正規ライセンスで名作ゲームが遊べる! カートリッジ交換式携帯レトロゲーム機『Evercade EXP』レビュー

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Blaze Entertainmentから発売されている、カートリッジ交換式のゲーム機『Evercade』シリーズ。据え置きタイプから携帯ゲーム機タイプまでいくつかのデバイスがリリースされていますが、今回レビューとしてお届けするのは後者の携帯ゲーム機タイプである『Evercade EXP』です。

●Evercade EXP公式ページ
https://evercade.co.uk/exp/

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▲『Evercade EXP』のパッケージ。
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▲こちらはパッケージの裏面。

そもそも『Evercade』ってなんだ? という人向けに少しだけ説明しておくと、ゲーム会社が保有しているIPの正式ライセンスを受けて販売されている商品で、最大の特徴はゲーム機本体とは別にカートリッジ式のゲームパックが売られているところ。いわゆるファミコンなどの時代のゲーム機に近いイメージかもしれません。そのゲームカートリッジ自体は、対応しているデバイスであれば使えるというところも特徴のひとつです。

先日姉妹ブランドのHyperMegaTechから携帯ゲーム機『Super Pocket』が発表されましたが、そちらでも『Evercade』のカートリッジを使用することができます。

この記事を書いていている時点で、『Evercade』は50種類発売されており、アーケードゲームやファミコンなど8ビット時代のゲームからPCゲームまで、幅広く取り扱っているところもポイントといえます。リージョンフリーでこれらのゲームを遊ぶことはできるのですが……ひとつだけ残念なポイントは日本語には対応していないところ。それさえ気にしなければ、懐かしのゲームをいつでもお手軽に楽しむことができるってわけですね!

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ということで、早速本題に……といいたいとろなんですが! 実はこのゲーム機を入手するのに無駄にめっちゃ苦労してしまったので、そちらも共有しておきたいと思います。興味がない人は少しだけ読み飛ばしても、全く問題ありません(笑)。

3回目の正直でようやく日本に届いた!?

この『Evercade EXP』は日本では売られていなかったので、公式サイトを見てみるといくつかのサイトで取り扱っていることがわかりました。そのひとつがSTONEAGE GAMERだったのですが、いかんせん送料が45ドルとかなりお高くなっています。

そこで次に目を付けたのが米国版アマゾンです。こちらは送料が2種類から選べるようになっており、高い方が26.90ドル、安い方が12.04ドルで、当然高い方が若干配達されます。トータルでも2万円台前半ということで注文したのですが、なんと途中で配達不能に。

そもそも、注文時に英語の住所で記載したはずだったのですが、どうやら日本側のアマゾンと勝手にデータのリンクが行われているのか、日本語のものに置き換わってしまっているようでした。

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ま、途中で荷物がなくなってしまったりと、いろいろ不具合が発生することもあるよなと思い、気を取り直して注文し直して見たものの、やはり2度目の注文も住所が買ってに英語表記から日本語表記に変えられてしまいます。それだけならまだしも、住所が番地までしか記載されて折らず部屋番号まで出ていません。当然こちらも途中で住所不具合で荷物がストップ。2回連続で米国アマゾンのサポートとチャットで返金処理をしてもらうことになってしまいました。

おそらく住所が問題であろうという予測が付いていたので、あらかじめ日本のアマゾンでも英語表記のものをメインに変更してから、米国アマゾンでも同様に設定。注文時の配達住所も英語表記になっていることをしっかりと確認した上でちゅうもんしたところ、3度目の正直でようやく荷物が日本に届きました。最初に注文をしたのが7月の終わりだったのですが、まさか最終的に届いたのが9月になるとは夢にも思いませんでした。

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▲値段が微妙に違うのは、最初だけ高い送料のオプションを選んだのと、この間に値下がりがあったことが理由です。

Evercade EXPのスペック

まずは、この『Evercade EXP』のパッケージの同梱物と本体、スペックなどをチェックしていきましょう。パッケージを開けると、いきなり登場するのがゲーム機本体です。特に何かにくるまれているということはなく、そのままといった感じで入っています。

その下には、充電用のUSBケーブルと、同梱されているソフトのパッケージ、ゲームのマニュアルと簡易説明書的なものだけと、かなりシンプルな構成です。

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▲箱を開けたところ。
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▲ゲーム機本体の下側には、付属のカートリッジとマニュアル、ケーブル類が入っています。
ディスプレイ4.3インチ IPS スクリーン (800×480)
内蔵ゲームカプコンのゲームが18種類内蔵
画面モード通常の横画面に加えて縦画面向きの「TATE」モードに切り替え可能
プロセッサ1.5Ghzプロセッサ
メモリー4GB
スピーカーステレオスピーカー
ポートUSB-C 充電ポート (ケーブル付属)
バッテリー3000mA(4~5時間のゲームプレイが可能)
サイズ192.7 mmx 78.5 mmx 20.7 mm

白いボディが美しいEvercadeシリーズの携帯ゲーム機『Evercade EXP』。本体にカプコンの有名タイトル18本を内蔵しているほか、アイレムの名作タイトルを6本収録したカートリッジコレクションの『IREM Arcade 1 』がバンドル。これだけで24本のタイトルが遊べるようになっています。

本体下部には、電源スイッチのほかイヤホンはジャックや音量ボタン、電源共有用のUSBポートにスピーカーのほか、TATEモードに切り替えができるボタンが設置されています。

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コントローラー関連のボタン配置は、左に十字キーで右がABXYボタンと、スタートボタン、セレクトボタン、それに加えてメニューボタンが配置されています。また、左側の下には「TATE」モード時に使用するABボタンも用意されています。

