『ボンバーマン』といえば、爆弾を投げ合ったり爆風で相手を倒す戦術性の高い対戦アクションゲームというイメージですが、その元祖ともいえるファミコン版の『ボンバーマン』は、なんと対戦モードは搭載されておらず、ひとりでプレイするアクションパズルゲームとしてリリースされたゲームでした。
ちなみに元祖と書きましたが、実は本作よりも以前にパソコン用ゲームとして『爆弾男』と『三次元ボンバーマン』がリリースされています。また、対戦モードは1990年にゲームボーイで発売された『ボンバーボーイ』で初めて採用。さらに同じ年にPCエンジンで発売された『ボンバーマン』で、5人で戦える本格的な対戦モードを搭載した作品が発売されています。

ランナーくんが人間になるために地上を目指す!
簡単に『ボンバーマン』のゲーム内容をご紹介しておきましょう。プレイヤーが操るのは、ボンバーマンというキャラクター。実は中身はファミコン版『ロードランナー』の主人公であるランナーくんという設定で、その彼が昔ロボットだった時代に迷宮を抜け出して人間になることを目指すというストーリーになっています。
ボンバーマンはAボタンを押すと爆弾を置くことができます。それでレンガを爆発して壊したり、爆風のダメージで敵キャラクターを倒していきます。すべての敵を倒し、どこかのレンガに隠されている扉を見つけて中に入ると、次のステージに移動することができます。

各ステージに必ず1枚パワーアップパネルが隠されています。このパワーアップパネルには、爆風のレベルが上がったり同時における爆弾の数が増えるものなど、様々なものが用意されています。これらを駆使して全50面クリアを目指していくのが本作の目的です。
ちなみにプレイ中の注意点としては、扉に爆風を当ててしまうと敵キャラクターが飛び出してきて倒さなければいけない敵が増えてしまいます。また、パワーアップパネルに爆風が当たってしまうと消えてしまうので気を付けましょう。さらに制限時間内にクリアできないと素早く強い敵キャラクター「ポンタン」が出現してしまいます。


最初の面の方が難しい? ちょっと変わったゲームバランス
はっきりいってこのゲーム、なんといっても難しいのがゲーム序盤です。基本的にいくつかのパワーアップパネルの効果は死んでしまうと無くなってしまいますが、爆風のレベルや出せる爆弾の数などは死んだ後でも引き継がれます。そのため、そうしたブーストがかかっていないゲーム序盤では敵を倒すのにも苦労し、ヘタをすると制限時間内にクリアすることも難しく感じるかもしれません。

仮にゲームオーバーになったときも安心してください。なんとパスワードが表示され、それを次回のプレイ時に入力することで続きが遊べるようになっています。
……が、
このパスワード長過ぎぃ~!!

しかも、AボタンもBボタンも同じように文字が変わっていく使用で、バックスペースキーもないため、打ち間違えると最初から入力しなおさなければなりません。
しかし、実はそれはあまりたいした問題ではありませんでした。
ゲームは1日1時間……じゃなかったのか!?
当時ハドソンの社員だった高橋名人は、「ゲームは1日1時間」という格言を残しました。これはゲームばかりで遊びすぎないようにという意味で言われたものだとは思いますが、この『ボンバーマン』にはそんな配慮は一切無し!!
というか、途中でゲームをやめることができない仕様になっています。ゲーム序盤こそすぐ死んでしまいますが、徐々にボンバーマン自体が強くなっていき「リモコン」や「壁通過」などのアイテムを入手すると、もはや操作ミスぐらいでしか死ぬ要素がなくなってきます。しかも、やればやるほど残機が増えていき、途中からは20機以上残っているのが当たり前の状態に。

仕方なくそのままプレイを続け、結局全50面まで一気にクリアしてしまいました。

まとめ
当時あったほかのゲームよりも若干難易度は低めに作られているということもあり、誰でもクリアできるようなゲームになっています。しかし、上記に記載したように途中でやめるのが難しいので、じっくり遊べるときを選んでプレイしたほうがいいでしょう。
ゲームは1日3時間ぐらい
を目標にクリアを目指しましょう(笑)。

text.レトロゲームライター 高島おしゃむ