脱獄済みのPlayStation 5(PS5)向けHomebrew「PS5CEMU-HAR」の最新版となる「2.0.0 B」が、2026年10月3日に公開されました。
「PS5CEMU-HAR」は、Wii Uエミュレーターの「Cemu」とニンテンドー3DSエミュレーターの「Azahar」をひとつのPS5向けアプリに統合した非公式プロジェクトです。今回のアップデートでは、新たに「Artic Base」へ対応し、ユーザー自身が所有する3DSからネットワーク経由でゲームを利用できるようになっています。
●PS5CEMU-HAR公式GitHub
https://github.com/premohq/PS5CEMU-HAR
●PS5CEMU-HAR v2.0.0b リリースページ
https://github.com/premohq/PS5CEMU-HAR/releases/tag/v2.0.0b
PS5ひとつでWii Uと3DSのエミュレーションに対応
「PS5CEMU-HAR」は、脱獄済みPS5でetaHENを利用して動作するHomebrewアプリです。Wii U向けにはCemu、ニンテンドー3DS向けにはAzaharが組み込まれており、起動後の画面から利用するエミュレーターを選択できます。
操作にはPS5のDualSenseを使用します。Wii U側ではDualSenseをWii U GamePadとして利用できるほか、タッチパッドをGamePadのタッチスクリーンとして使用することも可能です。3DS側でもタッチパッドを下画面として利用でき、ジャイロや加速度センサーを利用したモーション操作にも対応しています。
なお、開発者によるとWii U側については、これまで試した多くのタイトルで映像、操作、サウンド、セーブが動作しているとのこと。一方で3DSエミュレーションは2.0.0から追加されたばかりで、実機PS5上でのテストはまだ十分ではないとしています。
注目は実機3DSとつながる「Artic Base」
「2.0.0 B」で特に注目したいのが、新たに追加された「Artic Base」への対応です。
Artic Baseを利用すると、自分が所有する3DSをネットワーク経由でPS5側のAzaharと接続し、3DS側のゲームをそのままゲームソースとして利用できます。PS5側へあらかじめゲームデータをコピーしておく方法とは異なり、実機3DSと連携してゲームを利用できるのが大きな特徴です。
利用時は3DS側でArtic Baseを起動し、表示されたアドレスをPS5側から指定して接続します。同じ画面から「Artic Setup Tool」を実行することで、3DSのシステムファイルをAzahar側へコピーする機能も用意されています。
これまでの「PS5上で3DSエミュレーターを動かす」という使い方に加えて、実機3DSそのものをネットワーク越しのゲームソースとして利用できるようになった点が、今回のアップデートで最も大きな変化といえそうです。
3DSの音声やメモリリークも修正
3DS関連では、エミュレーション品質に関わる複数の問題も修正されています。
これまでAzaharの音声は、本来の3DS側の32,728Hzを適切に処理できておらず、音程が高くなったり音が揺れたりする問題がありました。2.0.0 BではPS5側の48kHzへ正しくリサンプリングするよう修正され、負荷が高い場面での音割れについても改善されています。
また、キーボードやエラー画面などのシステムアプレットを開くたびにメモリが解放されない問題も修正。CIAファイルのインストール時には、Azaharで利用できるのが復号済みのCIAファイルのみであることが、より分かりやすく表示されるようになっています。インストール済みのデモがライブラリへ表示されるようになった点も変更点のひとつです。
さらに3DS用のゲーム内メニューにはCPUクロック設定が追加されました。標準は100パーセントですが、開発者によれば、ゲームによってはクロック設定を下げることで動作速度が改善するケースもあるとのことです。
Wii U側ではシェーダーキャッシュのクラッシュを修正
Wii U向けのCemu側にも修正が加えられています。
別のCemu環境から持ち込んだシェーダーキャッシュを読み込んだ場合、一部のデータ形式を正常に処理できずゲームがクラッシュすることがありました。特に「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」では、共有したシェーダーキャッシュの読み込み中に終了するケースが確認されていました。
2.0.0 Bでは、読み込めないキャッシュエントリーをスキップし、必要になったタイミングで再コンパイルするよう変更されています。このほか、Cemuの「Accurate barriers」設定がゲーム内メニューへ追加されたほか、両エミュレーターのフレームレートやシェーダーキャッシュの読み込み状況など、ログ関連の機能も強化されています。
通常のPS5では利用できない点には注意
「PS5CEMU-HAR」は、あくまでも脱獄済みPS5とetaHENを対象とした非公式Homebrewです。そのため、通常の状態のPS5にインストールして利用することはできません。
また、CemuやAzaharの公式プロジェクトではなく、任天堂やソニーが関与・公認しているものでもありません。ゲームデータや暗号鍵、ファームウェアなども配布物には含まれておらず、開発者は所有しているハードウェアやソフトウェアから取得したものを使用するよう案内しています。
3DS側についてはまだ追加されたばかりの機能ということもあり、カメラやマイク、ローカル通信、オンラインプレイなど、現時点では利用できない機能も残されています。今後のアップデートで、PS5上の3DSエミュレーションがどこまで完成度を高めていくのかにも注目したいところです。















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