとは別に、特別なタイプユニットが2種類存在する。そのひとつは魔導師だ。このユニットはどちらかというと王様的な立場で、実際の戦場には出向かず都市に留まり開発をしたり、後方から魔法で援護をする役目だ。

ユニットは戦闘で勝利すると経験値を得てレベルが上がっていくのだが、この魔導師は経験値を得ることはない。その代わり、敵に倒されても次のターンで復活することができるのだ。復活する場所が、自軍の都市にある魔導師の塔と決められているため、後方支援に向いているというわけである。

魔導師とは対照的に、実際の戦場で活躍するのが英雄ユニットと呼ばれてるものだ。この英雄ユニットは最初からもっているわけではなく、彼らが志願してきたときに契約を交わすことで自分のユニットとして扱えるようになるのだ。英雄ユニットはレベルを上げたり、マップ上で手に入れた特殊なアイテムを装備させることで、魔導師以上の力を発揮してくれるようになるだろう。

一般的なユニットは、新たな建物を都市に建設することで作るユニットの種類を増やしていくことができる。また、魔法の研究を進めて行くことでも強力な召還ユニットが呼び出せる。ただし、これらは実際に使えるようになるまでかなりのターン数が必要となるので、ある程度長期的なプランが必要だ。

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▲冒険中、様々な精励たちに出会う。彼らから受けたクエストを完了すると、特別なアイテムがもらえるなどの報酬を得ることができる。

シングルプレイのシナリオは20

用意されているシングルプレイ用のシナリオは全部で20。ゲームの大まかな概要と、基本的な遊び方が学べるチュートリアル用のシナリオも用意されているので、分厚いマニュアルと格闘することなくすんなりとゲームの世界に入り込むことができるだろう。

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▲クエストやマップ探索中に入手したアイテムは、英雄ユニットなどに持たせることが可能だ。アイテムを転送する場合、マナが必要なので注意。

本作では、より効果的なシーンを演出するために新開発のグラフィックスエンジンが採用されている。これのおかげか、キャラクターたちの動きはなかなかスムーズだ。敵との戦闘中に魔法を使用したときなどは、派手なエフェクトが飛び交い、これらを見ているだけでも楽しめる。

グラフィックエンジンとは直接関係ないが、ゲーム中に登場するマップは山あり川ありといった感じで高低差がもうけられている。たとえば、川を渡るには船を利用するか、魔法で凍らせる必要があるのだ。ユニットごとにも移動の距離や地形の移動などに制限があり、このあたりもプレイヤーの頭を悩ませるところだ。

シングルプレイ以外に、インターネットやLANを使用して、最大8人までのマルチプレイにも対応している。

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▲英雄ユニットのレベルが上がると、特殊な技能をひとつ覚えることができるようになる。
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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。