※本文はリリース当時の記事に一部校正を加えたものです。
Codemastersより、2003年に発売された人気ラリーレースゲーム『Colin Mcrae Rally 3』。本作は、WRC世界ラリー選手権で活躍中のドライバー「コリン・マクレー」が監修をつとめた本格派のレースシミュレーションである。
ゲームには、三菱ランエボVII、スバル・インプレッサWRX(44S)、フォード・フォーカスRSなど、WRCが公認した実際のラリーカーが21種類も登場。イギリス、アメリカ、フィンランド、日本など8カ国を舞台に繰り広げられる過酷なレースの醍醐味を味わえるのだ。

本シリーズは、単に有名ドライバーの名を冠にしていることだけがウリではなく、レースゲームとしての完成度の高さから多くのファンを獲得してきた作品である。砂利道や雪上、舗装された道路など、条件によって微妙に変化するマシンのリアルな挙動と加速フィーリングの良さ、アクセルやブレーキ操作をするたびにうなるマシンのエキゾースト・サウンドなど、どれをとっても臨場感があり、“車を走らせる”といった基本的な部分で爽快感を味わえる。
もちろんラリーの知識がなくとも、車が大好きな人やレースゲームに興味を持っているユーザならば、あまり難しいことは考えずに十分に楽しめる内容となっている。
シリーズを重ねていくにつれてシステムが複雑になっていき、初心者にとってはとっつきにくいものになってしまうゲームがあるが、本作はゲームとしてのクォリティは向上させていながら内容はいたってシンプルに仕上げられている。
ゲームモードは2種類
ゲームとして用意されているモードはたったの2種類のみ。ひとつは、実際のラリー同様に各国で開催されるレースを戦いながらポイントを争っていくチャンピオンシップモード。もうひとつは、それらの舞台となるコースを単体で走ることができるステージモードである。
チャンピオンシップモードでは、チームと契約し3年間でチャンピオンになることを目指して戦っていく。ゲームの難易度はノーマル、ハード、ベリー・ハードの3種類が用意されており、自分の実力に合ったレベルを選ぶことが可能だ。
ゲームは、マシンのセットアップから始まり、テスト、そして本選といった一連の流れを体験していくことになる。走行中にマシンが受けたダメージは蓄積されていくのだが、次のステージに移行する前に現在のダメージ具合を確認することができる。
今作では、マシンの壊れ方もかなり派手な演出が施されており、ダメージの受け具合によっては窓が割れたり車体がへこむのはもちろんのこと、ボンネットやサイドドアが吹っ飛んでいくこともある。スタート地点では綺麗なマシンも、汚れが付着していきゴール地点ではどろんこのポンコツマシンになってしまっていることもしばしばだ。コースの途中にはいくつかのチェックポイントもあるが、時間オーバーでレース途中でゲームオーバーとなるようなことはないので安心してほしい。

ステージモードは、各国のコースを自由に選択し走れるシングルレース用のモードだ。ひとりでコースを走る以外に簡易的なマルチプレイモードも用意されている。一昔前のコンシューマゲーム機のように、画面分割または順番にプレイしていくといった感じなのだが、最大4人までの同時参加が可能だ。4分割された画面で仲間とワイワイ対戦をするのもなかなかオツなモノかも!? オンラインゲーム全盛の時代にありながら、LAN対戦にも対応していないというのは残念だが、それもよりゲームのシンプルさを求めた結果ということなのかもしれない。


8カ国に分かれたコースは複数のステージで構成されており、そのひとつひとつがかなり個性的なコースとなっている。山道を駆け抜けるスペイン、舗装されていないダートな道が続くオーストラリア、雪が降り注ぐ雪上レースのスウェーデンなど、所変われば条件が変わるといった感じで、まったく質の違う走りが楽しめるのが面白い。


特に注目なのが、日本を舞台にしたコースだ。信州や白馬といった実在する場所がモデルになっているのだが、これがいわゆる峠のようなコースになっているのである。思わず某人気漫画を思い出すようなイメージというほうがわかりやすいだろうか。曲がりくねったコースのいくつかの箇所にはちょっと深い溝があり、“溝落とし”にチャレンジしてみたくなること間違いなしだったりして。

まぁ、それは冗談としても、日本人ならではの楽しめる要素が盛り込まれているのはうれしいところだ。海外で作られたゲームでありながら、コース上には日本でよく見かける民家やお墓まである徹底ぶりで、そのデティールの細かさに思わず舌を巻いてしまうことだろう。