【続報】数年間HDDに眠っていたはずの『ゼルダBotW』3DS版、解析で2026年製の痕跡! AI制作疑惑も浮上

【続報】数年間HDDに眠っていたはずの『ゼルダBotW』3DS版、解析で2026年製の痕跡! AI制作疑惑も浮上

先日、「レトロゲームで遊ぼう!」でも紹介した、突如としてネット上に現れたニンテンドー3DS向け『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の謎のファンデメイク。

数年間HDDに眠っていた『ゼルダBotW』3DS版が発掘! 正体不明のファンデメイク、エミュレーター上で動作

発見時には「数年間にわたってHDDの中に保存されていた」という、ちょっとしたゲーム考古学のような経緯も話題になっていました。ところがその後、3DS Homebrew開発者らが実際のデータを解析したところ、この説明とは矛盾する興味深い痕跡が見つかりました。

どうやらこの謎の3DS版『BotW』、数年前に作られたものではなく、かなり最近になって制作された可能性が高そうなのです。さらに、生成AIを利用した「Vibe Coding」で作られたのではないかという疑惑まで浮上しています。

昨日、ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドのデメイクがインターネット上に登場しました。一部の3DSホームブリュー開発者がこれを調査し、データマイニングしています。このスレッドでは、この謎のビルドに関する現在の状況と私たちが持っている情報をダンプします。

前回は「数年間HDDに眠っていた」と紹介

今回の話を振り返っておきましょう。2026年8月17日ごろ、Redditの「r/3dshomebrew」にニンテンドー3DS向けに作られた『ブレス オブ ザ ワイルド』のファンデメイクが投稿されました。

投稿者のStandard-Brick-2776氏によると、あるサーバーで知り合った人物がこのビルドを所有しており、「数年間にわたってHDDの中に保存されていた」と説明していました。開発者が誰なのかについては不明です。

「レトロゲームで遊ぼう!」でも8月18日に、この謎のデメイクについて記事で紹介しています。ゲームにはオープニングやNPCとの会話、建造物なども用意されており、3DSエミュレーターの『Azahar』上では実際に動作。ただし、ニンテンドー3DS実機では動作しないというものでした。

当時は作者も制作時期も不明で、「なぜこれほどのものが数年間も表に出てこなかったのか?」という点も含めて謎に包まれたプロジェクトでした。しかし、公開されたデータを3DS Homebrew開発者らが解析したことで、その出自に少々怪しい部分が見えてきました。

2026年に登場した「newlib 4.6.0」でコンパイルされていた?

解析を行ったのは、『Azahar』など3DS Homebrew界隈でも知られるPabloMK7氏らです。PabloMK7氏によると、このデメイクは「devkitARM」「citro3D」「citro2D」といった3DS Homebrew開発で利用されるツールを使って制作された形跡が残されていました。

さらにプログラム内の情報を調べたところ、「newlib 4.6.0」を利用してコンパイルされたことを示す記述が発見されたといいます。ここで問題になるのが、newlib 4.6.0が登場した時期です。PabloMK7氏によると、newlib 4.6.0がリリースされたのは2026年1月23日で、devkitProに採用されたのも2026年2月です。

つまり本当にnewlib 4.6.0を利用して作られているのなら、少なくとも現在配布されているビルドが制作されたのは2026年以降ということになります。これは、「数年間HDDに保存されていた」という当初の説明とは明らかに食い違います。

ただし日付にはもうひとつ奇妙な点も

もっとも、解析結果にも少々不可解な部分があります。newlibのバージョン情報には「4.6.0」と記録されている一方で、日付として「2014年12月5日」が表示されていたとのこと。しかし2014年当時のnewlibは2.0.0前後だったため、この組み合わせ自体が成立しません。現在devkitProで配布されているnewlib 4.6.0では正しい日付が表示されることも確認されています。

PabloMK7氏自身もこの日付については不可解だとしつつ、2014年という日付よりも「4.6.0」というバージョン番号のほうを信用できるのではないかと見ています。少なくとも、単純に「何年も前に作られ、そのままHDDに眠っていた作品」と考えるには、不自然な部分が出てきたというわけです。

さらに「AIで作られたのでは?」という疑惑も

さらに解析を進めたPabloMK7氏は、このデメイクが生成AIを利用した、いわゆる「Vibe Coding」で作られた可能性も指摘しています。根拠のひとつとして挙げているのが、プログラム内に残されたログ出力用文字列です。

そこには一般的なハイフンではなく「em dash(—)」が使われている箇所があり、PabloMK7氏は、こうした表記がAIエージェントによって生成された文章でよく見られる特徴のひとつだと指摘しています。

ただし、これだけで「AIによって作られた」と断定できるわけではありません。現時点ではソースコードの制作過程や本当の作者も判明しておらず、「AIが使われた可能性が高い」という解析側の見解に留まっています。

PabloMK7氏は、2026年のツールチェーンが利用されていることなどから、「数年前からHDDに保存されていた」という説明は、この作品がAIを利用して制作されたことを隠すためのものだった可能性まで指摘しています。

投稿者自身も「説明できない」と回答

この解析結果は、元のReddit投稿でも話題になっています。ユーザーから「newlib 4.6.0は今年登場したものなのに、数年前からHDDにあったという説明と矛盾するのでは?」と指摘されたStandard-Brick-2776氏は、そもそも情報自体が不確かなものばかりであり、この食い違いについて明確な回答を持っていないとしています。

もともとStandard-Brick-2776氏自身が作者を名乗っていたわけではなく、別の人物から入手したデータを紹介していた形です。そのため、誰の段階で「数年間HDDにあった」という話が加わったのかについても、現時点では分かっていません。

「謎の発掘ゲーム」から「謎のAI製ゲーム」へ?

前回の記事では、「誰が、いつ、何のためにここまで作ったのか?」という、まるでゲーム考古学のような謎を持つ作品として紹介しました。ところが解析が進んだことで、「数年前に作られた」という前提そのものが怪しくなってきました。

もし2026年になってから生成AIなどを利用して短期間で制作されたものだとすれば、話はまったく変わってきます。とはいえ、現時点でも作者が判明したわけではなく、AIが利用されたことを決定づける証拠が見つかったわけでもありません。

少なくとも確かなのは、公開されたビルドから2026年に登場したnewlib 4.6.0を利用した形跡が確認され、「数年間HDDに眠っていた」という当初の説明と矛盾が生じていることです。正体不明の3DS版『ブレス オブ ザ ワイルド』を巡る謎は、発掘されたときよりもむしろ深まってしまったのかもしれません。

via.Time Extension

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