デジタルコレクションというもうひとつの理想郷――Nintendo Switch『ナムコットコレクション』レビュー

デジタルコレクションというもうひとつの理想郷――Nintendo Switch『ナムコットコレクション』レビュー

数ヵ月ぶりに『あつ森』のゲームカードを本体を引き抜きました。その理由は、楽天ブックスに注文していたNintendo Switch向けゲーム『ナムコットコレクション』が届いたからです! というわけで、バンダイナムコエンターテインメントより、6月18日に発売された本作ですが、そのライトなレビューをお届けしたいと思います。

あ、ちなみにゲーム自体はほとんどプレイしてないため、そちらの内容には触れていません。

デジタルコレクションというもうひとつの理想郷――Nintendo Switch『ナムコットコレクション』レビュー
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▲パッケージ背面。

ゲームが届く前から、ツイッター上で話題になっていたのが、ダウンロードコンテンツとして配信されているほうでした。どうやら、購入したタイトルと実際に遊べるものが異なっていたのだとか。今回筆者が購入したのはパッケージ版だったので、影響はなさそうな感じです。

ちなみに収録されているタイトルは、初代『パックマンCE』をファミコン風にアレンジして収録した『パックマン チャンピオンシップエディション(FCアレンジ版)』のほか、『パックマン』『ドルアーガの塔』『スターラスター』『ギャラガ』『バトルシティ』『ファミリージョッキー』『妖怪道中記』『ドラゴンスピリット』『クインティ』『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』の10本。

これだけのファミコンソフト、もしリアルに集めようとすると「ホント、お金があったら わたくしが買い取りたいぐらいなんですけどね・・・」と、フータのようなセリフをいいたくなるようなラインアップとなっています。

デジタルコレクションというもうひとつの理想郷――Nintendo Switch『ナムコットコレクション』レビュー

ちなみに、20本購入特典として、『ギャプラス』をファミコン風にアレンジした『ギャプラス(FCアレンジ版)』がもらえるとのこと。また、ダウンロード版は無料でクライアントが入手可能になっており、なんとそちらには『ワギャンランド』が収録されています。あとは、ちまちま買い集めていくといった楽しみ方もできるというわけですね!

今回は楽天ブックスで購入したのですが、こちらには特典としてゲームソフトのパッケージを印刷したマグネットが付属していました。今となってはなんでこれを欲しがったのかは忘れましたが、すぐに無くしてしまいそうです(笑)。

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▲よく見ると『バトルシティ』が逆に写っているけど、気にしない。
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▲それにしても、Switchのゲームパッケージって、なんでこんなに開けにくいんでしょうか!?

ゲームを起動して真っ先に驚かされたのが、堅苦しい利用規約の画面。16ページにもわたりいきなり読まされるので、若干興ざめしてしまいます。今回はパッケージ版だったのですが、その後入手したソフトが次々に表示されていきます。

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▲ダウンロード版と共有のためか、こうした演出はパッケージ版でも表示されるようになっています。
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▲パッケージ版の中身。

遊ぶよりも飾るのが楽しくなるディスプレイ画面

なんだかんだあって、ようやくゲーム画面らしきものが現れると、そこに表示されているのはまさに棚! 飾ってあるソフトから直接ゲームにアクセスできるほか、『エヌシー2020』という雑紙風のメニューから購入したゲームやその特典が見られるようになっています。

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ちょっと嬉しいのは、マニュアルもしっかりデジタルで読めるようになっていたところ。これだけでも資料的価値がありそうです。

デジタルコレクションというもうひとつの理想郷――Nintendo Switch『ナムコットコレクション』レビュー

この棚の部分にはスペースがあり、自分が所有しているゲームソフトや付属のフィギュアを、好きな位置に配置することができます。まさにデジタルなゲーム棚を作り上げていくことができるというわけですね。しかも、これが結構楽しいという・・・・・・。

デジタルコレクションというもうひとつの理想郷――Nintendo Switch『ナムコットコレクション』レビュー
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どこでもセーブや巻き戻し機能もあり

ゲーム関連としては、ZLボタンを押すことでシステムメニューが呼び出せるようになっており、最大4ヵ所までプレ状況を保存しておくことができます。また、『Nintendo Switch Online』のように、Lボタンを押すことで少し前の状況に巻き戻すこともできるので、大人にも優しい作りになっているといえます。

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メニューではこのほか、「スクリーン設定」としてアスペクト比の変更や「壁紙設定」で壁紙の変更も行えるようになっています。

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リアルな場所を取らないデジタルコレクションは新たな理想郷になりうるのか?

ツイッターのフォロワーにレトロゲームコレクターの方が多いので、そうした関連のツイートを見ていて最近思うことは、「なんだか大変そうだな~」ということです。他人の趣味にケチを付けるつもりはないものの、コレクターの多くはゲームを集めることが目的になっているため、必ずしも遊びたいゲームを買っているわけではなさそうという感じがしてしまうのです。

また、最近はコレクターの数が増えてきたということもあり、一部ソフトの中古の価格も上がってきています。中には数十万円もするというプレミアムソフトも登場してきました。そうした状況に合わせるように、偽物を作り売りさばくという不届き者の数も増えてきています。まさに、コレクターを狙い撃ちした魑魅魍魎とした世界になってきているのかもしれません。

ちなみに筆者の場合は、ゲームソフト自体をコレクションしたいという欲はあまりなく、単純に資料として購入している場合がほとんどです。それでも、綺麗なパッケージを見かけるとついつい購入してしまうこともあり、またそれが楽しく感じたりもします。

iPadが出た時に、本をスキャナーで取り込んでpdf化してデジタルデトックスするという、いわゆる「自炊」というのが流行りました。かなりの数の本をpdf化することで、棚がスッキリして嬉しくなった記憶があります。

また、筆者は自宅に1000枚ほど入れられるCDラックを持っており、以前はそこに自分のコレクションを入れていましたが、すべてiTunesに取り込んでデジタル化して、CDそのものは処分しています。そのため、可能ならば、ゲームもデジタル化して必要なもの以外はできる限り手元からなくしていきたいと感じている部分があります。

権利だけを与えられる状況から脱することができるか

といいつつも、今回はあえてパッケージ版の『ナムコットコレクション』を購入したわけですが、それはデジタル化はしたいものの、権利だけ与えられているような状況では満足できないというのが理由のひとつです。たぶんこのあたりがデジタルコレクションのネックになる部分だとおもうのですが、たとえばiTunesやKindleで音楽や本を買うこと自体に抵抗はないものの、そのサービスがいつか終わってしまったら利用出来なくなるという状況はできるだけ避けたいという思いがあります。

いつでもどんなときでも、MP3やpdfのように、ゲームも利用できるようになっているというのが理想というわけですね。このあたりに関しては、以前よりはかなりハードルが下がってきた感じはしています。

物理的な場所を取らないデジタルコレクションはひとつの夢ですが、今回の『ナムコットコレクション』のように、小さい単位でもそれを実現できるのは場所を取りたくないコレクターにはかなりありがたい商品の登場といえます。レトロゲームミニにも似たような側面がありましたが、現行機種でこうしたものがどんどんでてくるようになってくると、デジタルコレクターという新たな趣味を持った人たちが増えていくかもしれません。

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▲男には穴を埋めたがる習性があるといいますが、このスペースをほかのソフトで埋めていきたいですね!

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©2017 Nintendo ※Nintendo Switchのロゴ・Nintendo Switch・Joy-conは任天堂の商標です。