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本体上部には、電源ボタンにカートリッジスロットのほか、HDIMI miniが用意されており、映像を外部出力することもできます。

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本体背面側は若干ざらついたはだざわりになっており、高級感があります。ロゴマークなどの他廃棄用の穴なども設けられていますが、少しゲームを遊んだ程度ではそれほど本体が熱を持つこともなく、快適に遊ぶことができました。

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▲サイズは大きすぎず小さすぎずといったところで、持ちやすさもまずまず。

タイトルメニューで簡単にアクセス

『Evercade EXP』を起動するとゲームタイトルが並んだ画面が表示されます。ちなみにカートリッジが刺さっている場合はそちらが優先して表示されるようになっており、そうでない場合は内蔵タイトルの画面が表示されるといった感じです。

画面左側に切り替えメニューがあり、一番上のカートリッジのアイコンが挿しているカートリッジの選択、中央の「EXP」と書かれたものが内蔵タイトル、一番下の歯車は設定画面です。

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▲カートリッジが刺さっているときのトップ画面、

内蔵されているカプコンのタイトル

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▲こちらは内蔵タイトル。

・1942年(アーケード版)
・1943年(アーケード版)
・1944:THE LOOP MASTER(アーケード版)
・バイオニックコマンドー(アーケード版)
・キャプテンコマンドー(アーケード版)
・戦場の狼(アーケード版)
・ファイナルファイト(アーケード版)
・ロストワールド(アーケード版)
・大魔界村(アーケード版)
・Legendary Wings(アーケード版)
・戦場の狼II(アーケード版)
・ストリートファイターII’ TURBO((アーケード版)
・ストライダー飛竜(アーケード版)
・バルガス(アーケード版)
・ロックマン(NES版)
・ロックマン 2(NES版)
・ロックマンX(SNES版)
・ブレス オブ ファイア(SNES版)

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▲内蔵タイトルからカプコンのバナーを選ぶと、各タイトルのリストが表示されます。
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▲ちなみにファミコンの『ロックマン』は英語タイトルの『Mega Man』になっており、パッケージイラストももちろもあれです。

オマケで付いていてくるアイレムのカートリッジ

内蔵タイトルとは別にアイレムの名作タイトルを6本収録したカートリッジコレクションの『IREM Arcade 1 』がバンドルしており、こちらには下記のタイトルが収録されています

・R-Type(アーケード版)
・ムーンパトロール(アーケード版)
・海底大戦争(アーケード版)
・ミスターヘリの大冒険(アーケード版)
・剣豪(アーケード版)
・10ヤードファイト(アーケード版)

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ゲームの簡易マニュアルも付属

なかなか馬鹿にできないのが、一緒に付属しているマニュアルです。内容としてはゲームの内容と操作方法が書かれた簡易的なものではあるものの、タイトルによってはコマンドの出し方など詳しく記載されているものもあります。つまり、最低限の情報はのせられているといった感じですね。

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縦シューも快適にプレイ出来るTATEモードを搭載

この『Evercade EXP』の特徴のひとつともいえるのが、縦持ちでゲームがプレイ出来る「TATEモード」が搭載されているところです。ゲーム機を縦持ちして遊べるようにするといえばワンダースワンが有名ですが、まさがそれ以外のゲーム機でも採用されることになるとは。しかもネーミングが「TATEモード」という、まんま日本語が採用されているところもおもしろいですね!

実際に「TATEモード」でゲームをプレイしてみましたが、たしかに横画面でプレイするよりは視認性が向上しています。縦長にゲーム機を持つので若干持ちにくさはありますが……ま、こちらは許容範囲といったところでしょうか?

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スキャンラインやベゼル、テーマなども変更可能

その他、視覚的な変更可能な機能もいくつか盛り込まれています。「Aspect ratio(アスペクト比)」の項目ではデフォルトの「Original Ratio」に加えて「Pixel Perfect」と「Fullscreen」が用意されています。このゲーム機でプレイする場合は「Pixel Perfect」を選ぶと画面が小さくなりすぎるのであまりおすすめしません。

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スキャンラインは、画面を昔のディスプレイ風にできるエフェクト機能です。デフォルトは「None」ですが、「Subtle」と「Strong」の2種類のオプションが設定出来ます。

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▲スキャンラインで「Subtle」を選んだところ。
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▲「」スキャンラインで「Strong」を選んだところ。

画面のサイズに比べて表示できる範囲がどうしても狭くなりますが、その隙間を様々なグラフィックで埋める「BEZELS」というオプションも用意されています。デフォルトでは「OFF」になっており黒い表示になっていますが、カラフルなデザインに変更することも可能です。

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▲「BEZELS」で「Rchid Lotf」を選んだところ。

また、メイン画面のテーマのいくつか用意されています。デフォルトは青い画面が印象的な「Blue and Gold」が選ばれていますが、テーマを別のモノに変更するだけでも、ずいぶんと印象が変わります。

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▲テーマを「Light」にしてみたところ。
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▲ちなみに、設定で選べる言語に日本語は含まれていません。

コストパフォーマンスはかなりヨシ!

送料含めて2万1610円で購入したわけですが、思っていた以上にコストパフォーマンスがよいと感じました。追加でカートリッジを購入してお気に入りのゲームを遊ぶこともできますが、これだけでもかなりの数のゲームが遊べるのはうれしいところですね!

少しでも興味を持った方は、まずは公式サイトをチェックしてみてください。

●Evercade EXP公式ページ
https://evercade.co.uk/exp/

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。