カード1枚を“ゲームのプレイリスト”に。『Zaparoo Core v2.18.0』公開、MiSTer/RetroArchの管理機能も大幅強化

カード1枚を“ゲームのプレイリスト”に。『Zaparoo Core v2.18.0』公開、MiSTer/RetroArchの管理機能も大幅強化

NFCカードなどを使ってゲームやスクリプトを起動できるシステム「Zaparoo」の最新版となる「Zaparoo Core v2.18.0」と「Zaparoo App v1.15.0」が、2026年9月25日に公開されました。

今回のアップデートでは、複数のゲームをひとつのリストとしてまとめてカードに割り当てられる新機能「Decks」をはじめ、ライブラリ同期や複数ディスク作品の統合表示、RetroArchでのディスク交換操作など多数の機能が追加されています。

さらにMiSTer FPGA向けには、Commodore CDTVやDVD Player用ランチャー、アーケードゲームのメタデータ取得機能なども追加。単なる不具合修正にとどまらず、Zaparooを使ったレトロゲームライブラリの管理方法そのものを大きく拡張するアップデートとなっています。

●Zaparoo Core v2.18.0 and App v1.15.0 released
https://zaparoo.org/blog/core-v2.18.0/

NFCカードからゲームを起動できる「Zaparoo」

Zaparooは、NFCカードなどをリーダーで読み取ることで、登録しておいたゲームやスクリプトを起動できるオープンソースのシステムです。MiSTer FPGAやBatocera、Windowsなど複数の環境に対応しています。

大量のROMをメニュー画面から選択する一般的なフロントエンドとは異なり、ゲームごとにカードを作成しておけば、そのカードをリーダーにタッチすることで対応するタイトルを直接起動できます。

デジタル化されたゲームライブラリでありながら、実際のカートリッジやディスクを選んで遊ぶような感覚を取り戻せるのが特徴です。カード以外にもZaparooに対応させたアイテムを利用できるため、フィギュアなどとゲームを紐付けた使い方も可能です。

最大120項目を1枚のカードにまとめられる新機能「Decks」

今回のアップデートで特に大きな追加となったのが、新機能の「Decks」です。

Deckは複数のゲームやスクリプトをひとつのリストとしてまとめ、プレイリストのように扱える機能です。ひとつのDeckには最大120項目まで登録でき、ゲームの検索結果やZapScript、仮想カードなどを追加して自由に並べ替えられます。

作成したDeckは通常のゲームと同じようにカードへ書き込むことが可能です。カードを読み込むことでDeckを開始できるほか、メニューを開いて登録されているゲームの中から遊びたいものを選択することもできます。

ここで便利なのが、カードにDeckそのものの内容をすべて書き込んでいるわけではないという点です。一度Deckをカードへ割り当てたあとでも、Deck側に登録されているゲームを追加したり入れ替えたりできます。

内容を変更するたびにNFCカードを書き直す必要がないため、「お気に入りのシューティングゲーム」「家族で遊ぶゲーム」「次に遊びたいRPG」といったテーマ別カードを作り、後から内容だけを更新するといった使い方がしやすくなっています。

また、同じプレイリストのカードを再度読み込んだ場合は、最初からやり直すのではなく次の項目へ進むように動作が変更されました。

Favoritesに加えて「Like」「Dislike」「Play Later」を追加

ゲームライブラリの整理機能も強化されました。

従来のFavoritesに加えて、「Like」「Dislike」「Play Later」が利用できるようになっています。それぞれライブラリ内で独立したコレクションとして扱われるため、気に入ったゲームや後で遊びたいゲームを分類して管理できます。

さらにZaparoo Onlineを利用したライブラリ同期にも対応しました。同期を有効にすると、FavoritesやLike、Play Later、Decksなどの情報を、同じアカウントに紐付けられた複数のデバイス間で共有できます。

Zaparoo Onlineは必須ではなく、Coreそのものはアカウントなしでも利用可能です。ライブラリ同期やDecks、仮想カード、プレイ履歴同期については無料機能として提供されています。

複数ディスク作品を「ひとつのゲーム」として管理可能に

CD-ROMを採用したレトロゲームを大量に管理しているユーザーには、複数ディスク作品の扱いが改善された点も大きな変更となりそうです。

これまで複数枚のディスクイメージで構成されたゲームでは、それぞれのファイルが個別に表示されるケースがありましたが、最新版では同じタイトルのディスクをひとつのゲームとしてまとめて表示できるようになりました。

対象となる形式には.cue、.chd、.iso、.bin、.img、.pbpなどが含まれています。これまで対応していた.m3uを利用した構成だけではなく、フォルダー内に複数のディスクイメージが保存されているゲームについても統合して扱えるようになります。

必要な場合はフォルダーを開き、個別のディスクを選択することも可能です。PlayStationやPCエンジン CD-ROM²、セガサターンなど、複数枚組のタイトルを多く所有している環境ではライブラリをかなり整理しやすくなりそうです。

