日本でも、昨年よりNetflixで配信が開始された海外ドラマ『コブラ会』。本作は、1980年代に大ヒットした映画『ベスト・キッド』の公式続編として製作されたもので、映画版で主演を務めたラルフ・マッチオやウィリアム・ザブカが出演。彼らが大人になり、弟子を持つ立場になった姿が描かれています。
ということで、見始めたらなかなか止めることができないぐらいにハマってしまった『コブラ会』ですが、なんとそれがファミコンゲームになっていることがわかりました。
どういうこと!? といった感じですが、これは一部マニアの間で流行っている「ROMハック」と呼ばれるもので、元となるゲームにパッチを当てて改造したもののようです。
実はこれを発見したきっかけが、レトロゲームの情報を網羅したデータベースの「LaunchBox」のページを見ているときでした。なんとそこに「Cobra Kai」の文字を発見。「なにこれ?」と思いながら見てみたら、どうやらこのデータベースには「ROMハック」のゲーム情報も含まれているようで、こちらのパッチも2020年3月25日にリリースされたもののようです。
コミュニティの評価も4.2とそこそこ高く、作品のファンでもあったため、早速試してみることに。
『ベスト・キッド』のファミコンゲームを入手
「LaunchBox」によると、この「ROMハック」の作者はpacnsacdave氏でRomhacking.netというサイトで配布されているとのこと。よくよく調べると、元となるゲームとしてNES版『The Karate Kid』(ベスト・キッドの原題で日本未発売)が必要なようです。というわけで、何はともあれネットでソフトを注文して入手しました。
●Cobra Kai Hack of The Karate Kid
http://www.romhacking.net/hacks/5024/
もちろんこのままでは遊べないため、手持ちのファミコン吸い取り機『FCダンパー KAZZO仕様』(現在は廃盤になっており、最新版が発売中です)でROMを吸い出してみることに。
ファミコンはカセット差し込み部分は60ピンですが、海外仕様のNESは72ピンになっています。そのままではダンパーで利用出来ないので、サイバーガジェットの『レトロフリーク 用 NESカートリッジコンバーター』を購入して利用することにしました。
念のためNesCartDBで情報を確認してから、吸い出し開始。完了後、エミュレーターで問題なく動作することを確認しています。
吸い出したROMにパッチを当てる
IPSファイルを先ほど吸い出したROMファイルにパッチを当てて完成となりますが、そのときに便利なツールが『Lunar IPS』です。使い方はとっても簡単で、「Apply IPS Patch」でIPSファイルを選択し、続けてパッチを当てる先のROMファイルを指定するだけでOKです。
●Lunar IPS
https://www.romhacking.net/utilities/240/
パッチが当たったら、早速エミュレーターで動作チェックを行いましょう。試してみたところ、こちらも問題なくパッチが当たっていました。
完成したROMファイルは、そのままエミュレーターで遊ぶほか、マルチカートリッジの『EverDrive』などに入れて、実機のファミコンやファミコン互換機などで遊ぶことができます。それでもいいのですが、セーブステートなどが使えてやり直しも簡単にできそうなことから、今回はあえてレトロフリークで遊んでみることにしました。
レトロフリークで遊ぶ方法は簡単で、本体からSDカードを抜き出し「RetroFreak」の中の「Games」フォルダに突っ込むだけです。あとは普通にレトロフリークを起動して、ゲームを選択して遊びましょう。
ファミコン版『コブラ会』に挑戦!
長々と準備してきましたが、ようやくプレイ環境が整ったのでファミコン版(正確にはNES版!?)の『コブラ会』を遊んでみました。ドラマでは、映画でライバル役だったジョニー・ロレンスが「コブラ会」を復活するということころから、様々な物語が展開されていきます。
ということで、本作でも映画とは逆のパターンでジョニーを操り、旧コブラ会の道場主であるジョン・クリースと共に修行を積んで、弟子のミゲルを救い出すためにミヤギ道場に殴り込んでいくという内容になっています。
基本的なゲーム内容は、オリジナルの『The Karate Kid』とほぼ同じなのですが、ドラマを見ている分、感情移入して遊ぶことができました。
最初のステージは、道場でジョン・クリースとの修行です。ここで勝たないと外に出られないのですが、負けるときはあっさり負けてしまいます。しかし、あまり余計なことはせずにパンチだけ繰り出していると、あっさり勝つことができました。
第2ステージは、『ベスト・キッド』や『コブラ会』の主要なロケ地として知られる、ロサンゼルスのリシーダです。ここからは基本的には横スクロールアクションになっており、次々現れる敵を倒していきながら右方向に進んでいきます。
ランダムでミニゲームも遊べる
本作では、ステージ途中にある入り口に入ると、ランダムでボーナスステージが開始されます。ミニゲームは全部で3種類。ゲームクリア自体には影響はありませんが、高得点を目指しましょう。
ステージ3は、いよいよ敵の本陣であるミヤギ道場に殴り込んでいきます。基本的にはこれまでと変わらないものの、ここの鬼門はなんといっても隙間の空いているスペースでの連続ジャンプゾーンです。
このゲーム、ジャンプは十字キーの斜め入力で行うのですが、これがイライラするレベルで操作がしにくいのです。そのため思うように動かすことができず、ちょっとした段差でも詰まってしまいます。今回は、レトロフリークのセーブステート機能をフル活用してなんとか乗りきることができました。
ラストステージは、夜のシーン。こちらではガイコツスーツを身にまとった状態で戦っていきます。これまた基本的にはこれまでのステージ同様なのですが、ラストはビール瓶(?)を落とさないように敵にダメージを与えて倒すことで、ようやくゲームクリアとなります。
オリジナルゲーム同様、全体的なステージのボリュームはあまりありませんが、まぁ、これぐらいのほうがサクッと遊べていい感じですね!