PCSX2をベースに開発されているiPhone/iPad向けPlayStation 2エミュレーター「ARMSX2」のiOS版2.6.0が公開されました。
●ARMSX2 iOS 2.6.0 release information
https://github.com/ARMSX2/ARMSX2/releases/tag/iOSv2.6.0
今回のアップデートで特に大きいのが、ゲームプレイ中だけではなく、ゲームライブラリやBIOS、各種設定、ポーズメニュー、ゲーム別設定、シェーダー、テクスチャパックなど、アプリ全体をゲームコントローラーから操作できるようになったことです。
これにより、iPhoneにゲームコントローラーを組み合わせたときの使い勝手が大きく向上しています。
セーブステートにはオートセーブやUndo機能が導入されたほか、AirPlayやシェーダー、テクスチャパック関連の機能も強化されています。単なるエミュレーション性能の向上にとどまらず、iPhoneやiPadをPS2用の携帯ゲーム機のように扱いやすくするための大型アップデートといえそうです。
アプリ全体をゲームコントローラーだけで操作可能に
ARMSX2 iOS 2.6.0では、Games、BIOS、Settingsの各タブをはじめ、ポーズメニュー、ゲーム別設定、Shaders、Texture Packs、ゲームメニュー、ポップアップ、RetroAchievementsなど、アプリ内の幅広い画面をゲームコントローラーから操作できるようになりました。
基本操作は、方向キーまたは左スティックで項目を移動し、右スティックでスクロール。×ボタンで決定、○ボタンで戻るというものです。
ゲームライブラリでは□ボタンからゲームメニューを呼び出したり、△ボタンでお気に入りに追加したりすることもできます。
さらに、文字入力用の「OrbitKeys」も追加されています。グリッド形式とQWERTY形式のキーボードが用意されており、ゲーム名やセーブスロット、テーマの名称変更、RetroAchievementsへのサインインなどもコントローラーから行えます。
コントローラーマクロも利用可能で、「Select+Start」でポーズメニュー、「Start+R2」でクイックセーブ、「Start+L2」でクイックロードといった操作が用意されています。
アプリを起動したあと、ゲームの選択から各種設定、セーブまでをゲームパッド中心で完結できるようになったことは、今回のアップデートでも特に大きなポイントです。
セーブステートを刷新。オートセーブとUndoを導入
セーブステート機能も大きく作り直されています。
新しい画面では8個の通常スロットに加えて、「Auto-save」と「Quick Save」を用意。それぞれ保存日時やプレイ時間が表示され、最新のセーブには「Latest」の表示も付くようになりました。
オートセーブは標準で有効になっており、デフォルトでは10分ごとに保存されます。
さらに、ゲームの停止、別のゲームへの切り替え、リセット、メニューへ戻ったときにも自動保存が行われます。保存間隔は5分、10分、15分、30分から選択可能です。
また、従来の確認ダイアログに代わって「Undo」機能も導入されました。
セーブデータの上書きやロード、削除を行ったあとでも、一定時間であれば操作を取り消せる仕組みです。誤って別のステートをロードしたり、必要なスロットを上書きしてしまったりした場合の保険としても役立ちそうです。
さらに、バッテリー残量が5%まで低下して充電されていない場合は、即座にオートセーブを実行。その後は充電が開始されるまで1分ごとに保存する仕組みも追加されています。
AirPlayでテレビとiPhoneの画面を使い分け
AirPlay関連も改善されています。
AirPlayを使用すると、ゲーム映像とOSDはテレビ側に表示しながら、画面上のコントローラーや各種メニューはiPhone側に残すことが可能になりました。
つまり、iPhoneを操作用の端末として手元に置きつつ、PS2のゲーム画面だけをテレビに映すといった使い方ができます。
外部ゲームコントローラーと組み合わせれば、iPhone/iPadを本体代わりにしてテレビで遊ぶ、据え置きゲーム機に近いスタイルも構築しやすくなっています。
なお、ジャイロ操作などは引き続きiPhone側を基準として扱われます。単純な画面ミラーリングではなく、テレビとモバイル端末の役割を分けて利用できる点が特徴です。
iOS版でシェーダーとテクスチャパックに新対応
今回からiOS版でも、シェーダーとテクスチャパックが本格的にサポートされました。
シェーダーについてはRetroArchの「slang」形式をMetal上で利用でき、800種類以上のプリセットを収録したカタログからダウンロードできます。
複数のシェーダーを重ねたり、パラメーターをリアルタイムで調整したり、ゲームごとに異なるシェーダーを設定したりすることも可能です。
テクスチャパックも設定画面やゲーム別設定から利用できるようになり、共有カタログからのダウンロードに加えて、ZIPやtar.zst形式でのインポートにも対応しています。
ゲーム画面の見た目を好みに合わせて変更したいユーザーにとっても、iOS版の自由度が大きく高まったアップデートといえそうです。
iOS 17.4以降が必要。導入にはJIT環境も
ARMSX2 iOS 2.6.0では、動作環境としてiOS 17.4以降が必要です。
公式のiOS向け配布情報ではLiveContainer、SideStore、Featherなどを利用する方法が案内されており、App Storeから一般的なアプリと同じようにインストールする形ではありません。
また、ARMSX2では十分なエミュレーション速度を得るために、JITを利用できる環境が推奨されています。JITを利用できない場合はインタープリター動作となり、多くのゲームでは十分な速度が得られない可能性があります。
PS2のBIOSやゲームデータについてもARMSX2には付属しておらず、ユーザー自身で適切に用意する必要があります。
エミュレーションコア側でも多数の改良が取り込まれており、「Ridge Racer V」「Xenosaga Episode III」「Shin Megami Tensei: Nocturne」「Digital Devil Saga」など、複数タイトル向けの描画修正がPCSX2 upstreamから反映されています。
そのほか、アップスケーリングやMetal、ソフトウェアレンダラー、メモリーカード関連などにも多数の改善が加えられています。
今回の2.6.0は、こうした互換性や描画面の改善以上に、iPhone/iPadでARMSX2を実際に使うときの操作性が大きく向上したことが特徴です。
ゲームコントローラーを取り付ければ、ゲームの選択から設定変更、セーブ、終了までアプリ内の操作をほぼゲームパッドだけで行えるようになり、iPhoneやiPadをPS2用の携帯ゲーム機のように使う際の利便性がさらに高まっています。















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