RetroArchではカードからディスク交換が可能に

RetroArchを利用している環境では、さらにユニークな機能が追加されています。

LinuxおよびSteamOS向けの内蔵RetroArchランチャーが新たにディスク操作へ対応し、Zaparooのコントロール用カードからディスクトレイの開閉や、次/前のディスクへの切り替えが行えるようになりました。

対応する操作は「toggle_tray」「next」「previous」で、ゲームを終了してRetroArchのメニューを開かなくてもカード操作からディスク交換を実行できます。

複数枚組のゲームを遊ぶ際に、「ディスク2」などと書かれたカードを用意しておき、そのカードを使って実際のゲーム機でディスクを交換するような操作環境を作ることもできそうです。

なお、RetroArch側からディスク交換が正常に完了したかどうかをZaparooへ通知する仕組みはないため、実際に切り替わったかどうかは画面上で確認する必要があります。

MiSTer FPGAではCDTV/DVD Playerランチャーを追加

MiSTer FPGA向けの機能も大きく強化されています。

新たにCommodore CDTV用ランチャーが追加され、CDTVフォルダー内に保存したCDイメージを、Minimigと保存済みのCDTVプリセットを利用して起動できるようになりました。利用するには事前にCDTV用プリセットを保存しておく必要があります。

DVD Playerにも対応し、DVDフォルダー内の.isoイメージをDVDコアから起動可能になっています。ハイブリッドコア向けには「HybridDVDPlayer」ランチャーも用意されています。

アーケードゲーム関連では、MiSTerのアーケードカタログから発売年、開発元、ジャンル、プレイヤー数、操作方法、モニターの向きといったメタデータを取得する「mister-arcade」スクレイパーが追加されました。

さらにSkraperなどで作成したアーケード用gamelistとのマッチングも改善され、セット名を使ってMRAファイルと照合し、アートワークを利用できるようになっています。

Game BoyとGame Boy Colorのように同じフォルダーを共有しているシステムで、別システムのアートワークを誤って取得してしまう問題も改善されています。

MiSTerでは「Update All」からZaparoo Core v2.18.0をインストール可能です。

Windowsではキーボード/仮想ゲームパッド入力にも対応

Windows版では、キーボード入力が新たに利用できるようになりました。これまでWindowsでは動作しなかったキーボード入力やテキスト入力、キーボードマクロなどが使用可能になります。

ViGEmBusを利用した仮想ゲームパッド入力にも対応。ただし、この機能は初期状態では無効になっています。

利用する場合はインストーラーからViGEmBusドライバーを導入したうえで、設定ファイルの[input]内にあるgamepad_enabledを有効にする必要があります。仮想コントローラーが追加されることで、ゲーム側で既存コントローラーの番号が変化する可能性があるため、必要な環境だけで有効化する形となっています。

また、バーチャルピンボール用フロントエンド「PinUP Popper」との連携機能も追加されました。

PinUP Popperのデータベースに登録されているテーブルをZaparooの「Pinball」システムとして管理でき、Visual Pinball、Future Pinball、Pinball FX、Pinball M、Zaccaria、Pro PinballなどのテーブルをZaparooから起動・停止できるようになります。

PN532Killerリーダーにも対応

カードリーダー関連では、「PN532Killer」がUARTモードで新たにサポートされました。

USB接続されたPN532リーダーと同様に扱えるようになっており、Zaparooで利用できるカードリーダーの選択肢がさらに増えています。

そのほか、接続を解除したUSBリーダーがログ上で繰り返し接続・切断されたように表示される問題や、PN532ではないシリアルデバイスを自動検出時に繰り返し確認する動作なども改善されています。

アップデート前には設定やバックアップを確認

今回のアップデートでは仕様変更も多いため、既存ユーザーは導入前に注意事項を確認しておいたほうがよさそうです。

Decksや新しいライブラリ関連ボタンを利用するにはCore v2.18.0が必要です。古いCoreへ接続している場合、対応していない機能はApp側で表示されません。

Windows版ではクライアントとの通信で暗号化が標準で有効になり、Appなどのリモートクライアントを利用する場合はペアリングが必要になります。

SteamOSについてはバックアップの仕様も変更されています。今回のバージョンからEmuDeckとRetroDECKのbiosフォルダーがバックアップ対象から除外されるほか、アップデート以前に作成されたバックアップは復元できません。必要なBIOSファイルは別途保存し、アップデート後に新しいバックアップを作成することが推奨されています。

また、複数ディスク作品の統合表示やフォルダーアートワーク、新しいメタデータ関連機能を反映するには、メディアデータベースの更新と再スクレイピングが必要です。

今回のZaparoo Core v2.18.0/App v1.15.0は、単に対応機種やランチャーを追加するだけではなく、「大量のゲームをカードからどう選び、どう整理するか」という部分に踏み込んだアップデートとなっています。

特にDecksは、これまで基本的にゲームとカードを1対1で紐付けていた使い方から、「1枚のカードに遊びたいゲームのまとまりを割り当てる」という新しい使い方を可能にする機能です。

NFCカードを使ってレトロゲームを実物メディアのように扱いたい人はもちろん、MiSTer FPGAやRetroArchの大規模なゲームライブラリを整理したい人にとっても、チェックしておきたいアップデートといえそうです。

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